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アゾリウスゲート解説【#神決定戦】

こんにちは、パウパー神です。

今回は神決定戦で使った「アゾリウスゲート」の解説記事となります。

神決定戦に向け、約1ヶ月MTG以外の娯楽を抑えていたのでその反動で好き放題遊んでしまい記事投稿がかなり遅くなってしまいました。

調整に使用したスプレッドシート

防衛から2週間くらい経ってしまって記事を出すか悩んでいましたが、せっかく書いたし出すか・・・!と思いノリと勢いだけで書いた記事になりますので、ふんわり読んで頂ければと思います!!!

また、今回使用したデッキリストはMOの強豪である@JoaquinMaletti と @selkcahs のデッキリストを参考にしています。彼らに感謝を。

それでは本編へ。

■デッキリスト

■デッキの概要

「アゾリウスゲート(Caw-Gate)」は青白コントロールを基盤としたミッドレンジ-コントロールデッキだ。

「統率者レジェンズ:バルダーズゲートの戦い」で《バジリスク門》と《海門》を始めとする「色指定門サイクル」が登場し多種多様なゲートデッキが作られた中で、最も新しいデッキと言えるだろう。
mtggoldfishでは大まかな括りで「4Cゲート」などとも呼ばれるが、他のゲートデッキと混同されるので今回は「アゾリウスゲート」と呼ばせて頂く。

デッキベースはほぼ青白系コントロールと同じ構成なので、序盤は除去やカウンターで相手の脅威を捌きつつドロースペルで手札を整えていく。
そうしてターンが経過するにつれ5種15枚の「門」が並んでいき、最終的に各種小型クリーチャーに《バジリスク門》を起動する事で攻勢に出る、といった形。
切り返した後に短いターンで詰めきる事が出来るのがゲートデッキ最大の魅力と言える。

またその他の長所として、土地が22枚採用してる事に加えドロースペルが10〜12枚採用されているため土地事故が置きづらい。コントロールベースのおかげで苦手なデッキが比較的少ない、色指定門サイクルのおかげでサイドボードの選択肢が広く強い、等が挙げられる。

勿論デメリットがないわけではなく、土地のほとんどがタップインしてしまう事や門を引けていないと《バジリスク門》のバリューが下がってしまう。それ以外にもデッキ内が1.2マナのカードが中心なこともあり、ターン中でのシンボル要求がやたら厳しいタイミングがある事もしばしばである。
(例:鷹→ブレスト(サーチした鷹戻し)→定業(占術で下下)した後に引いた《対抗呪文》を構えたい等)

やれることが非常に多く構築自由度も高いので使っていて楽しいデッキではあるのだが、ドローやサーチ、土地の置き順やサイド後の色指定と繊細な部分があり過ぎるため、異常にプレイが難しくなりがちな事も欠点だと感じる。

私自身も調整中にプレイ順の巻き戻しやミスを後で気付くといった事を幾度となく行ってきたし、このデッキを完璧にプレイするのは手練れでなければ難解だろう。

だが、デッキの基盤自体が非常に強く今後も長く使い続けられるデッキだと思うので、興味がある人は是非使って見てほしいデッキだ。
(バジリスク門さえ禁止にならなければ、の話だが)

■各カード解説

■クリーチャー


キュートな見た目でもやってる事は・・・。

《聖なる猫》と《戦隊の鷹》はこのデッキの中心的クリーチャーで、アドバンテージ限+継続的なクロックを可能にする。


《聖なる猫》は《当世》によって捨てる事で再利用したり序盤を凌ぐチャンプブロッカーとしても気軽に使える可愛いやつで、後半は不朽により戦場に戻り《バジリスク門》と合わせて一気にライフを危険水域から引き戻してくれる。
赤いデッキが強いパウパーではライフリンクを持つ不朽持ちというだけでこの猫の評価はグッと上がる。

《戦隊の鷹》はこのデッキの核ともいえる存在で後続の確保や飛行でのクロック源として重宝する。《渦まく知識》でサーチした鷹を戻す、かつてのcaw-bladeを彷彿とさせる動きも健在だ。
サーチした鷹を《当世》でも新しいカードに変換することも出来るので実質3ドローを内臓したクリーチャーとなっている。

これら2種のクリーチャーは能力のおかげで横並びしやすく、《虹色の断片》の効果を最も強力に使うことが出来るクリーチャーでもある。

真の名の宿敵/True-Name Nemesis

《ギルドパクトの守護者》はパウパー界の《真の名の宿敵》と言ってもいいレベルで本当に触れる事が出来ないカードだ。
このカードに対処出来るカードがメインではまず見かける事がないので着地したら最後、最強のアタッカー/ブロッカーになる。《バジリスク門》が絡むと一瞬で勝負が決してしまうことも。
当然このカードにも欠点があり、単体ではただの4マナ2/3。かつ劣勢時には1面を止めるカードに過ぎないという事。またサイド後は多色カードで簡単に対処されてしまったり、親和にはプロテクション(単色)が活躍しなかったりと最強クリーチャーとは言い難いので過信しすぎてはいけない。

