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木目紙の著作物性に関する訴訟 in US

(※冒頭の画像はDALL-Eで生成しております。)

Toppan InternationalがWhalen Furnitureに対して、Whalenの「Wooden grain paper」(木目紙)がToppanの著作物を侵害するとして、United States District Court for the Southern District of California(南部カルフォルニア連邦地裁)に訴訟を提起しており、現在も係争中の事件があります。(Toppan Interamerica, Inc. v. Whalen LLC, 23-cv-1948-BAS-BGS)。

本件では、Toppan CosmoやToppan Printing名義で著作物登録がなされている木目のタイルについて、Whalen社が侵害していたとして訴訟を提起しました。また、本件は、訴訟だけではなく、ITCにも申立てが行われております。ITCに関しては、本件について調査を行うことを2024年1月9日に決定していました(ITCの発表)。ITCの対象となる著作物は、以下の著作物とのことです。

VA 2-142-287(Fitzroy Pine)
VA 2-176-002(Roughsawn Oak)
VA 2-142-295(Aspen Oak 2_C5OKP190L/AOK-667)
VA 2-142-292(Manaslu Oak)

訴訟においては、これに加えさらにVA 2-178-041 (Bianco Oak 2), and VA 2-188-328 (Charcoal Oak C4OKS314L)も対象となっています。

ITCに関しては、4月4日に、Complaintの撤回に基づいて調査を終了するためのUnopposed Motion提出し、調査は終了された模様です(ITCによるNotice)。一方で、訴訟に関してはまだ継続している模様です。

日本でも、木目化粧紙の著作物性に関しては、判例があります(東京地判平成2年7月20日判時1371号131頁、東京高判平成3年12月17日判時1418号120頁)。東京高裁では、木目化粧紙は、産業用に量産される実用品の模様であって、著作物性を有しないと判断しました(ただし、不法行為の成立を認めています)。
米国にも応用美術(applied arts)に関する判決はあり、今後、米国での訴訟においても、木目紙が「応用美術」に該当するか否かが争点となる可能性は高く、判決に至った際にはどのような判断が示されるのか注目されます。

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