パチンコと政治の癒着について

ネット上で、パチンコ屋と政治の癒着についてその論拠としてパチンコ屋の有志が参加するPCSA(パチンコチェーンストア協会)という団体の政治アドバイザーのリストが挙げられています。

癒着はあるのでしょうか?

無いです。

団体の詳細は、リンクをご参照。http://www.pcsa.jp/purpose.htm

平たく言うとどういう団体なのかを説明していきます。以降記憶で書いていますので、誤りあれば、修正いたします。

実質的な発起人は、ダイナムというパチンコチェーンの創業者の方とその有志です。

ダイナムについて、少し敷衍するともともと都内の魚屋や八百屋みたいなパチンコ屋のひとつでした。息子さんの一人が今は、イオン傘下で消滅しかけてますが、当時勢いのあったスーパーダイエーに勤めておられました。たしか魚売り場だったような。

そこで、スーパーのチェーンストア展開を勉強されたのか、家業であるパチンコ屋の経営に参画されてから学ばれたのか?詳細は分かりません。

それは、スーパーをはじめ、小売業がちょうど多店舗展開をするときに、一人の経営コンサルの勉強会が起爆剤のように機能した時代でした。コンサルの名前は、渥美俊一さんです。東大の共産党細胞から読売新聞という、巨人軍オーナーの渡辺恒夫さんと同じ転向組みの記者でした。商事関係の記事を書かれていたようです。ペガサスクラブという団体を主催されていました。会員企業には、大手スーパーのほか、今期も大幅に業績を向上させている家具、インテリアのニトリさんもあります。似鳥会長は、個人的に渥美先生の記念館を作っておられたと記憶します。

ダイナムさんは、このペガサスクラブで勉強をされ、ダイナム四街道店を千葉県の四街道市の生活道路に出店したのが、その後の全国展開の嚆矢になりました。

パチンコチェーンストア協会のいう「チェーンストア」は、渥美俊一氏が唱えるチェーンストア理論に基づく鎖のように店がつながった店舗網を指します。ひとつの地域に複数の店が脈絡も無く作られているドミナント展開とは、違います。パチンコホール運営企業のオーナーや幹部がダイナムが成功した展開を学ぶ勉強会からスタートしたといっていいかもしれません。

PCSAに大きな転機があったのが、311です。311以前は、あくまでもたまに部外者も入れる会合や会報を覗きに行った印象ですが、パチンコ屋の換金行為を正面から認めさせる政治的な働きかけを行いうる政治色があった団体です。

しかし、311以後、積極的法改正を働きかける政治色は、きわめて薄まりました。一方で、現行法規を守り、海外の証券市場や投資家を納得させるための体制作りに関心の対象が移ったような印象です。そして、ダイナム、ニラクなど香港の証券取引所で株式上場に成功しました。

チェーンストア理論については、緻密な勉強が必要で、また上場するには、総務的な充実も必要で学ぶ事は、非常に多いです。しかし、パチンコチェーンストア協会は、学ぶだけの団体です。

政治アドバイザーたちが国会でこの団体のために尽力する癒着がまったくありません。政治家は、ともかく政治屋は、選挙近くだけいい顔をして、業界のために本当に必要なときに動きません。

では、パチンコチェーンストア協会以外のパチンコ屋の団体や業者は、政治と癒着していないのでしょうか?

悲しいくらいに政治に無関心な業界ですので、癒着していません。

まず、政治とパチンコだけに焦点を当てると一人の人物が出てきます。自民党にパチンコ店経営企業のオーナーの国会議員さんがひとり居ます。しかし、ぜんぜんパチンコ屋営業者の代表としての活動はしません。どちらかというと埼玉の地元に目をくばっている印象です。

ところで、昨年5月に参議院議員候補として自民党公認候補の擁立をパチンコ業界が形式上一丸となって企てました。しかし、結果は落選でした。19万票集めたら、当選できたかもしれませんが半分未満でした。パチンコ業界票9万弱は、山東参院議長に回ってパチンコ候補は、落選しました。パチンコ屋の組合、パチンコメーカーの団体、ライターイベント会社などの団体一丸となった体でしたが、ぜんぜんだめでした。

周辺の業者も含めたら最大40万人、直接雇用者で20万人以上が働いている業界といわれますが、パチンコ候補は、落ちました。理由は、マルハンほか超大手企業で御用組合を持っているところは、組合員の票が民主党に流れました。UAゼンセンという昔の繊維業界系組合の末端だからです。

政治と癒着どころか、職能代業を一人擁立することすらできなかった政治が下手な業界です。

パチンコ業界の政治との関わりを好意的にいえば、政治なんかに頼らないで自立している業界であり、悪く言えば、みんなわがままでまとまりの無い「烏合の衆」です。

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