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noteに文章を書くということ、または「モリログアカデミィ(森博嗣著)」を読み返す

突然、思い立ってnoteに文章を書いてアップしてみようかと思った。twitterやFacebookでダラダラつぶやいたりしてるのの延長線上として、もう少しボリューム(といっても1000文字以上)のあるものを書いてみる試みにすぎない。今、大学入試なんかの小論文ってどのくらいの文字数を要求されるんだろうね。1000文字くらい?まぁ、そのくらいをボチボチ書くことを目指そうかなって感じ。もちろん、それほど起承転結とかバーンと主張があるようなものを書こうというのではないけど。きっと普段から文章を書きなれている人にはなんだぁって程度だと思う。

元から本を読んだり何かを見たりすると、大量にいろんな連想や考えが頭の中には発生するタイプではある(もちろん、その99.99%くらいは益体もないことだろう)のだが、それをアウトプットしようとは思わなかった。ほとんど意味がなさそうに思えたし、あまりにいろいろごちゃごちゃ頭の中に出てくるので、覚えてられないし整理もできない。だから今回の試みは個人的にはけっこう無謀で、何を書くのか決めること自体が難しい。そこでとりあえず対象を絞ってみることにした。普段よくtwitterやFacebookでの延長線上ということで、

・本の感想、紹介
・音楽関連の何か
・なんか日常ネタで面白かったこと

上から順番のプライオリティって感じで。そして多分無理だろうけど、エッセイ的なものもトライできるならしてみようというスタンスで。(あまり欲張ったら嫌になるしね)
きっと定期的に書いているうちにもっと絞れてくるでしょうし、方向性もはっきりするでしょうし、違う方へいくかもしれない。

さて、文章を書いてみようかと思うにあたって、ふと連想したのが小説家森博嗣氏のWeb日記を書籍化した「モリログアカデミィ」(文庫で全13冊)。ちょうど10年前あたりの話なので、それを今読むと、10年前ってこんな感じでだったのか、と懐かしがれたり。(ちょうど10年前の今日は第2巻で、恵方巻きなんて昔はなかったよね、って話が出てくるw)

私は、森博嗣氏のデビュー作「すべてFになる」以来のファンだ。最近の著作まですべてカバーできてはいないけれど、少なくとも初期10年間くらいは小説、エッセイなど全作品読んでいると思う。世間では「理系ミステリィ」という不思議なレッテルで売り出されたけれど、大学の理系学部を舞台の中心としがちで、大学の教員、学生の生態、考え方が、ちょっと変わってみえるところがこのレッテルの由来ではあるのだろう。レッテルがどうあれ、そのやや硬質で乾いた文章と、常に対象をある距離を持って眺める態度はとても魅力的だし、その裏に常に本人の明確な価値観や世間の常識への懐疑があるのもすばらしい。
で、この「モリログアカデミィ」は毎日の日記であり、ちょっとしたことを千数百字毎日綴っている。このサイズは新聞連載小説の一回分程度と置き換えることもできる。それが小説なのか日々雑記なのかの違いだけで。それを何年間も続けるだけでも大変だが、さらに並行して(この当時は)森氏は小説も年に何冊も出してたわけだからすごい。この日記にも毎日どれだけ原稿を書いたとか、ゲラを読んだとかが頻繁にでてくるがすごい分量。

森氏のような創作態度(もちろんそれは書く文章の種類にもよるのだろうが)を見ていると、数年に1冊とか、苦節何年の傑作なんて小説はどう異なるのだろうか、という感想さえ湧いてくる(それは当然、骨身を削って創作している人を愚弄することになるが)。

森氏は何度も書いているが、森氏の執筆は、大まかな枠と内容が見えてきたら、あとは書くだけ、単に原稿用紙にアウトプットするだけらしい。羨ましいというか、そんなことできるのか、というのが率直な感想だが、書き始めれば規則正しく毎日1万字前後を吐き出し続け1カ月弱で1冊の長編が書かれるのを、この日記でみているとそんなものなのかもと思えてくる(やはり驚異だけど)。
この執筆パターンというかスピード自体はデビュー前からのもののようだ。

非売品だが森博嗣氏の存在で創設されたにも等しい講談社のメフィスト賞の出版部座談会をまとめた「密室本」に森博嗣氏が原稿を送ってきて実際にデビューし、その後立って続けに(俗にS&Mシリーズと呼ばれる)シリーズ小説を出版するときの様子が書かれている。淡々と執筆が続き出版されていくところに驚きを感じ、それが後年まで変わらずペースが維持されていることにも驚く。(マニアな人は知っているとおり、この最初に送った作品はシリーズ第4作になり、世間的にデビュー作となり、去年ドラマ化、アニメ化もされていた「すべてFになる」は最初の作品はではない(さらに蛇足を重ねると、この「密室本」を読むと森氏に続く第2回受賞者の清涼院流水氏の原稿が送られてきたときのみんなの混乱ぶりもわかって大変楽しい)

