バイクと出逢うきっかけってなんだろう?

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以下の動画は、私が開業しようとしている小さな小さな本屋にかける想いを綴ったものです。文字多めですが、お手すきの際にご覧頂けたら幸いです。

以下、本日の本文です。
バイクと出逢うきっかけってんなんだろう?
(だいぶ長文です。所用時間約15分程度)

自己分析もかねて、少し自分語りをしてしまいますが、ご容赦下さい。どこかに記しておきたく、記録的に言葉を綴っています。

皆さんはバイクに乗るきっかけって何でしょうか?世代によっても違いますし、色々な意見があるかと思います。
特に80年代のバイク全盛期世代の方たちは、当時若者のカウンターカルチャーの象徴としてバイクは自己表現のアイテム。皆エネルギーに溢れ、公道を暴走したり、峠最速チャレンジ等、当時で言うところの男らしくパワーをぶつける吐け口を探して暴れ回るのがカッコいいとされる時代。(←ごめんなさい。言い過ぎですか?)まさにヤンキー文化と親和性が高かった。それくらい若者たちはパワーを持て余していたようで、男性が女性にアピールするときにもバイクが使われたり、漫画や小説などでも扱われ、バイクに乗ってない人にとっても日常的にバイクの存在意義が認められていた時代だったようです。つまり皆「モテるために」バイクに乗っていた部分が多いのではないでしょうか。そこが日本のバイク文化のベースになっていることは間違いないようです。良くも悪くも「バイクはこうあるべき」という価値観のベースが今も根付くきっかけがここにあります。
そんなバイク全盛期の年間売上台数はなんと約330万台!これは衝撃的な数字。に対して現代は36万台ほど。約1/10です。

今の時代、バイクに乗ってても全くモテません。それどころか少し白い目線すら感じる。暴れるなんてもってのほか。オタクの乗り物感も少しある。やんちゃな走りをしようものなら社会から大バッシング。社会がバイクを排除しようとしている感すらあります。乗らない・乗りたくない理由はいくらでも挙げられます。(←乗っている私ですらいくらでも挙げられる)全盛期当時とまるで時代が変わってしまいました。

それでも今もなお一定数ライダーがいるわけで、住んでいる土地がら、新規の若者ライダーもよく見かけます。女性ライダーも増えてきました。昔の文化を引きずりながらもバイクの価値が絶対的なものから相対的なものへと変わり、多様化しはじめてきたと感じます。バイクという製品も非常にバリエーションが増え、高性能になり、しかも低価格。海外メーカーのものも手に入れやすく、スタイルも抜群にカッコよくなりました。もはやメーカーによる差はほぼなく、個人の好みで選べる最高の時代。ただ、バイクに興味のない人たちにとってはバイクのイメージは全盛期のそれから拭いきれていないのが現状で、どうしてもネガティブ先行。そもそも「危険」な乗り物というだけで、時代と合ってないし、性格的に乗る人を選ぶのは必然です。

最近、漫画やアニメ等サブカルから再びバイクが少しずつピックアップされるようになってきました。「ばくおん」「ゆるキャン」「ソロキャン」「スーパーカブ」「バイク芸人」などなど。バイクは1人でも楽しめる要素が多いので、コロナ禍では相性が良く一時需要が伸びているようです。現代は絶対的な存在として扱うよりも「こーいうのいいよね、あーいうのもいいよね」といろんな視点から魅力を大雑把に取り扱うことが、既存ライダー含め新規の方たちを魅了するようです。しかも響くのはサブカルに抵抗のない30代半ばより下の世代でしょうか。どんな入り口でもいい、若者ライダーが増えるのは喜ばしいことです。一度乗ってしまえば言わずともその魅力を感じずにはいられないわけですから。

バイクと出逢うきっかけは人それぞれ。時代も違えば世代も違う。でも意外とバイクに乗ったあとの魅力って昔から共通だったりするなーというのが言いたいところであります。「免許取りましたー」「ツーリングで〇〇に行った写真アップします」「これが自慢のバイクです」「走行中の動画アップします」などなど、そういったツイートはよく見かけるんですが、意外と走行中の魅力を表現するツイートって少ないなぁと常々感じます。というのも分析するに、こればかりはいくら言葉を尽くしても伝わりにくい。動画でも伝わらない。感じてもらうしかないし、言葉にしたら結局皆一緒なんじゃないかって思うのです。「気持ちいー、サイコー、景色キレイ」などそんなにバリエーションがない。

乗ってしまえばそんなもんで、かなりシンプル。が故に唯一無二な魅力。そんなもんだけど乗り始めるまでが難しいバイク。そこに至るまでのハードルをいかに下げるかが私の開業しようとしている本屋の役割でもあります。

