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【#80】年収は住むところで決まる

概要
Goodfind推薦本。所得格差は学歴よりも住む所のほうが大きいという主張。
本の内容を説明したリンク
高所得者層が周辺に生み出すサービス産業の裾野は広く、アメリカでは高収入のITエンジニアが増えると、ヨガインストラクターが増えるそうです。もちろん、ヨガ教師だけでなく、美容師も医者も弁護士もベビーシッターも増えて高収入の雇用を生み出す。結果として、住むところで年収が変わってくる。そういう結論です。

From <https://bizspa.jp/post-96475/>

高所得者が多く住んでいる場所で彼らが好むようなビジネス(ベビーシッター・おしゃれなスイーツとか)などが発展していくことで、都市部の高卒のほうが地方の大卒よりも給料が高くなる傾向にある。
それを読むことの目的
幅広く、ビジネス一般に関する知見を広げたかったから。Goodfindの人が就活生に対して勧めた本であり、自分の今のニーズとあっていると感じたから。
いつまでに読むか
~5/30
アウトプット(抽象化)
重要
• 国において、頭脳集積地の数と実力、それらの間のネットワークが国力の明暗を分ける。そして頭脳集積の実力は労働力であり、希少性の高い労働力である。
• ハイテク産業で1件の雇用が生まれると6件外でも生まれるのに対し、製造業では1.5件しか生まれない。
• 日本は法的・文化的・言語的障壁や、ソフトウェアエンジニアの層が薄かったことから、ハイテク産業の地位を譲ることになってしまった。
序章
• 深センは経済特区に指定されて外資が流入したことで、1979から三十年で人口が約300倍になった。
• ハイテクはアウトソーシングが容易なため、ハイテクが集積する地域は、物理的な接触の必要が減れば土地の強みがなくなる気がするが、それは事実とは異なる。
• 製造業の繁栄による賃金増でサービス業が栄えたが、今はイノベーション産業が代替する。(乗数効果)
• 経済の地理的格差は、文化や政治の分離にも働いている。
• 地方から都市へ人が流出するし、製造業で盛り上がったところはどんどん衰退していく。(貧困の罠)
• (集積効果)労働市場の厚み、ビジネスインフラの充実度、知識の伝播(優秀な人同士で刺激し合うこと)が、ハイテク産業が築かれた地域で盛んになることで、どんどんそこは豊かになる。
• イノベーション産業の移転は難しい。なぜなら、創造性は孤立した環境では生み出されないから。
• 投資資金の流れの95%は比較的近接した地域で起こっている。=近いと支援しやすいから。
• 世界全体の格差は減ったが、国内の格差は上昇傾向にある。
• 最近大学ができた都市とそうでない都市では大卒者の割合が異なることから、賃金水準に違いが出た。(ランドグラント大学の例)
• 経済的繁栄の鍵は、高度な人的資本(大卒者等)を取り込む・生み出すことだ。
• 大学があってもイノベーションが起こっている地域はごく一部。大学はイノベーションの必要条件だが、イノベーションの十分条件は、ビジネスのエコシステムが形成されることにある。

その他
• 製造業が衰退したアメリカのラストベルトの都市では、人口減少、犯罪率増加、貧困率増加が起きている。
• 都市部で起こるものづくりの復興は、都市部で消費されることから、都市部の他の産業が生み出した富によって支えられていることに注意すべき。
• イノベーションの指標として特許の数が挙げられる。
• イノベーション人材の共通点=高度であること+高い技術力を備えていること。
• Facebookで使えるゲームアプリを開発する企業と行った具合に、イノベーション産業には間接的な雇用の創出効果がある。
• イノベーションがよく起こるような人材が集中した場所では、、、
○ 多様性が高くなるので、売り手と買い手がマッチしやすい。
○ 専門的なサービスを提供する業者も多く集まるので、ビジネスのエコシステムが形成されている。
○ 優秀な人材同士のインタラクションを通した創造性の爆発が起きる。研究から、発明家は特許を申請する際に近くにいる発明家の発明を引用することが多いそうだ。また、質にも影響があるという。15,21
• バイオテックはボストンやサンディエコに拠点を置いている。
• 貧困の罠から抜け出すには、ビッグネームを招集するような、ビッグプッシュが必要だ。
• 産業政策は市場の失敗を是正するものでない限りは成功しない。
• 地域活性化の例として、エンパワーメントゾーンプログラムが挙げられる。地域に即した政策を行い、地域で雇用を創出し、民間の投資が入る好循環が生まれ、犯罪率や衛生環境も良くなった。




アウトプット(転用)
• 自分自身のスキルを最大限上げるよう努力しよう。
• ハイテク産業・イノベーション産業が勃興しているところに身を置き、その生態系の発展に貢献することで、自分の価値をあげよう。例)勉強会とか
• 優秀な人達と交流することで、良質なアイデアを得よう。

参照
写真:PexelsのArtHouse Studioによる写真

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