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城と城塞Focus2/2:プーリア州

特設城・要塞サイトでご紹介する17州の中から、2州をピックアップしています。2つ目はイタリア南部のプーリア州からのおすすめです。


プーリア州、リアルな驚き~軍事要塞の地

3,000年以上に渡る歴史、そして深く根付いた伝統がプーリア州の特徴であり、様々な文化や異なる文明の痕跡が、城や素晴らしいプーリア建築の中に残されています。
古代ローマ以前からギリシャ時代、ロマネスク様式からバロック様式に至るまで、プーリア州では異なる時代体験ができます。例えばダウニアエリアの先人たちが造った城や修道院のある北部、ローマ人により支配された中部、ギリシャ文明、その後のビザンツ帝国、ゲルマン、そしてフランス・スペインの支配により影響を受けた南部。

荘厳なローマ様式の大聖堂、守備要素の高い街や威厳ある要塞が、美しい街や風景の中に広がり、また865㎞も続く海岸に沿ってあるノルマン人、スワビア王家、アンジュー家により造られた防御塔などが、栄光ある過去の痕跡を今に残しています。

「プーリアの申し子(Puer Apuliae)」皇帝フェデリコ2世が建築したこの地で最も有名な城であり、州独自の宝であるアンドリアのカステル・デル・モンテ(デル・モンテ城)があることで、プーリア州は世界にも知られています。ランが咲き乱れる野原、野草に囲まれた丘陵地帯、そしてブドウ畑とオリーブ畑の中に、1240年皇帝フェデリコ2世が建築した要塞がそびえます。

カステル・デル・モンテ 写真コピーライト: Regione Puglia


1996年にユネスコ世界遺産に登録されたこの城塞は、中世建築の傑作とも言われています。カステル・デル・モンテは、プーリア州のシンボルの一つとなり、その神秘的な八角形の構造は、この地だけでなく、イタリアや世界中の他のすべての建造物とも明確に区別されるものです。

内陸のグラヴィーナ・イン・プーリアへと進むと、その丘の上からは、狩猟用として使われた城の廃墟を見ることができます。ブリンディジ県にある中世の街オリアでは、フェデリコ2世とブリエンヌのイオランダとの結婚式が行われた美しい城を外部からみることができます。この結婚式の様子は、8月中頃、リオーニパレード、あるいはボルギパレードの歴史行列として再現されます。ここから20㎞の距離にはフィオレンティーノ城の考古学地区があり、残る城の跡はフェデリコ2世が命を落とした場所と言われています。

プーリア州での旅は、中世の城とこの地ならではの唯一無二の建造物の発見の連続であり、かつては自然豊かでハヤブサ狩りが出きる場所でした。

大きな宮殿のあるルチェーラから、ボヴィーノの荘厳なドゥカーレ城、海の際に建つヴィエステのズヴェヴォ城、そしてダウニア地方とガルガーノ地方を360度見渡すことができるモンテ・サンタンジェロの要塞
州都バーリにあるノルマン・ズヴェヴォ城、100の扉がある王宮として知られるジョイア・デル・コッレ城など、個性的な城ばかりです。

プーリア州にはその他にも、カピタラータ地方、バーリの地、そしてサレント地方である、ターラント、マッサフラ、マンフレドニア、レッチェ、オトラント、グロッターリエ、ブリンディジ、トラーニ、バルレッタ、サンニカンドロ、モーラ・ディ・バーリそしてモノーポリなど、数多くの城が残ります。また865㎞に渡る海岸沿いにある塔も発見することでしょう。

ターラント、アラゴン城 写真コピーライト:ph Samuele Gallini


これらの塔は、海岸から海岸へ、アドリア海からイオニア海へと絶え間なく続く旅に静かに寄り添い、太陽に向かって、水平線を見張っているのです。

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プーリア州の城・要塞はここから:
https://www.enit.it/en/castles-of-puglia 
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