ただしゲート同系のミラーマッチでのこのカードのクソ具合は常軌を逸しており、イーブンの状況だと基本的に引いた方が大体勝つ。

イラストが可愛すぎるカード

《ジンジャーブルート》に関しては最近採用され始めたカードで、元々はイニシアチブを奪うブロックされないクリーチャーとして一役買われていた。
禁止改訂により役割を失ったこのカードは徐々に抜けていく…はずだった。

「《バジリスク門》でパンプしてブロックされないと強くね?」

というテキストに書いてある能力が強かったため、そのまま採用されている(マジ)

実際パウパーで使われている速攻持ちが《僧院の速槍》と《台所のインプ》くらいのものでほぼアンブロになるし、この能力が生きるマッチアップではプレイされないカードだったのも大きい。ライフを攻めるデッキにはブロッカー兼3点ゲインとして運用するからだ。
またデッキ内に無色クリーチャーが入る事でミラーでの《ギルドパクトの守護者》によるクソゲーを幾分か軽減することが出来る点もこのカードにしかない利点と言える。

コモン版《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker 》

最後に《当世/ベクターの滑空者》について。
このカードはデッキの安定感を支えてくれる第二の核とも呼べる存在で、ドロー効果と変身後のどちらもアゾリウスゲートに合った素晴らしいカードだ。
ルーティングによって《聖なる猫》や《虹色の断片》を捨てる事は勿論、無駄牌を弾いたり欲しいカードを探してくれる。ドローカードが多いこのデッキでは《定業》や《渦まく知識》と組み合わせて欲しいカードを引き込む事も難しくない。
デッキの安定性を担保してくれるのでキープ基準にもしやすいのもポイントだろう。

そして変身後はデッキ唯一の青いクリーチャーとして活躍する。ミラーマッチでは《虹色の断片》を上手く掻い潜ったり、2/3というスタッツで盤面を支えたりと役割が非常に多い。
飛行を持っていることもデッキの性質上合っており、地上を《聖なる猫》《ジンジャーブルート》《ギルドパクトの守護者》が攻め、空をこのカードと《戦隊の鷹》が襲う。

ここに《バジリスク門》が加わることで点と面、2つによる攻めを行う事が出来るというわけだ。

■スペル

個人的には《思案》が一番好きなドローです。

ドロースペルとして《渦まく知識》4枚と《定業》3枚。
単純に最も強いドローカード2種を採用しているので、これを《思案》や《考慮》に変えることはないだろう。
どちらも強いカードだがダブつくと弱いので今回は《定業》を3枚としている。

カウンターは基本の《対抗呪文》4枚に加えて《呪文貫き》が2枚採用されている。
《呪文貫き》に関しては他のカードに差し替えてもいい枠ではあるが、赤単ブリッツの《無謀なる衝動》やミラーでの《当世》、親和の《胆液の水源》など序盤に打たれるリソース源を咎めたいカードが多かったので今回は採用されている。

未達が全然売ってなくて1枚500円で買いました(キレ)

除去は《未達への旅》が4枚と《息詰まる噴煙》1枚。
基本的に最強の除去である《未達への旅》は減らさずに追加で枠を取るかどうかが焦点となるのだが、今回はボロスゲートを強く意識して《息詰まる噴煙》を取っている。

この除去の枠は選択肢が広く、

・《ギルドパクトの守護者》対策の《結晶化》
・パーマネントに触れる《忘却の輪》
・《ギルドパクトの守護者》と呪禁オーラも見れる《天界のほとばしり》
・タフネス2まで見れるようになる《アームズ・オヴ・ハダル》
・インスタントで選択肢が多く腐り辛い《火+氷》


などが挙げられる。
どれも役割毎にメリットがあるので見たいデッキを意識するのが良いのだが、今回はメタゲームが読み辛かった事もあり、タイミングにあった物を洗濯するのが良いだろう。
構築段階で《火+氷》か《息詰まる噴煙》でかなり悩んだのだが、どちらもドローやサイクリングがあり腐り辛くて偉いのがポイント。

