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Juice=Juiceコンサートツアー2024春/ 1-LINE&1=LINE を終えてのアレコレ

植村あかりさんのラストツアーが全【23】公演をもって無事に終了しました。各メンバー(パフォーマンスを制限した公演はありましたが)全員が一人も欠けることなくツアー完走できたことはとても喜ばしい実績です。
春から初夏を駆け抜けたあっという間の2ヶ月間、今回も私が観て聴いて感じた思い込みや妄想を絡めてJuice=Juiceの姿を綴って行きます。よろしくどうぞ。

今ツアーについて
コロナ禍の規制の中、前任リーダー金澤さん卒業から植村さんのリーダー就任以降、稲場さん卒業、さくりんご/美楓ちゃん加入の経緯を経て植村リーダーの総仕上げとなった今ツアー「1-LINE」
2022年春「terzo」から復活した単独ツアーで成長を重ねてきた今のJuice=Juiceですが、ここ数年の単独ツアーの中でも「伸び代」という点に置いて最大級の成果を出したツアーだったのではないでしょうか。これまでもメンバーそれぞれの成長を各ツアー毎に感じていましたが、今回のツアーは成長という枠を超え「進化」と言えるような大きな変化を感じました。
その背景には植村さんラストツアーとして「卒業を見送る側」である各メンバーが「これからのJuice=Juice」をよりリアルにイメージする機会となったことが大きな要因であるように思います。
大好きな植村リーダーの卒業に向けて、文字通り横一列「1-LINE」の結束を観せてくれた2024春のJuice=Juice、以降は各メンバーとグループの階層にフォーカスを当てて綴っていきたいと思います。


植村あかりさん
美しい旅立ちでした。最後のオリジナルメンバーとしてここまでJuice=Juiceを導いてくれた植村さんのリーダーとしての才覚は卒業までの間、十分に発揮されていました。
特に秀逸な手法として感じるものが二つあります。その一つ目は相手が求めているコミュニケーションを察知して心を通わせることに長けていたことです。メンバーそれぞれの個性に合わせて、時にはしっかり甘えさせたり(特にりんごちゃん)、時にはツンデレを発揮してあしらったり(特にえばタコ)と各メンバーがのびのびと自身を表現できる向き合い方をしてくれた指導者だったのではないでしょうか。
そして二つ目は、神がかり的な勘の鋭さを発揮してみんなを導いてくれたことです。植村さんは普段「明晰な発言」をするタイプではないイメージが個人的にはありますが、自身の卒業が近づくにつれ後輩メンバーのパーソナリティーに関する総括的な発言が多くあった中、そのどれもが愛情に富み深い洞察が感じられました。その各メンバーの個性の解析がどのように行われたかを後輩メンバーの発言などから推測すると、一般的な「寄り添い」や「対話」だけではなく彼女の「動物(犬)的勘」であるように思います。
※注釈:動物的勘についてはスピリチュアルな観念論ではなく、言語化する必要がない普段のメンバーの何気ない行動や発言、感情などを本人が「無自覚的」にリーダーとしてのフィルターでしっかり受信していたことが形になったのでは?と考えています。

最高のステージで卒業を迎えられた美しい「自由の女神」
今後のご多幸とさらなる活躍を祈念しています。
11年に及ぶJuice=Juiceでの活動、あーりーがとう!

れいるる
新リーダー&サブリーダーは、植村さんの卒業がより現実として意識される今ツアーにおいて「守りたいもの」が意識化されたように思います。それは「慈しみ」とも言えるような感情かも知れません。
アイドル(表現者)として精神と技術の地盤が固まっている二人が、チーム内の最上位役職を得てアイドル界でどのような版図を広げてくれるのかとても楽しみです。
段原留々さん
新リーダー。れいるるの二人は下のメンバーには見えないものが見えていますね。それは単なる立場に由来する物だけではなく、積み重ねてきたキャリアから得られる経験則という至極真っ当な「追いつきようの無い事象」なので後輩メンバーは気にする必要もないのですが。(そのナラティブな差を松永さんは感情を隠すことなく悔しがっているのも「アイドル」としての一つの解だと思います)
抜群の安定感で技術、メンタル共に高いアベレージをキープし続ける段原さんの姿は後輩たちにとって、とても心強いリーダーでなのではないでしょうか。終演後のヲタクの感想戦でちらほら耳にする「色々なものを背負すぎではないか!?」と言う心配をよそに、段原さん持ち前の「たおやかさ」でこれからのJuice=Juiceが創られていくことに期待が膨らみます。
井上玲音さん
リーダーの段原さんとは性格が全く違うタイプのサブリーダーという「互いに補完し合う相棒二人」の立ち位置が、アニメの設定みたいで既にカッコいい。
そんな中、これまでよりも自身の変化について心の動きを開示することも増えてきたように思います。
折りに触れ語られる(こぶしファクトリーからの)移籍組としての心情がJuice=Juiceでの活動で昇華され「アイドル井上玲音」の自己像がより強化された実感を得ているのではないでしょうか。
植村さんの卒業に寄せたブログで綴られた

