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えんむすび喫茶館 第3楽章

久子、菊、糸は17歳、とても純粋で
可愛い女の子でした。
無邪気なこひの話に盛り上がっている様子

ウメは『お話し盛り上がっている最中
申し訳ないのですがご注文は』

久子、菊、糸は

『きゃーどれにしよう』

『全部美味しそうで迷っちゃう』

『ここの喫茶館のお菓子はなんか
乙女心くすぐるんだよねー』
となんとも可愛い会話

『では、こひするお嬢様方、
本日のお菓子、いちごの琥珀糖は
いかがでしょうか?』

ウメは琥珀糖を3人娘に見せた。

『きゃー可愛い』
『えーえー、桜の花弁なんて素敵』
『食べるのがもったいないよー』

ウメは天真爛漫な3人娘に
『このお菓子は恋する乙女に幸せに
なっていただきたくて作ったお菓子だよ』

3人娘はドキッとした。
このおばあちゃんに私達が
それぞれ恋してる事を、

1番お喋りの久子がウメに
『お姉さん、私達実は恋をしているのです。
好きな人とお付き合いしたくて、
なかなか難しくて』


『もし、宜しければお話し聞きましょうか』

3人娘は顔を見合わせた。
では、人生の先輩であるウメに
是非お願いしますと、

『そこのあなた、口数が少ないけど、
好きな人にこひしているのですか』

3人娘の中で口数が少なかった。

『お名前は?』

『糸(いと)と申します。』

糸は口元が小さく、肩の長さの黒髪が
つややか烏の濡れ羽色でうつくしひ
和風の美人、色が白く性格が
少し大人びている。華族。


家族の肖像画を描く機会に知り合った20歳
年上の独身の画家の実に恋をしている。

ウメは心の中で


糸さんが一番激しい恋をするのう

と肌に感じておりました。

続く


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