マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
作曲は1902年であるから、20世紀最初の交響曲である。この時代、ヨーロッパは、軍拡競争が激化し、第1次大戦前夜ともいうべき時代に位置している。
私は、この曲を聴くたび、「ブリキの太鼓」というギュンター・グラスの著作、あるいは、それに基く映画作品を思い出す。この作品は、かなりグロテスクな表現を伴っており、視聴を推薦するのがためらわれるほどであるが、極めて興味深い作品である。
ブリキの太鼓という作品において、主人公のオスカルは、大人た