うまぶり要素しかないカードなので強欲になりがち。

最後は《虹色の断片》だが、これは白いクリーチャーデッキであれば必須レベルのカードだろう。フラッシュバックが余りにも軽すぎるので、《戦隊の鷹》を始めとするカードと非常に相性が良い。
相手のアタックを無効にする以外にもブロックを一方的に優位にしたり、手札から打つことで相手の計算を狂わせる一枚だ。
ただ素打ちは3マナと少し重いのでダブつくとプレイ出来ないケースが多い。基本的には早めに捨てて置いて相手の牽制に使いつつこちらのプレイを通していく事を意識する。

よくやるプレイとして2枚の《虹色の断片》を持っているとき、相手が何も動かなければエンドに《虹色の断片》をプレイして1枚墓地に送っておく事もままある。
もったいなく感じるかもしれないが、フラッシュバック+手打ちでターン中に2-3回唱える事でコンバット中のスペルの応酬を制するパターンがある。
似たケースで《戦隊の鷹》をサーチ後にクリンナップで捨てる事もある。

■土地(マナベース)

マナカウントは青17白14の計算。
ベースとなるゲートとして《海門》《砦門》《バジリスク門》が4枚。追加の門として《アゾリウスのギルド門》2枚と《岡門》が1枚。
マナベースが少し厳しいので2色出る門は最低10枚は採用したい。メインの青青とサイド後の白白が出せなくなってしまうので妥協しない方が良いだろう。

痒いところに手が届く一枚

《岡門》はアンタップインの追加かつフレキシブルなマナサポートとしても活躍する他、このデッキでは青マナ+《岡門》+《バジリスク門》で《対抗呪文》を構えつつエンドに宝物トークンを生むことによって「構える事」の弱点を補っている。
また《海門》《砦門》以外にも赤・黒マナを生むカウントが欲しいという要素も満たしてくれる。
基本土地は島4平地1の《灰のやせ地》が2枚。
平地は2枚欲しいタイミングが本当に稀だが存在するのだが、大体は島が欲しい事や平地の素引きが許容出来ないなど欠点が目立つためこの構成となっている。

パウパー屈指の強力土地

《灰のやせ地》は《戦隊の鷹》以外のシャッフル手段となるので個人的には必須だと考えているが、門のバリューを上げるために《アゾリウスのギルド門》を2枚増やすパターンもアリだと考えている。その場合は《定業》や《思案》を増やすなどでライブラリ操作を増やすのがいいだろう。

通称お帰りランド

稀に《アゾリウスの大法官庁》を採用しているケースもあるが、これ以上のタップインは許容できない点や青白が同時に出ることによる恩恵がほぼないのがマイナスだと感じている。
門+お帰りランドでキープすると地獄を見るので個人としてはオススメしない。

■サイドボード

今回は一般的なサイドボードとなっていると思う。

親和を絶対にぶっ殺すマン

イニシアチブ全盛期は親和が落ち目なこともあり《塵は塵に》といったカードを減らす場合もあったが、現状はここから変えたいカードはあまりない。
強いて言えば呪禁オーラが少し重いので《存在の破棄》《貴族階級の嘲笑》《痕跡消し》《オーラの破れ目》当たりは採用候補になるかもしれない。

サイドボーディングの注意点として、このデッキはシングルシンボルのカードなら大体はタッチ出来てしまうせいでサイドの色が散りやすい。そのためインアウトには注意をしなけらなければならない。

例えば青単フェアリー相手に《赤霊破》を4枚、《アームズ・オヴ・ハダル》を2枚入れた時に《対抗呪文》をサイドアウトしなければ序盤のマナ置きがとんでもないことになる。
(4ターン目の要求値がUUWRB)

MTGを舐めたらアカーーーーン


指定門の取り扱いには気を付けよう。

■対親和戦でのプレイ方針について

■メイン

メインは4.5:5.5で親和側の有利。

多種多様なドロー手段や強力なクリーチャーに加え、《間に合わせの砲台》とマストカウンターが多く、このデッキ相手に『受ける』プレイは自殺行為だと言える。
リソース勝負をしても相手のドローソースに勝つ事は出来ないし、《虹色の断片》による戦闘の優位も存在しないからだ。何せ相手こそがパウパー界の最強のコントロールデッキなのだから無理もない。

こちらが行うことは攻める手札をキープする、この1点に尽きる。
その関係で許容される手札は以下となる。
①《戦隊の鷹》と《渦まく知識》がある
②《当世》がある
③《バジリスク門》+門2種+クリーチャー

基本的に1マリガンは許容だが、ダブルマリガンするとかなり負け濃厚になるのでドロースペルがあり上記を探せる手札もキープに値する。

①は《戦隊の鷹》と《渦まく知識》でカードをかき集めて《バジリスク門》と門をかき集めるプランを取ることで攻めるゲームプラン。攻め手+ドローでスタートするので最も安定し、かつ勝利出来るゲームになりやすい。