「今まで空気ってよむものだと思ってたんです
でも、空気って吸って吐くものでした」

https://ameblo.jp/juicejuice-official/entry-12856157722.html

との思いは今の彼女を表現する至言だと感じました。
他のメンバーも直接あるいは間接的に言及し始めましたが、井上さんの「そこはかとない父性」は今後も観測を続けたいテーマです。ヲタクが知る範囲で井上さんのコミュニケーションの糸口として、柔和な問いかけやスキンシップも当然見かけますが、個人的にはちょっと肩を小突いて「おぅ、最近どうよ?」というような兄貴的手法を好んでいるように感じています。後輩メンバーと一緒にはしゃぐ、なんなら1番はしゃぐと周りから評されている井上パイセン(サブリーダー)の今後が楽しみですね。

由愛里愛
「中堅として求められている何か」を形にしようと試行錯誤しているように思います。その何かは「会社の大人の人たち」から具体的な言葉を(あえて)与えられていないかも知れませんが、同期としての二人がJuice=Juiceというグループの今後を考える上で、否が応でも立ち向かわざるを得ない課題として浮かび上がってくるでしょう。
工藤由愛さん
上から3番目というポジションまで来ました。工藤さんのブログは長編でお馴染みですが、そこに綴られている言葉からもJuice=Juiceに求められている(期待されている)パフォーマンスレベルのアベレージを保つ大切さ・難しさを噛み締めていますね。
今ツアーで彼女の思いとして特に象徴されるのは「CHOICE & CHANCE」ラストの歌い上げです。さまざまな思いを感じさせながらも毅然と披露する姿は「ステージに立つ覚悟の姿」として後輩に与える影響も大きいでしょう。(5/5立川昼公演のMC「こんなはずじゃ無かった」と悔し涙で語るシーンも印象的でした。)
「グループ内での序列が上位になっタコと」で求められるアレコレは今後の成長に大きく繋がる糧となるに違いありません。
そして、その成長のための工藤さんを象徴する強みとして感じているのは「純然たる優しさと滲み出る信念」だと思います。メンバーとファンへの(時には圧が強めの)感謝と愛情表現、進むべき方向に迷いがなく常に向上を追求する姿は、いつも私達を安心させてくれます。
今期においても揺るぎないその真摯な姿勢は、リーダー植村さんの卒業による自身の立場の変化でもブレる事はなく精神的な成熟を強く感じました。
松永里愛さん
今ツアーにおいて随一の成長を感じました。自分の内面を開示することに素直になり、言葉で伝えることの「プロフェッショナルとしての」大切さを知り始めたようにも思います。ラジオ出演時のトークで、ひなフェスの段原さんソロ「涙の色」を観た際には「すごい先輩」としての感嘆の感情よりも、悔しくて泣いていたとのエピソードを自ら話し始めたことも印象に残りました。
彼女がJuice=Juiceの1番重要なものとして位置付ける「音楽(ステージパフォーマンス)」を徹底的に求道する姿は、後に続く3flower、さくりんご、美楓ちゃんたちが「何を成すべきかを考え/何を気にぜず自由でいいのか」を分別する指標となるかも知れません。
強く新進的な思いが見えるのとは裏腹に、等身大の自分の言葉で語られる葛藤を隠さない様子は、上述した工藤さんの意識と相まって由愛里愛のバランス感覚を捕らえた静かな物語を感じます。
武道館で語った「私にはJuice=Juiceしか無い」という言葉の、力強く青々とした「歪(いびつ)」さも今の彼女を象徴しているのではないでしょうか。

