HIQAはIOSSたりえるか?

ところで、僕が受検したCAMSを運営するHIQA(正式名称:一般財団法人高IQ者認定支援機構)とは、どのような組織なのだろうか。

HIQAのホームページでは、機構設立の趣旨について、こう述べられている。

「日本における隠れた高IQ者を発掘し、その人たちに大きな仕事をしてもらえるような『仕組み作り』を行う」(要約)

僕はこの理念が、ある組織と「とても似ているな」と感じた。

それは、マンガ作品「夜光雲のサリッサ」に登場する、IOSSという組織だ。(下図は「夜光雲のサリッサ」第1巻表紙絵

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ここで少々ネタバレになるが、「夜光雲のサリッサ」のストーリーを簡単に紹介する。

この作品世界の地球では、成層圏・中間圏に「天翔体」という正体不明の生命体が存在していた。この天翔体が対流圏界面を運用高度とする旅客機に度々被害を与えていたので、各国空軍は迎撃を試みるのだが、ほとんど有効打を与えられずにいた。それは天翔体が人類が現有するどんなセンサーよりも高感度な感覚器官を有しており、どの攻撃もまともに命中しなかったからだ。

苦境に追い込まれた人類が切り札としたもの、それが「インゲニウム」と呼ばれる、生まれながらに特殊能力を持つ少年少女たちである。しかし「インゲニウム」たちは、その能力故に人々から疎まれてきた過去を持っている。

例えば、上の表紙絵に写っている少女、「隠忍(なばり しのぶ)」は、「異様に存在感の薄い子」として不遇な日々を過ごしていた(挿絵はここから)。

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しかし、彼女は「光学・電波・赤外線などによるあらゆる探知を阻害する」インゲニウムだったのである。このことを天翔体迎撃のための国際機関IOSSが把握すると、すぐに彼女を引き入れ、同時に彼女自身も「自分の能力が人類のためになる」というやりがいを感じながら戦いに身を投じることとなる。

話を戻す。僕は作中の「インゲニウム」という存在が、現実世界における「不遇の高IQ者」の姿とよく重なるような気がしてならない。しかし、「不遇の高IQ者」を放置していたのでは、その当人たちにとっても幸せではないし、なにより国家や世界にとって大きな損失である。

つまり、高IQ者たちには、IOSSのような「知的能力を正当に認め、相応な仕事を与えてくれる」ための仕組みが必要なのである。そして、HIQAからはそのような仕組み作りに対する、並々ならぬ熱意を感じる。

だから僕は、HIQAの活動を可能な限り応援する。その活動がいつか、世界を救う力になると信じて。


P.S. 

「夜光雲のサリッサ」は、現在第4巻まで刊行されている。興味のある方は手に取ってみてもいいかもしれない。

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