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退学届はアッサリと受理された。教務課の好意からか、学生証は後に郵送すれば良いとの事だった。

3/20をもって、賃貸の契約が切れた。新居の契約はしていないので、世にも珍しいホームレス大学生となった。

家から出て直ぐにキャリーバッグのキャスターが壊れた。ダウンのチャックも壊れたし、理髪店は祝日につき休みだった。

家は15時に追い出されたので、閉館ギリギリまで図書館に居座り、joysoundで一晩明かした。

(・∀・)人(・∀・)ナカーマ


翌朝、一本目の新幹線で東京へ向かった。駅でキャリードバッグを預け、都内某所の福祉事務所に直行した。

生活保護には「現在地保護の原則」というのがあり、住所が無ければ最寄りの福祉事務所で申請できる。これによって、無料東京引越しが叶う訳だ。申請が通れば、役所負担で賃貸を契約し、幾らか家具を買うだけの金が与えられる…というほど楽でもない。役所の水際作戦に勝たなければならない。

公僕が国民を撃滅するなよ…


1時間以上待たされた挙げ句、頼んでもない相談を敢行された。ちゃんとテンプレの水際作戦付きだ。無低確定とか、扶養照会は避け難いとか…。お陰で、14時前にいって時間切れで帰らされた。

しかし、策士策に溺れるとはこのことだ。一旦引き上げて保護法を確認したお陰で、戦争の意思を固めた。当日中に無低行きにされていたら、逃れられなかっただろう。

部屋には「録音禁止」の張り紙


とはいえ、ホームレスは辛い。生活の基盤がない。帰るところがない。腹が減る。金が減る。それを日々実感する。

3/22 妙に元気@深夜の秋葉原UDX




先日、某Vtuberが引退を発表した。彼女が活動を始めたのは僕が大学に入る直前で、辞めるのが出る直後というのは、何かの縁を感じる。

ツイートに❤️だけしてミュートした。1日越して泣きたくなった。いや、ちょっと泣いた。そんなに見てた訳でもないのに、妙にセンチな気分だ。水シャワーが辛かったのかも知れない。面白かったんだよなあ。

3/22 初めてVtuberのボイスを買った。地下駐車場で暖を取りながら聴いた。東京の3月は寒い。



神は何故このような試練を与え給うたのか


赤門?


世界がキレイ過ぎてちょっと泣いた。いや、結構泣いた。

いつになく外を歩き回ったせいかも知れない。何にせよ、僕は初めて、こんなにも世界に感動していた。神田とか、秋葉原とか、…という文化的な街で、人類の善意と偉大さを感じた。

善なるものに報いたい、という気持ち。あのメロンブックスにある本を全部買って、全員に思ったことを言いたい。

睡眠不足なのか分からないが。いや、そも僕には、こういう心があったんだと思う。それを、ようやく実感出来るようになったってだけで。



1週間経つ頃には路上生活に慣れた。駐車場で寝られるようになったからだと思う。ひどく落ち着く。同時に、世界に対する感動もまた薄れていく。

僕は多分、異常に精神が安定している。ので、義絶∧放校∧ホームレスという3コンボを食らっても、2〜3日しか動揺しなかった。出来なかった。

でも、あのときの高揚感や煌めきを忘れる事は出来ないし、あのときの気分が嘘だったとも思えない。間違いなく、部屋に籠もってネットを見続けていたときよりは、マシなハズだ。

僕が、あれ程の充実感を得るためには、精神不安は不可欠で、その為には変化が必要だ。そして、それは自分の作為によってしか為し得ない。


今は、とにかく頑張りたい。それが世界への、何より自分への、せめてもの餞だ。


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