②は《当世》がドロー兼クリーチャーという事に着目したプラン。変身して殴り出すまで通常ドローと合わせて5枚までカードを見る事が出来るので、他のドローソースや2枚目の《当世》を引くことで《バジリスク門》を探しに行くといったものとなる。
キープ基準が最も緩いので1マリガン後はこの手札を探しに行く事になるだろう。

③は最も要求が高いが必要なカードが揃っているのでやる、というものだ。だたしクリーチャーの質次第では除去されてしまい先細りの展開になってしまうケースがあるので過剰に攻めずに後続を意識してゲームするのがいいだろう。

《対抗呪文》の打ち先に関してだが、メインは《金属カエル》以外のクリーチャーor《間に合わせの砲台》以外には撃たない、という方針でプレイしている。
理由としては、メイン戦において最も厳しいのは大量のリソースカードからデカブツか《間に合わせの砲台》をプレイされる事だと考えているので、その他のカードにカウンターを割く事は基本的に悪手だと感じたからだ。
クリーチャーは除去でも対応出来るのでカウンターは打ち所を見据えつつ的確に当てる必要がある。
特に《間に合わせの砲台》は着地後に触れるカードがなく、《忘却の輪》を取っている場合でしか対処できないので《対抗呪文》の価値は高くなる。

■サイド


in 《塵は塵に》4枚、《水流破》1枚、《青霊破》1枚
(《水流破》《青霊破》をどちらも採用しているなら採用枚数を悟られない為にも散らした方が良い)

out 《虹色の断片》4枚、《定業》1枚、《息詰まる噴煙》1枚

サイド後に関しては7:3でアゾリウスゲート側が有利。
主な理由としてはゲームのイニシアチブを持っているのがこちら側という点だ。

相手側は《塵は塵に》が直撃するとかなり劣勢になる。個人的な体感だと1枚目で7割負け、2枚目で9割負けといったレベルで直撃はゲームの敗北を意味する。
そのため《取り繕い》を構える、《命取りの論争》で被害を抑える、といった本来なら絶対に取るべきではないアクションを序盤に取らざるを得ず、3ターン目までのアクション数がメインよりかなり乏しくなってしまう。

そのため親和本来の強みであるパワーカードを早期に唱える事が出来なくなり、受け身の選択を取り続ける事になってしまう。

一方でアゾリウスゲート側は《塵は塵に》が入っている事によりプレイが歪むことはないし、むしろ探すために積極的にカードをプレイ出来るようになる。
こういった背景によってゲームの主導権はこちら側にあり、相手側のアクションから手札を予測して《塵は塵に》を最も必要な色に対して当てていく事が重要だと考えた。

潰す色の優先度は青≧赤>黒の順番で抜くようにしている。
青は損失泣くドローを進める《物読み》やブロッカーを2体作る《ケンクのアーティフィサー》、カウンターとこちらの計算が狂いやすい要素なので優先して消していく。

赤は《間に合わせの砲台》を有する色となるが、サイド後のマッチアップでは有効に働きづらいケースが多いので優先度は少し下がる。サイド後は《水流破》等で対処出来る事も大きい。

黒に関しては2種類のドロースペルを有する色ではあるが「損失のあるドローソース」という理由で最も優先しない色だと判断した。
サイド後は《塵は塵に》を打つことでマナ差を広げて勝つ事になるのだが、これに対応してドローを撃たれてもこちら側の目的は既に達成されている。予め下準備が必要なドローなので序盤にパーマネントを置く事となり、むしろ黒いドローが残っていた方が《塵は塵に》に嵌りやすいゲームが目立った。
おまけにマナを潰した後に引く《命取りの論争》や《勢団の取り引き》は土地をリリースすることもあり、奇しくもこちらのゲームプラン通りとなる。

メインはクリーチャーに当てていた《対抗呪文》だがサイド後は序盤に出るパーマネント全般を弾く役割へと変化する。
理由としては「親和スペルを唱えやすくさせない、黒いドローを強く使わせないようにする、フルタップを誘う」の3つ。
全ては《塵は塵に》を確実に通すために帰結しており、序盤とのプレイ差が大きく生まれるので相手視点で考えても予想し辛くプレイがブレる可能性がある。

■おわりに

以上になります。
アゾリウスゲートに興味がある人の助けになればとは思っているので、記事読んでも分かんねぇ!!!!!!!!!ってなったらリプライしてもらえれば分かる範囲で答えますので気軽に聞いてください。

最初の方は結構ヤル気で書いてたんですが、途中から息切れしていたので抜けていたり誤字とかあったらすみません!

それではまた。


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