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ピアニート公爵の「蒼い鳥」

いまピアノアレンジの段取りについて記事を執筆中です。その最中、思い出したピアノアレンジ動画があったので、書いておこうと思います。

2007年にニコニコ動画にとあるピアノ演奏動画がアップロードされ、話題になりました。当時の演奏してみた界隈に相当な衝撃が走ったので、ご存じの方も多いかと思います。東京芸大修了のピアニート公爵(本名:森下唯さん)によるアイマス愛に溢れた"本気の"アレンジと演奏でした。
(上記は2011年にホールで再録されたもの。記事サムネイルも同様)

趣味でピアノを弾いている人間がこの演奏について何かを述べる事自体おこがましいのですが、投稿から14年経っても未だに心に残るピアノアレンジなので、印象的なシーンを書いておきたいと思います。

55秒~主旋律とは異なるフレーズが聴こえ始めます。私の場合、ベース、主旋律、コードを拾うと両手のキャパシティが限界を迎えますが、公爵は悠々と副旋律もあまさず弾き切ってしまいます。耳のピントを変えると違う旋律が浮かび上がってくる感覚は14年経ったいま聴いても新鮮な感動があります。
ベースの響きも信じがたいほど美しいです。公爵の左手は拍頭にベースの音を低音域で弾いてからはすぐに中音域と高音域に移動することで、中音域の音数がありえないほど多く、それがピアノアレンジの分厚さを出しているように感じます。原曲「蒼い鳥」はそこまでベースラインが複雑に動く曲ではないことも留意しつつ、ペダルの制御が本当に素晴らしくて拍頭に弾いたベースの音がその後しっかり持続しているので、中音域以上でせわしく弾いても曲の土台が安定しており、軽い感じがまったくありません。

他にも沢山感じるところはあるのですが、拙い語彙で表現するのも野暮ですので、ここら辺で。もう2:09-2:26とか何十回リピートしたか…

ニコニコのコメントにもあるとおり、ピアノ独奏なのにオーケストラを聴いてるかのような低音から高音まで満ち満ちたゴージャスな響きが本当にすごいです。好きな曲をこんな風に弾けたらどんなに楽しいだろう。
永遠の憧れです。