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総合管理から一部管理へ

のっけから、ワンオペ管理などと謳ったため、ちよっと分かり難かったしも知れませんが、ワンオペは、管理会社による「一部管理」という形態を採用しています。

「なんだ、結局、管理会社が管理するのね?」と思われたかも知れませんが、自主管理ではなく管理会社に管理を委託していれば、管理会社による「総合管理」という形態になっているケースがほとんどです。

 マンション管理の核は、基幹業務です。
 基幹業務には、
一、会計業務
二、出納業務
三、運営業務
の三つのカテゴリーがあります。
会計業務とは、毎月開催される理事会にて承認を得るための会計報告書の作成と報告があり、年度末になると、「決算書類」の作成と次年度の予算案を作成し理事会の承認を得ます。

次に出納業務ですが、管理費・修繕積立金の出納業務と、滞納しているオーナーさんへの督促業務。諸経費の支払いなどがあります。

そして、三番目の「運営業務」は、毎月の理事会開催時の資料作成に議事録作成。総会になると、総会資料の作成と総会準備、進行から議事録作成まですべての運営業務を担います。

ルーチン化された年間の事業計画の素案作成や、実務もこのカテゴリーに入ります。この他、災害時の一次対応から、業者手配、保険金請求まで行います。日々の小修繕もこの範疇です。

総合管理とは、この三つの基幹業務すべてを請負うことです。
逆に言えば、こ三つすべてを請負っていない場合は、「一部管理」という形態になるわけです。

私が職員として携わっているマンションは、二番目の「出納業務」を管理会社に依頼。その他、会計業務・運営業務はすべて私がワンオペで行っています。(管理人と呼ばれる窓口業務も担当しています)

基幹業務の中でも、出納業務は、重要なポジションを占めます。具体的には、区分所有者の口座から、管理費・修繕積立金を自動引き落としをかけ、組合口座に振り替える作業となります。もちろん、その際に振替結果もレポートとして毎月、作成してくれることから、滞納者は一目瞭然です。

このレポート結果をもとに、督促状を投函したり郵送したり、場合によっては、直接、督促業務を私が行うわけです。

さて、出納業務をマンション管理会社に依頼している経費が幾らか、お分かりでしょうか?

答えは、「月額5万円」ほどです。

驚かれたでしょうが、一世帯あたり500円の委託料となるため、100世ではこの額になるのです。組合経費としては、これに加えて、職員である私の給与が発生します。足しても、30万円。この額は、総合管理を行った場合の半額程度に抑えられています。

ワンオペ職員として、私を雇用する際に、管理会社に総合管理の見積依頼を行ったところ、月額60万円程度でした。私の給与が25万円ですから、ちょうどその倍の費用がかかることになるわけです。

基幹業務の中でも、最も重要な出納業務は、管理会社に委託する。そして、それ以外の業務を職員がワンオペで担う。この事で、大幅に管理費を削減することが可能になるのです。

ちなみに、私が管理するマンションは、都心に近い60平米ほどのファミリータイプのマンションです。

管理費は、月額5500円程度。(自治会費を除く)
修繕積立金は、月額10000円程度
となっています。

近隣マンションと比較しても、ちょうど半額程度の維持費で収まっているのは、「一部管理」という形態を採用し、ワンオペ管理を行っているからなのです。

余談ですが、去年、三回目の大規模修繕工事を無事終えました。一億円近い支出となりましたが、それを支払ってもなお、一億円近い修繕積立金をプールしています。 

このことから、
「修繕積立金を減額してはどうか?」
という、意見も一部区分所有者から出たほどでした。

理論的には、修繕積立金も半額まで減額する事が可能です。もう一回、大規模修繕工事を行う資金をプールしているわけですから・・・。
  
 













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