PILOT S3
2023.12.29 公式カタログの更新に伴い、新色の情報を追加しました。
2024.08.01 公式サイトの価格改定表発表を受け、価格表記を訂正しました。
2024.10.06 マイナーチェンジについての記述を追加しました。
ーこれを買っておけば間違いないー
今回は安価帯最強シャープ、S3について書きます。
概要
S3は、PILOTが販売する製図/一般筆記兼用のシャープペンシルです。
カラフルな軸・シンプル形状でどんなシーンでも使いやすく、書きやすいシャープペンシルの基本をしっかりと抑えています。
参考資料
↓意匠登録
↓ちょい前のカタログ。S3スタンダードとS20スタンダードの情報が掲載されています。
スペック
メーカー、名称及び品番…
PILOT S3 HPS-30R
※PILOT S3 standard(いわゆる一般筆記モデル)では、HPSの部分がHPSNとなり、芯径の表記位置が異なる。
価格…300円+税→2024.10.01より400円+税
種類…シャープペンシル
芯径…0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm
機構…ノック式
カラー…国内販売分:計25色(うち通常13)
取り消し線は現行カラーではないものを示しています。
ラメカラーは2010限定
パステルカラーは2011限定
TY,B,Pは22年末で販売終了
TP,TR4は23年末で販売終了
TCP,NC4,TPU,TMGは24.03発売
MW4,NV4は2024限定
0.3mm 0.4mm 0.5mm 0.7mm 0.9mm
ラメグリーン
ラメオレンジ
ラメブルー
ラメピンク
ラメバイオレット
アイボリー アイボリー
パステルピンク パステルピンク
パステルバイオレット
パステルブルー パステルブルー
パステルグリーン
ミルキーホワイト
トウメイネイビー
ーーーーーーーー以上限定モデルーーーーーーー
トウメイピンク トウメイピンク
ノンカラー ノンカラー ノンカラー
トウメイアカ トウメイアカ トウメイアカ
トウメイクロ トウメイクロ トウメイクロ トウメイクロ トウメイクロ
トウメイキイロ トウメイキイロ
トウメイグリーン トウメイグリーン トウメイグリーン
トウメイブルー トウメイブルー トウメイブルー
クロ
ピンク ピンク
トウメイライトブルー トウメイライトブルー
トウメイコーラルピンク トウメイコーラルピンク
トウメイパープル トウメイパープル
トウメイミントグリーン トウメイミントグリーン
その他モデル…海外版H-32x、macaco等
マイナーチェンジについて
初代:透明シール、□に300の文字(値段表記)、芯タンクに黒文字で製造年月印字
02年頃のものが存在確認されている。
2代目?:透明シール、□に300の文字(値段表記)、無地の芯タンク
時期不明
3代目?白シール、□に300の文字(値段表記)、無地の芯タンク
少なくとも2011年頃には白シールが出てきている。
4代目:白シール、値段表記なし、無地の芯タンク
24年上半期頃から。
レビュー
ここでは、S3をそれなりに長く使った上で気づいたこと、気になったことを書いていきます。部分ごとに書いたあと、最後に総評という形にしました。
ノックボタン
最上部は平らで、角が丸められた形状をしています。確実に押せて痛くならない形状ですね。目立った欠点もなく、かなり洗練されてますね。芯径表示などはありません。
追記:
プラパーツ内側に形成された径方向に変位可能な一対の弾性片と、金属パーツ後端の縮径部が係合し(長手方向・径方向の固定)、かつ金属パーツの円筒面内側に設けられた軸方向に細長い突起と前記弾性片が当接すること(円周方向の固定)でプラパーツと金属パーツが固定されている。
この部分の固定は劣化しやすいプラパーツに頼っており、組み立て時の強い負荷+長期間の使用で弾性片に割れが生じて外れてしまう。
私は接着剤で固定した。
消しゴム
