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【BPLS2】DDRファイナル戦略分析

既にBPLS3シーズンもスタートしておりますが、BPLS2のトリを飾ったDDRファイナルの戦略が個人的に激アツでしたので記事にしておこうと思います。
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まずはセミファイナル・ファイナルに進出した4チームの戦力状況を見てみましょう。勝敗結果から弊サイトが算出したイロレーティングがこちらになります。

弊サイト読者にはお馴染み?のアレ

ではSFに進出した4チームの中で、優勝したラウワンの戦力が最も高かったのでしょうか?ドラフト指名順位別のレーティングを表示したものがこちらになります。

チームの総合戦力という意味ではGiGOが一位、ラウワンはこの中では最下位となっています。

特にシルク・GiGO・ラウワンの3チームは絶対的エース選手を擁しており、チームを牽引した形となっていますが、その中では全体戦力に劣るラウワンが優勝した秘密を探る、というのがこの記事の趣旨になります。

ラウンドワンの試合運び
SFはGiGOに20-22で勝利しました。その中でも序盤は相手にリードを許し(とくに3rd MatchでHIBIKIとのガチンコ対決を避け)、タッグで挽回した格好となります。

続くファイナルは12-28の大差で勝利しましたが、こちらも3rd MatchのKANAMEとのガチンコ対戦を意図的に避けているように見えます。

SF・Finalは5th Matchまであるところ、
①1st 2nd 3rdのシングルスはそれぞれ別のプレイヤーが出場する。
②また3rdに出た選手がタッグマッチに2連続で出ることは出来ない、というルールでした。

レベル指定も、3rd matchが一番高くなっており、
素直にオーダーを考えれば、各チームのエース選手が3rd matchに出場し、4thはドラ2、3の選手が出場。5thでドラ1、ドラ2が出場。という編成になりそうですよね?

1st matchはポイントが低い(1pt/曲)、5th matchはポイントが高い(最下位以外は+1pt)
3rdにはエース選手が出てきそうですが・・・?

さて実際にはどのような選出が行われていたのでしょうか?

まずはSF第一試合。ゲーパニは真っ向から素直なオーダーを組んでいることが分かります。対するシルクは3rdに3巡目のABETAKUを選出、KANAMEを温存してタッグ2連戦選出という作戦に出ていますね。
実際シルクはこの作戦が大当たりし、タッグマッチ4曲全てでKANAMEが1位を取ってゲーパニを23-20で下しました。

最も自然なオーダーと思われるゲーパニ、対するシルクはKANAME温存が吉と出た

SF第二試合は20-22でラウワンが勝利しています。
こちらもオーソドックスな選出をしたGiGOに対して、ラウワンはHIBIKI選手相手にUN-RE選手を選出。その後のタッグマッチは(1)O4MA.&(2)ZERO.の2連投で固めに行く作戦でした。

UN-RE選手の出番はなんと3rdマッチ一回です

そして12-28での優勝となったファイナルでも、ラウワンは(3)UN-RE選手を3rdに当て、ポイントが多くなるタッグマッチ2連戦を(1)O4MA.&(2)ZERO.タッグで勝ち切ったのでした。

またしてもUN-RE選手の出場は3rdのみです

では、このようなオーダーにはどのような意味があるのでしょうか?ここでは単純に、出場選手のレーティングという観点で計算してみましょう。

以下の左側①は、"素直なオーダー"を組んだ場合の各試合におけるレーティングです。そして右側②は、"3rd に3巡目選手を配置・タッグは1巡目と2巡目で固める"オーダーを組んだ場合のレーティングです。

②は強い選手を沢山選出することに繋がっています

対するシルクハットは、左側①素直なオーダーに対して、右側②実際のオーダーの方が見た目のレーティングは低くなっていますね。

SFではKANAMEを温存したシルクでしたがファイナルでは採用されませんでした

難易度帯やジャンルの得手不得手、相手のオーダーとのかみ合わせもあるので一概にエース温存が優れているとは言えませんが、通常最も強いと考えられる1巡目選手を3回登場させることが出来るラウンドワンの編成は、オーダーの攻撃力を高めることに繋がっているということが言えそうです。

さて、ラウンドワンは上記のオーダーが奏功し見事優勝しています。
一方でUN-RE選手はセミファイナル・ファイナルを通して2マッチにのみ出場、相手からは1ptも取ることなく敗れています。
ラウンドワンのオーダーは3巡目選手を"捨て駒"にした非情なオーダーにも思えますが、弊サイトとしては「これぞプロの戦い」とラウンドワンを称えたいと思います。

ルールがそれを禁じていないのであれば(例えばタッグマッチ全体で3人全員が出なければならないというルールにもできたはずです)、どこまでも勝ちに徹した作戦を取るチームが批判されるいわれはないと考えます。
チームとして勝ちにこだわり、実際に勝ち抜いたラウンドワンの作戦にアッパレを送り、この記事を終えます。

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