3flower
三者三様、我武者羅な勢いを感じますね。それぞれが自身の得手/不得手を理解し始めていて、自分ができること、これから伸ばして行きたいことについて真摯に向き合っている熱い思いが伝わってきます。
有澤一華さん 
今期において度々「土になる」と発言しています。(5/13リミスタ、6/8ブログ、DVDマガジンvol.41など)その真意は本人にしかわかりませんが「Juice=Juiceを支える存在になりたい」と明言していることに対する背景は興味深いですね。
ハロプロのガチヲタ出身であるためアイドルに対する「イメージ」も当然持ち合わせていると思いますが、自身が憧れであったアイドルという立場になった上で「土になりたい」という考えに至った経緯はどのようなものなのか語られる日は来るのでしょうか?
(ヲタクとしては本人の思いを最大限に尊重したい所ですが、それと同時に自身の名前に冠される「華」を魅せる彼女の姿を観たいという欲も起こります。)
また、今ツアーは彼女を象徴する一つであるヴァイオリンの出番が無かった(武道館で補助程度の演奏のみ)ことも、ある意味実験的ですね。今ツアーの彼女のパフォーマンスを通じ、それに対し大きな「不足」が感じられなかったのは「Juice=Juiceメンバー有澤一華」として意義深いとも言えるのではないでしょうか。
入江里咲さん 
今ツアーの課題として「強さとしなやかさ」を求めていたように感じました。具体的なイメージとして段原さんを目指しているようにも。
そして「悔しさ」を隠さなくなったように思います。真面目でストイックな面はよく知られていますが、誤解を恐れずに表現すると(主にパフォーマンスに対して)納得が行かない箇所で「表情に出てしまった」と感じる場面もありました。
昨年の秋ツアーでも感じた「可愛さだけではないぞ!」という入江さんの挑戦的な印象なので、引き続き表現に関する多様なアプローチを試みて自分の中に落とし込んでいる時期のように思います。
ことJuice=Juiceにおいては「大人らしさ」や「セクシー」などというワードでそのパフォーマンスの特色を表現されることもあるので、入江さん自身も多様な表現を磨こうとする葛藤が意図せず表出されたと解釈できる場面がツアーを通じて見られました。
翻って、入江さんが今求めている多様な表現を磨き上げたその先には、「優しくて可愛いりさち」がより強い個性となって生きてくるのではないでしょうか。
※そのようなキャラクターの意味合いでは先駆者のロールモデルとして稲場愛香さんの存在は大きいかと。
江端妃咲さん
(えばヲタ視点による早口で捲し立てるような雰囲気でお読みください…。)
様々な面で順当な積み重ねが形になっていくタイプの人ですね。爆発的な変化ではなく、日々の小さな挑戦が振り返ると大きな変化になっている人だと思います。自身のブログでリハーサル後に自主練したことを楽しそうに綴っていることからも、成長に対する道筋として「コツコツ積み上げる」その手法を大切にしていることが伝わってきます。
※これを書いている期間中に江端さんから「ネイル」に関する以下のようなブログが更新され、思わず膝を打ちました。

むしろやればやるほど上達する系は私が大好きな部門なのでこれからもガンガンレベルアップしたいです

https://ameblo.jp/juicejuice-official/entry-12856519562.html

彼女の内面で大きな特徴と言えるのは「他者貢献の人」である事だと思っています。以前も紹介したエピソードとして、時には夜遅くまでお菓子やパンなどを作ってレッスン場に持っていくことを喜んでいました。今期において植村さんの卒業へ向けてチームのまとまりが加速していく中で、その行動様式もより強化されたのではないでしょうか。
江端さんは、大好きで大切な人たちが喜ぶ姿が自身の喜びに深くつながっていて、そのエネルギーがJuice=Juiceとしての活動の源泉になっているように思います。(上述の引用ブログでも後輩の遠藤さんにネイル制作をお願いされてキャンキャン喜んでいます。)
ステージへの意識に際してパフォーマンスへの真摯な思いを語る場面も多く見られますが、言葉にしない「大切な仲間」に対するその思いこそ、今の彼女を形作る大きな要素になっていると感じています。
抽象的な表現となりますが、今後はグループに対する思いや活動に際する充実度の視野を、外へも向けられる方法を知ることができれば表現者としてさらなる成長を遂げられるのではないでしょうか。
蛇足:今ツアーでの事件として5/5立川の夜公演「GIRLS BE AMBITIOUS!」で自身の歌割である自己紹介パートを全て飛ばしてしまい、その後の曲中はずっと泣いていたという出来事がありました。理由は客席のみんなの歌声を聴きたくて自身の歌割への意識が逸れたとのことらしいです。突然無音になって「サプライズかと思った」とも言っていました(ガルビはソロパート冒頭がブレイクして4カウントが無音になるので)