私のバイクとの出逢いはまさに「本」からでした。当時高校生。地元である石川県は雨がとても多い気候上、バイクを見かけることはほとんどありませんでした。私は中学時代にすでに、絵や何かをつくって、自分を表現する仕事を志しており、芸大や美大を目指すことは決めていました。
そんなとき、周囲との温度差に疲れてしまった時がありました。「この絵で人を殺す!」くらい狂気じみた思想を持って目標に進んでいたので、そりゃあ浮かないようにしてもどうしても変な人に映る。「あれ?周りとなんか違うぞ」ってなって、もっとラクしたいなぁとか、モテたいとか、自分変えたいなーとか、モチベーションが下がっていたときに、本屋をブラついてとにかく何か新しい価値に触れたかった。本屋はそういう物事を探すのにもってこいの場所でしたから。自分を変えたかったのでしょう。自分の全く知らない世界を見ようと思って立ち寄ったのがたまたまバイク雑誌コーナーだった。「これなら自分を変えられるんじゃないか」というトキメキもあったしそこに載っていた「バイクの美しさ、カッコ良さ」に衝撃的に惹かれたのが、バイクに出逢ったきっかけであり、同時にバイクを生み出す仕事をしたいとプロダクトデザインを目指すきっかけでもありました。その雑誌は今も刊行中の初心者向けバイク雑誌「タンデムスタイル」です。当時の刊は今でも大切に持っています。さらに新しい世界ということで、普段読まない漫画からも「ああっ女神さまっ」というバイクが出てくる漫画をチョイスし、内容は全く知らずにヒロインの女性がタイプだったというジャケ買いからでしたが、こんなにもバイクの世界にハマり、自身のものの考え方にまで影響をおよぼす存在になるとは思ってもみず、今の自分の価値観のベースになったのは間違いありません。「タンデムスタイル」と「ああっ女神さまっ」という異色のコンビが「自分とバイク」とをつなぎ、今の自分を形成する重要な体幹組織となりました。

バイクやモノのデザインを学ぶにつれて、感性を磨けとはよく言われたことですが、学生にはお金もないですし、こんな地方じゃできないことも多く、本かTVか流行り始めたインターネットかメディアの情報に頼るしかありません。その中で「ことば」の力の魅力に次第に気づき始めます。かといって勉強や授業として触れる言葉はどうしても作業的でつまらなかったのですが、自分の意思で掴もうとする先にある言葉には、琴線に触れるものも多く、まさにビビっときた感じを受信することが増えてきました。これが感性に響くということなのかなぁと感じるようになりました。「ことば」からだって感性を磨ける。そんな自分に響いた「ことば」たちと出逢うたび、高校時代からコツコツとメモを取り始めるようになり、今もその趣味は続いています。美しい「ことば」にはパワーや何かしらの怨念、魂が込められていて、ただ心に響く。そしてそれは人から人へ伝染し、明日の自分の行動を変えることができると強く信じるようになりました。

当時は思春期でしたから、恥ずかしい「ことば」も多く、厨二病感もありましたが、振り返ってみると、常に自分が「なんで今ここにいるのか」「存在意義は何なのか」「自分がやろうとしていることに意味はあるのか」などといった葛藤に対する自信をつけたい言葉が多かったですね。そうして心に何重もバリアを張って武装しないと、常に周囲に安易に影響されてしまい、まっすぐ立っていられない。そんな迷走する弱い自分がイヤだったのだろうと思いますね。

そうやって不器用ながら一歩一歩掴み取った先に、なんとかバイクのプロダクトデザイナーになることができたわけですが、不思議なもので、今度はそれを辞めて、本屋になろうとしているという、しかもバイクの魅力を伝えるための本屋。なんだか自分の原点に戻ったような気になりました。この文を書きながら不思議なご縁を感じてしまいます。

ついつい長文になってしまいましたが、最後に。
今まで、自分の言葉、先生の言葉、大学教授の言葉、友人の言葉、詩人の言葉、本に書いてあった言葉、作家の言葉、漫画やアニメの言葉、映画の言葉、スポーツ選手の言葉などなど、本当に多くの「ことば」と出逢ってきました。約20年前からメモってきた無数にある「ことば」のメモの中からいくつか抜粋します。ご参考まで。

「変わりたければまず学ぶことだ」「難しいのは愛することではなく、愛されることである」「僕は死ぬ迄進歩する積りで居る」「どういう人間になるかは自分で決めるのだ」「変わりながら変わらずにあるもの」「大事に使えばちゃんと壊れる」「モノには命が宿る」「細部に神が宿る」「手で考え心でつくる」「美しさを知る心」「想いは人を動かす」「くすんだり、色褪せたものを描くんじゃなくて、この瞬間しか持ち得ないような世界が輝いてるぞっていう、そんな感じを表現したい」「どれだけ無理なことに見えようとそれに向かって歩き出した時点でそれはもう不可能ではない」「今自分にできること、頑張ればできそうなこと、そういうことを積み重ねていかないと遠くの目標は近づいてこない」「キライなことをやれと言われてやれる能力は後でかならず生きてきます」「誰がお前を美しいと思うかじゃない、お前が何を美しいと思うかだ。胸を張りなさい。強く揺さぶられたことがお前を彩る。それがお前の真実だ」「何かを完璧にこなそうとすればもっと大事なほかのことがおろそかになりますよ」「The most personai is the most creative」「自分にとっての価値とは何か」「世界を動かすのはことばだ」「丁寧に本を差し出す」などなど、、、etc

本当に魅力的な言葉が多く、到底書ききれませんが、私の人生もセカンドキャリアが始まったばかり。これからも不器用ながら一歩一歩素敵に歳を重ねていきたいと思います。

今週は書けませんでしたが、来週は本の感想をアップ予定です。
長文読んでくださり、ありがとうございました。

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