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<短文>パーティーには呼ばれない

”パーティーには呼ばれない”

今日もどこかで愉快な奴らが、集まり
日常から溢れた何かを持ち寄り、なんだか愉快なことをしている。
夜なのに昼間みたいに明るく煌々と照らされた
その場所に集まる人々。
それは、毎日どこかでやってるような気がしてそわそわしてしまう。
でも僕は、パーティーには呼ばれない。
楽しいふりができないし、人を楽しませるよりも
自分が楽しいほうがいいから
大きな声を出すのが得意じゃないから
遠くでその光と群がる人を見ている方が楽しいから
きっと、思ったより楽しくないから
でも、本当はパーティーに行きたい
行った後にあ〜あ、思ったよりつまんないねえって言って
それで何かやった気になって帰るんだ、明日をほっぽりだして
そういうのをたまにはやりたいだけ


”慣れることは悪いことか?”

いつも同じ香水を付けていると日に日に
その量は増えていき、
やがて本人はその匂いの強さには気づけなくなるらしい
感覚を鈍らせ、
日常に沈めて、
繰り返しの中で形骸化されていくこと
初めて感じた新鮮さを失わせること
それが慣れというものなのだろう。
数日前に食べたご飯は、もう思い出せない。
人間なんて適当だ。
あんなに強烈だった愛も慣れていく
思いやりの愛は居心地の良さのための許しと甘えになる
でも全てが新鮮だなんて恐怖だ。そんな日常はありえない
全ての物事に鮮度があるなら、一様に腐っていく
腐ると旨いものもある。
悪いことばかりじゃない






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