森氏は、このWeb日記自体を、お仕事の一つであり、読者へのサービスだと割り切って書き続けているのだが、そういう割り切りとそれで何年間も続けられてしまうところも普通の小説家らしくないように思われる。というか、世間の小説家のイメージは純文学、エンタメ区別なく、もっと書くことに苦悩して、書けないことがあって、みたいなものだと思うが、そういう作家像を全く裏切って見せてくれたのが森博嗣氏だといえる。
近著の新書「作家の収支」で作家の原稿料から仕事の頼まれ方、仕事の仕方、出版された本がどのように重版がかかるかなどを赤裸々に書いたているが、そのような作家も今までいなかったことを思えば、やはり変わった作家ではある。森氏が以前からこのようなWeb日記でも繰り返し書いているが、日本人はお金のことを隠したがる、または収入のことを語るのをはしたないと思うのは不思議で、将来小説家になりたいと思っている人たちのためにももっと内実は語っていいのではないのか、ということの実践が「作家の収支」だったのだろう(でも、世の中の作家で18年間で15億円も収入が得られた人はそんなにいないと思う。それが講演などでなく原稿料中心でと考えればなおさら、だから参考にはならないともいえる)。

長々と森博嗣氏の執筆態度について書いたけれど、私が目指しているのも、このように定期的にずっと何らかのネタを文章にしてみる、ということだ。もちろん私の場合はそれで原稿料が入るわけでもないし、既存の読者へのサービスでもないけれど。

さらに話が脱線してしまうが、森博嗣氏の執筆タイプに近い人をもう一人知っている。「数学ガール」シリーズで理工系啓蒙書のブームを作った結城浩氏だ。
実は結城氏のことは、数学ガールシリーズが出るよりずっと前からネット上で知っていた。それはリコーダー愛好者としての結城氏だ。まだネットに、それも日本国内の愛好者で、リコーダーについて書く人は少なかったが、その一人が結城氏だった。検索でホームページを見つけ、アップされた演奏を聴いたりもしていた。その方が、後年「数学ガール」でブレークされようとは。(あ、いっておくと、それ以前のコンピュータ暗号技術絡みの本ももちろん知っていて勉強になったのだけどね)

「数学ガール」のシリーズは数学のそこそこ高度な(と思われている)理論をわかりやすく説明するのに、青春小説(とか、適度な萌えとか)と対話を利用した画期的なものだ。いや、きっと同じようなことを考えて実行した人は数学に限らず様々な理系科目絡みでいただろうが、これほど両方が見事に両立したものは結城氏が嚆矢としてよいだろう。
ただ、私はこの物語の枠に強く森博嗣氏のS&Mシリーズと類似のものを感じる。S&Mと数学ガールがそれぞれ異なる空間への射影関係であるかのような。微妙な萌え度、人間関係のぎこちなさ、キャラクターの乱入度とか。。。きっと結城氏はこのことを一笑に付すだろうけれど(一度さりげなく尋ねたことはあるけれど、答えてもらえなかった、当然だよねw)

執筆態度やスピードについても似てると思う。小説と理学書という大きな違いはあるし、後者の方が構成や執筆が決まれば書けそうには思うけれど、構成ができてからの着実な執筆態度とアウトプットはそっくりだ。ご本人ほんとに意識してないのかなぁ?(しつこい)

つまり、今回自分が定期的にnoteに文章をアウトプットしようと思ったのは、これと似たことを自分一人でしたかったということだ。どのくらいのペースで文章が書けるかとかね。森氏は1日1万字程度を平気で続けるが、普通の人はどのくらいのスピードで文章を書けるのだろうか?草稿レベルで1時間何文字くらい書けるもの?単に書写するだけなら、1万字を2時間以内に写すのは楽だけど(たぶん1時間はしんどい)。といったことも自分について見極める試みともいえる。(昔、プレゼンに使うレポート50枚程度をあちこちからデータを持ってきて切った張ったして、言葉でつないでってのを一晩でやったけど、そういうのとはアウトプットが違うしねw)

もちろん、それが人に投げ銭でもいいから買ってくれるレベルまで持っていければ素晴らしいことだけど。まぁ、それはなかなかならないでしょう。とりあえず、フォロワが100名程度になるのを目指したい。(世間のそこそこ読まれてる人でも1000人あたりからなんだよね、買ってくれる人も考えれば、全然これでお金がなんてのはイケハヤ師とかはあちゅう氏のようでないとダメでしょうww

ってことで、こんな無駄な文章を読んでくれてありがとう。

次は普通に本の感想や音楽関連の内容になるはず。。。。

(了)

本文はここまでです。
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