さくりんご
加入から2年を迎えて少しずつ肩の力も抜けているようです。成長著しい二人ですが新曲の「ナイモノラブ」の歌割でもその存在感を示してくれました。川嶋さんの復帰合流により、先輩としての自覚と実感もより強く得られた春ツアーだったのではないでしょうか。
そして「先輩の卒業」という初めてを経験したことも、それぞれが自身を振り返り今後を考える大きな契機となったかと思います。(それが表に現れてくるのはもう少し時間が必要かも知れませんが)
石山咲良さん
今ツアーの石山さん最大のトピックはやはり、ツアーのセットリストで主要な企画でもあるアンコール明けの植村さんとのデュオに、ハロプロでも屈指の難曲である「悲しきヘブン」を選曲したことでしょう。
あえて強い表現をしてしまうと、ある意味「蛮勇」とも思える選曲は、彼女の成長に対する意欲として強烈な意志を感じました。そしてそれを許容したツアーのスタッフ陣営、受け入れた植村さんの懐の広さも「これからのJuice=Juiceが進む道」を象徴した出来事と言っても過言では無いとかと。
挑戦への決心から披露直前のギリギリまで練習を重ねている姿を多くのメンバーが話していましたが、披露された5月5日立川ステージガーデンの昼公演では自身の仕上がりに納得できる結果にならず涙してしまう場面も。研修生加入以降同期として支え合ってきた盟友である有澤さんがこの機会に寄り添い、最後まで練習相手として向き合いながら石山さんの努力を思ってMCでお互いに泣きあったのも印象的でした。この貴重な経験は今後の彼女の大きな糧になることは言うまでもありません。
そして石山さんといえば、公演中盤での煽りでしょう。昨年からそのキレっぷりはお馴染みですが今期は緩急を覚えたようにも思います。散々煽っておきながら、時々妙にしおらしくなるんですよね。そのような予測不能のテンションも彼女の魅力です。
蛇足:5/5の立川公演は上述した工藤さんの「CHOICE & CHANCE」や夜公演での江端さんの「GIRLS BE AMBITIOUS!」と重なった別の意味でも印象に残る1日でした。
遠藤彩加里さん
メンバーとして加入以降、常に高い評価があるバレエ仕込みの美しい所作と、今ではグループ1となった長身で表現されるダンスは先輩も参考にするほどの存在感があります。(特に最近は工藤さんと江端さんが遠藤さんのパフォーマンスを参考の引き合いに出しています。)
そして遠藤さんといえば今回の新曲「ナイモノラブ」での「あーたんコール」でしょう。本人がとても喜ぶのでヲタクの声も最大限になってしまい、今では遠藤さんの歌がなかなか聴こえて来ないという逆転現象が起きています。
(この現象については、もしかすると賛否があるかも知れません。あくまでも私個人の意見ですが本人の思いや会場の勢いを鑑みて、聴こえてくる声援に身を任せて楽しんでほしいと思っています。)
ビジュアル面では自身の強みを活かしたメイクはこれまでもメンバー内で評価が高く、とても大人びた姿を魅せてくれます。4月には高校生となった遠藤さん。ここまで書いてきてその大人っぽさの変化を感じさせますが、感情の表出や語り口はやっぱり可愛い安定のバブです。武道館で植村さんへの思いを語ろうとしたMCでは100点満点の「赤ちゃん泣き」を披露してくれました。植村さんからの寵愛を受けた最年少の「りんごちゃん」は今後どのような成長を見せるのか?とても楽しみです。
※植村さんからの(度が過ぎた⁉︎)溺愛はDVDマガジンvol.41やスカパーで放映されたJuice=Juice特番、昨年10月のタワレコ「ハロプロ三六房」で特に顕著な本音が見られました。

川嶋美楓さん
ツアー初日、座間での「美楓ちゃんおかえりコール」で復帰をお祝いすることができましたね。その後も全ての会場で開演MC時に植村さんが「美楓、おかえり〜」と紹介してくれました。戦列への復帰、本当におめでとうございます。
加入から一年経ちましたが健康上の理由による長期離脱は、さまざまな思いがあったことは想像に難くありません。昨年秋ツアーでの不在間、松永さんが客席に「美楓はいるぞ!帰ってくるぞ!」と思いを届け続けてくれた事も川嶋さんの心の支えになったではないでしょうか。
仙台公演のMCで(先輩方のパフォーマンスに比べて) 「一人だけ子供」と泣き出した川嶋さん。直近の先輩である遠藤さんが年下であるため余計に長期離脱によるステージ経験の差を強く感じてしまったのかも知れません。
今後は焦ることなくのびのびと経験を重ねてほしいですね。
川嶋さんはMCでその独特な感性と自由な語り口に「面白い」との評判も高まっています。座間ではリーダー植村さんをはじめ先輩方のほっぺたを躊躇なく触ることを話していたり、福岡と沖縄では(この場所が)気に入ったから「帰らない」宣言をしてみたりと、最も後輩のポジションでありながら良い意味で空気を読まずに自由な発言をしてくれます。
神戸での新曲リリースイベントは大事をとって出演を見送りましたが、ツアー本編では全23公演全てのステージに出演を果たしました。
武道館では通常公演よりも出演曲が大幅に増えて、川嶋さんの思いが植村さんの卒業に「間に合った」ように感じました。

最後に
ここまで長々と春ツアーから武道館の植村さん卒業公演を終えるまでのJuice=Juiceをヲタクの視点から綴ってきました。最初に書いた通り、あくまでも「私が観て聴いて感じた思い込みや妄想」を絡めての記述になります。
毎回お馴染みの文言になりますが「皆さんの思うJuice=Juice」を補完する参考になれていたら幸甚の至りです。
何卒



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