300円という低価格ながらクリーナーピンが付属。0.3mm~0.9mmのすべてのモデルにクリーナーピンが付属しているのはありがたいですね。消しゴム使わない派なので消し心地は知らん。
クリップ
あえて左右非対称にするという少し変わったデザインです。
軸形状にマッチするように曲線を多く使った形をしています。
取り外し、取り付けがしやすいのも優秀すぎます。
安価帯文房具にはありがちな話ですが、メッキの耐久性に問題があるようで、私の個体は2年半ほど使ったタイミングで一部が剥がれ落ちました。といっても10年前の限定カラーに付いていたものなので経年劣化もあると思います。新品を買えばずっと綺麗に使えます、たぶん。
メッキが剥がれたとしても、そこから錆が広がってボロボロになるということは現状では確認されていません。まあここは値段相応。
軸
大事なところなので最初に書いておきます。
この軸、消しカスが固着しづらいです。激アツ。
400円という値段もあり、シンプルでチープな見た目です。しかし、不透明軸、透明軸ともにウェルドラインが全く見えないのは素晴らしいです。パーティングラインも気になるほどではないです。
クリップ周りにヒビが入ることが稀にあるようですが、個体差なのか使用者の扱いの差なのかは判明していません。
軸中央部に半球状の小突起がありますが、これによってクリップを外しても転がりにくくなっています。S3はクリップを外したときのバランスが神なので、転がり防止の小突起は割と実用的ですね。
グリップは溝が掘られた形状で、細くもなく太くもなく、不快なレベルで滑ることもなければ手が痛くなるレベルで滑らないわけでもない、無難な握り心地です。
重心位置は(クリップ無しで)グリップの上から2~3本目の溝の位置です。
口金を止めるネジはプラ製ですが、あまりぶっ壊れたという話は聞きません。透明軸のものを観察すれば分かりますが、力がかかる部分がある程度厚いです。手抜きがされてないのはめちゃくちゃ好感度高いですね。
口金
個人的にこの形めちゃくちゃ好きです。スリムな先端部に4mmのガイドパイプがついているので、とにかくペン先周りの視界がイイ。真鍮製、ガイドパイプのみステンレス製。本体が軽いので落としてしまっても曲がりにくいです(当たりどころが悪いと曲がるけどね)。
チャック
真鍮製、3分割チャックが搭載されています。2回ノックしたときの繰り出し量がちょうどいいかな、というイメージです。シンプルで信頼性の高い機構なのでテストなどの重要な局面でも安心して使えます。
総評
10段階評価
握りやすさ
人によっては滑るかもしれない。浅い溝が彫られたグリップはマイルドで、長時間握っていても痛くならないので手に馴染む。
剛性
プラ軸だが、不快なたわみは感じない。しっかりとしたつくり。金属軸には勝てないけど、安価帯シャープの中ではめちゃくちゃしっかりしてる。
バランス
クリップを取れば完璧。軽くて低重心。人によっては軽すぎるかもしれない。
ペン先の視界
製図用の強み。ストレスにならない。形もダサくないのが地味に強い。
コスパ
これはもう文句なし。300円の製図用で、カラフルで、クリーナーピンまでついてる。それでいて目立った欠点がない。どこにでも売ってる。コスパのいいシャープペンシルがほしいと思ったらこれ。
まとめ
このシャープペンシルは、安くて質の良いかなり理想に近い製品だと思います。良いところがたくさん、というよりは欠点を極限まで排除したタイプですね。
これからもずっと使っていきたい一本です。
上位機種及び他モデル
S3一般筆記用(廃番)、S3、S5、S10、S20、S20一般筆記用(廃番)、S20ボールペン、S30が存在します。
S3には海外版が存在し、品番はH-32x(xに芯径)です。カラーラインナップも日本バージョンとは異なるようです。
S3以外の現行Sシリーズは、壊れたときの修理パーツが存在します。もし壊れてしまった場合、パイロットのカタログ(23年度版以前のもの)をご参考ください。
0.3mm S3の購入リンク
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