アニナナに挫折した

アニメ版アイドリッシュ7、いわゆるアニナナに挑戦し、そして8話の途中で挫折した。
挫折の理由は一つではなくて、複数の理由が連綿と絶えず私を苛み、最終的にはディスクを再生し、一時停止して突っ込む、で再生という状態になり、これは無理だとなって視聴を諦めた。
大きな理由は、小鳥遊事務所の対応の杜撰さと、誰に感情移入すればいいのかわからないことだった。
まず小鳥遊事務所のグダグダ加減。
早くも1話から頭を傾げ、何すっとぼけたこと抜かしてんだぶっ飛ばすぞと思った。
まず、7人でデビューするぞ!と言っておいてから、ここからさらに選抜します!という妄言。一般的な会社に例えると、入社式でここからが最終面接です!と言い出すようなものじゃないの?私ならそんな会社受かっても断りたい。
散々振り回し心理的にも肉体的にも消耗させた挙句、選べないから7人で!と口走り、その言葉が聞きたかった!と社長。
それを言って許されるのはブラックジャックだけだ、お前の昼飯重湯にするぞ。
そもそも新人マネージャーにいきなり、7人のこれまた新人任せて、なんだこれ老々介護か?
他に人員はいないのか、アイドルをプロデュースしたのは初めてとあったけれど、他のキャストは? もしかして全社員3人(と1匹)?どれだけ零細なの? 謎が謎を呼び深まるばかりである。
途中メンバーの持病、喘息が発覚する。入所時で健康診断させてないの?という疑問がまず湧き、サポートする!というものの、サポートの片鱗が見られない。
大きく胸の開いた服を着せる。他のメンバーは別に出していないのもいるのに、よりにもよって、その子に着せるのだ。何がサポートだ。バックアップといっても、そのメンバーが喘息を押してステージに立つことへのリスクをちゃんと把握してるのだろうか。運動することによって発作が起こる場合もある。喘息は死亡をも招く病気なのだ。ステージで倒れて帰らぬ人になる可能性もある。
それなのにあまりにも事務所の対応は軽く、ゆるい。
そして、まともにプロデュースするのかと思いきや、序盤大きな箱でライブを企てて、こける。
そして社長は、だよね〜みたいなリアクション。こういう失敗すると思ってたよ後出しジャンケンは大嫌いで、ならさっさといえや!!って思ってしまう。ハコを借りるのにも、広報にもそれなりにコストがかかっているでしょうよ。嫌みたらしく、費用がかかると自分の昼飯が貧しくなるよ〜というくらい、お金ないんだよね?もう社長には泥水を啜って生きてもらうことにする。そのへんにあるやろ。
マネージャーの能力にも疑問で、そもそもアイドル側しかも高校生のメンバーから、こうしてくれとあれこれ指示をもらってる状態。あなたは何歳で今まで何をしてきたの? 芸能事務所の娘なら、もっとあれこれ知っていていい立場でしょう? 本来なら導く立場ではないの…?
楽屋挨拶の段取りも言わずワタワタして、待ちかねたアイドル側が自主的に挨拶回りに行く状態。こいつ何のためにいるんだ?と真剣に考えてしまった。意外と手先が器用くらいしか美点が思い浮かばなかった。
マネージャーがするはずの業務やメンバーのケアを、高校生メンバーが抱えて失敗して、本当にマネージャー聳え立つクソ! と私はまた一時停止を押してから、もー!とさけび転がった。
そもそも序盤の逆境らしい逆境は事務所原因なので、この事務所そんなに魅力ある?やめてしまえば?と思ってしまう。弱小らしいし、大手に睨まれてるし。

続いて誰に感情移入したらいいのか、わからない問題。
そもそもいきなり7人イケメンが出てこられてもよくわからないので、履歴書下さい。種村先生はキャラデザ頭の色変えたらいいと思ってるのか、もしかして。
トリガーの3人もだいぶ似たような感じの髪型色違いで、2Pキャラなのかと思った。
そして、メンバーの中で兄弟という美味しい関係性なのに、誰よりも似ておらず髪の色も全く対極な二人、そしてそれは別に生かされてない。もっとそういう外見の違いを含めて、葛藤コンプレックスが私は見たかった。
あと高校生メンバーなら学業との両立や、受験を控えての苦悩もあるでしょうよ。そういうのが見たいの私!
8話で挫折したのだけれど、主人公が誰かもわからないのが、どこにも錨を下ろせない船のようで落ち着かなかった。
アイドルになると決めるってすごい進路の決断だと思うのに、家族がどう思ってるのかとか、どうしてアイドルになりたいのかっていうのが、あまりつかめてこない。
一般教養のように、みんな歌って踊れるって、そういうものなの?どこで習ったの?授業?私は体育の創作ダンスしか知らない。
どう身につけたのか、人となりを、バックグラウンドを知りたいのよ! そして共感したいのよ。出てきても断片的で、ふむふむなるほどと首を突っ込もうとした瞬間に、その踊り子さんはもう舞台袖に引っ込んでいる。そういうプレイだろうか。
私は野球選手でも地元と進路を眺めて妄想を膨らます女やぞ。最低限でも野球選手くらいの情報量は欲しい。さすがに打席はどっちかとかはいらないけど、右利き左利きとかはほしい。
そういうわけでみんな同じように薄く紹介されるまま、それってアイドルにしかできないこと?って疑問やら、自分が気に入らないからって、人の私物を捨てようとするのはどうなの?と、また疑問符が踊り狂ってる間に、すかさずマネージャーと事務所がやらかして、私は今度は停止ボタンを押してしまったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?