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6月のチェリーパイ

 「ハケンアニメ」という映画を見ていったら吉岡理帆が演じる主人公が、やたらにコージーコーナーのエクレアを食べたがる。あそこのは安くて美味しいんだな。食べたくなった。で、一生懸命に買いに行った。
 そして、ついに買ったとき、限定チェリーパイのお知らせとシュークリームの割引券がついていた。6月はチェリーパイの季節だったか。そうかそうだったか。コージーコーナーで食べれるのか。
 私はデビット・リンチの「ツイン・ピークス」が好きで、そこに出てくるチュリーパイが食べたいと熱望していた。そして、ついに羽海野チカさんのエッセイで井村屋が品川駅前で経営していた「アンナ・ミラーズ」にアメリカンタイプのチェリーパイがあることを発見した。
 東京に出たとき行きました。行くだけでふらふらでイベントついでだったけど、おいしかった。可愛いメイド姿での接客、透明な厨房でパイを焼く姿を見せてくれる。もちろん、パイは出来立てのように温めて出してくれる。至福の味でありました。
 コージーコーナーのチェリーパイももちろん美味しかったけど、フレッシュな酸っぱさが足らない。残念だ。いつか、また行く。そう思っていると、8月末に「アンナ・ミラーズ」の閉店のお知らせを知った。東京だ。ファンが押しかける。無理だ。
 で、がっかりしていたところ、単身赴任をしてる夫の家からの帰宅途中の京都でチェリーパイにありついて、昨日食したのですよ。
 ほんとは大好きな京都漫画ミュージアムによるつもりだったのだ。日にちを調べて火曜日が休館だとわかっていたのだが、水曜も休館と知らなかったのだ。週休2日だったんだ。職員さんに配慮もしてくれてるんだな。よいことだ。
 しかし、がっかりした。そこで思い出した。京都駅にもどる途中にパイの名店「松之助」があるではないか。6月がチェリーパイの季節ならあってもいいはず。有りました。
 デビット・リンチのファミレス風でない素朴ハンドメイド風のパイだけど、ほしかったフェレッシュな甘酸っぱさが広がった。美味しい。
 食べたとき、吉岡里帆の顔が浮かんだ。あの映画ではいつもエクレアを食べ損ねてがっかりしていた。そういえば、あの子は京都の子だ。

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