5分間の脳内

生きてる、あのロックスターに会うために。スターという定義が何なのかはよく知らないが、私が心動かされ、ただひたすらに会いたいと声を聞きたいと心の底まで覗きたいと思う人である。窓の外を見るとあまりにも速く流れる景色があった。思わず目を奪われてしまった。次の駅で降りるはずだったのに何駅も何駅も通り過ぎた気がする。知らない街で出会う知らない人間は、とても透明だった。大好きだったあの人が虹色に染まっていた理由。あまりにも不器用に生まれてきてしまったから言葉と心と脳みそをフル回転させて全ての音を届けたい。聴いたことのないメロディーは、何度も聴くから好きになる。優しいも痛いも柔らかいも臭いも懐かしいも冷たいも、誰も決められないから自分のものにできる。怯えた先に光った魂。新しいことは苦手。だけど歳を重ねるには必要不可欠なもの。永遠という名の超ロングマラソンでゴールテープを握るのが懐かしい最愛の人ならば良かったのに。いいや、そんな世界がないからこそ生きるのだ。神からのあまりにも酷い仕打ちはこの私が何倍ものエネルギーで跳ね返す。

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