見出し画像

”Made in USA”表記と3億円の制裁金

2024年1月26日、FTCは、Kubota North America Corporationに対して、200億ドル(約3億円)のCivil penaltyを支払う和解を行なったとのアナウンスがありました(FTCのアナウンス)。これは、Kubota North Americaなどが、交換部品の一部に、「Made In USA」という表記を付していたことが、「Falsely labeling」(虚偽表示)に該当するとされている案件です。FTCによれば、Made in USAのラベルのルールに違反した制裁金の中で、もっとも大きな制裁金であると述べています。

この事件の内容は、FTCの訴状によれば、Kubotaは、トラクターなどの農業機械の交換部品数千点について、海外で製造されているにもかかわらず、「Made in USA」としてきたとのことであす。また、製造地を移転した後も、表記をアップデートせず、「Made in USA」表記を続けていましたものもあったと主張しています

訴状 5頁より


訴状 6頁より

FTCのStipulated orderでは、制裁金に加えて、米国内で最終組立や重要な部分の加工が米国で行われ、製品のほぼ全ての成分や部品が米国内で製造・調達されていることを示さない限り、「Made In USA」表記は行えないこと、製品に外国の部品がどの程度含まれているかを明確に表示することなどについて記載されており、クボタ側も内容に同意しています。

FTCでは、”Made in USA Labeling Rule”を2021年に定めており、このルールに従った表記を求めています。Made in USA表記をする場合には、このルールをよく理解する必要があります。

なお、FTCによれば、1999年にも、「Made in USA」表記について、クボタはホンダなどとともに、FTCに問題視され、和解を行なっているようです(1999年のFTCの和解はこちら)。

日本でも、商品の原産国における表示は景品表示法5条3号の告示や関税法などにありますが、米国においては、「Made in USA」の場合のルールにも注意しなければならず、巨大な制裁金が課される可能性があるケースとして、参考になると考えられます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?