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日本でイノベーションが生まれない理由は何か? -NewsPicks のKOBJ記事を受けての考察

本noteは、NewsPicksにて無料連載している「大前研一ビジネスジャーナル」の2015年2月19日公開記事「日本でイノベーションが生まれない理由は何か?」の、私の受けコメントが長文過ぎて入らなかったため、移設をしたものです。

従いまして、読み進める前に「まだ記事を読んでいないぜっ!」という方は、是非下記を読んでから再び戻ってきていただくことをオススメします。というか、そうしてね!意味通じないと思うので。

本体の連載記事はコチラ↓
日本でイノベーションが生まれない理由はな何か?
https://newspicks.com/news/836065/body/

さて、私の受けコメントですが・・・なんと今回NewsPicksの運営チームから「ログで発見したのでお渡ししますね〜!」とサルベージ成功の知らせが届いたため、書き直し等一切せずに活用したいと思います。上田さん感謝です!!

----------<ココカラ>----------

予想通り賛否両論というか「なんか残念」という意見もあって、実にNewsPicksのディスカッションの現場は健全だと感じます。私は多様性を愛してますので。

今日はちょっと長く書きます。
というか投稿前に読み返したら長くてビックリしました。
先に謝ります。ゴメンナサイ。

この取材自体も私がしました。その時感じた事としては、一部の方が言っているような「若干懐古的で上から目線だ」とも感じました。でもね、そういうもんでしょ?と、言ってみたりします。某親父も70歳超えてますからね、そういう意味では「昔は〜」という権利というか、ソレはあっても良いと私は考えています。

60代を超えた経営者であっても、ITを勉強し且つ活用もしてキッチリ時代について行っている方はいらっしゃいます。しかし、色々な経営者とお目にかかった時に感じる「は〜!いま時代はそんなん成ってるんですね!もうついて行けないや〜!!」的な、完全お手上げ状態であるのにも関わらず、社内で新しい事をやろうとすると「良くワカランから許可できない」となる、ソレ。ソレがあかんよね!と感じる訳です。

経営者にそういった言い訳は許されてないんですよね。死ぬまで経営者で居るつもりなら、死ぬ直前まで日々これ勉強!!自分よりも優れた若者を雇い、その人間に「やってみなはれ」と言えるか?判断を求められたらきっちり正しく判断する能力を有するか?と問いたいのです。

一方で若者に対して感じている「アンビションの無さ」ですが、一部の方が仰るように、今はモノが溢れて生きる事が楽な時代なので、「昔の人達はアンビションがあった!」と言ってしまうことには違和感はあります。必至に生き、必至に何かを掴もうとしていた高度成長期の考え方と、今の時代の考え方は異なって然るべきだと考えます。

しかし何というか、日本が生産者や作業者を育成する教育システムに慣れすぎてしまった結果、自分が歯車の一部として会社に取り込まれることに疑いを持たなくなってしまった事には、少なからず危機感を感じます。

「良い大学入って、良い会社に勤めて、結婚して、子供が産まれて、それの何処が悪いの?」

悪くは無いです。昔からあるいわゆる日本流の一般的な「幸せ像」というのは、そういうモノだったでしょうし、それを求める事は何ら間違っていないと感じます。全員アンビションを持ったら、その大志の下で動いてくれる仲間が居なくなっちゃうのも問題でしょう。孫正義×大前研一談義でもよく出てくる笑い話ネタですが「大前さん、そんなに若者にアンビションアンビションって言わないでよ!私みたいな人間が目立たなくなるでしょ!」という側面?は事実あるでしょう。皆がアンビションしすぎる必要も無いという意味で。

では、低欲望の何が問題なのか?という事を考えて行くならば、それは「世代交代による新陳代謝が起こりにくくなっている」という事なのだと考えます。

俺が俺が! 私が私が! 今の社長に「安心して引退して下さい」と言い切って会社を任せて貰うようなガッツ。または上司に反対されようが、会社の為を思って今やるべき事を通そうとする気迫。最近そういった現場に出会うケースは減ったように感じます。

あえて言えば、老人の体験を糧に未だに旧態依然とした戦略戦術で挑もうとしているのであれば、それは遅かれ早かれ死に体に至るといって過言では無い経営方針です。若い世代が、今の時代を読み取り「何を求めらられているのか?」「何を社会に発信・発明するのか?」といった事をやってのけないと、社会全体が単に緩やかに死に至るだけです。

低欲望の恐怖は、新陳代謝の能力を失った社会に対する恐怖。

私はそのように理解しています。

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