「本日、承後過ぎの生き方」を振り返ってみた

久々のnote更新です。

1月19日~23日に大塚の萬劇場で上演しました「本日、承後過ぎの生き方」のアーカイブ配信が2月7日0:00を持ちまして終了致しました。

たくさんのご来場、ご視聴、誠に誠にありがとうございました。

昨年2月の「僕霧」以来の本公演でした。

コロナ渦で行う演出公演は3度目でしたが、今回が一番心も体も落ち着かなかった気がする。

長くなるかもしれませんが、振り返っていきましょうかね。

とにかく前を向いた

顔合わせは11月中旬からでした。

この2週間前まで外部で作演をやっていたのでほぼ間をあけずの顔合わせ。

この頃の都内のコロナの感染者数は2桁と3桁を行ったり来たり。今に比べたら比較的緩やかでした。

先述の作演現場でも、当初はマウスシールドを付けて上演する予定だったのが感染者数の減少を見てマウスシールドなしに切り替えてくださったくらいには落ち着いていた頃でした。


だからといって油断せず、引き続き感染症対策をしっかり行ったうえで稽古を進めていきました。

ところが、

年が明けた頃から倍々ゲームの如く都内の感染者が急増。

集中稽古後半には都内最多を更新し、劇場に入った頃には1万人越え…


おい…おい…マジかよ


年末までは落ち着いてたじゃん!!

土壇場でこんなに増える!?


今だから言えるのだが集中稽古期間の記憶がほとんどない。

多分、強がってたけど不安でいっぱいだったんだと思う。


だけど、
前回の「僕霧」でもそうだったんだけど、

キャスト陣みんな熱いんですよ。


「なにくそコロナになんか負けてたまるか」という気持ちが丸わかりだった。


それは今回上演を行った萬劇場さんも同じで。

萬さんもコロナ対策をめちゃくちゃしっかりと行ってて(過去記事ですが詳しくはこちらに書きました。)

我々の事も気にかけてくださって、本当に親身になってくださいました。


対策的な面でもメンタル的な面でも萬劇場さんで上演できて本当によかった。


またまた皆に支えられながら最後まで駆け抜ける事ができました。


本当にありがとうございました。


「本日承後」上演までの道のり

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そもそもこの「本日、承後過ぎの生き方」は2018年に演人の夜第4回本公演として上演したものでした。

実は初演の「本日承後」をやるまで演人の夜は約2年ほど活動を休止していました。


理由は色々あるのですが、一番は仕事でもプライベートでも色んな事が重なりすぎてしんどかったからです。

正直このまま演劇辞めようかとも思っていたのですが、元々決まっていた現場に携わるうちに「やっぱ演劇楽しいな」と思い、「もうちょっとだけ続けようかな」と欲が出ました。

そのもうちょっとが今もなお続いているのはひとえに荏原や皆のおかげだと思っています。

話はそれましたが、この「本日承後」は死にかけてた演人の夜が復活したきっかけとなった作品でした。

「活動休止期間に経験した事柄と自分が今まで受けてきた辛い経験をいっそ本にしちゃえ」と書いたこの本が今の演人の夜の基盤を作ったと言っても過言ではありません。


自分の本で身を刻むのは賛否あると思うし人によっては押しつけがましく見えるかもしれません。

ですが、


自分の経験談を作品にして上演してもいいじゃないか(大声)

登場人物の中で一人でも愛してあげたい、抱きしめたいキャラクターがいてくれたのなら書き手としてとっても嬉しいです。

キャストの話

いつもの事なんだけど、やっぱり皆の力は本当にデカかった。

諦めてたまるかって思いが溢れ出てたもんなぁ


中でも劇団員の荏原は熱かった。

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演人の夜に所属して初の主演で、
僕がどういう思いでこの本を書いたのかも理解したうえで亜季を、アキを、演じてくれて。

劇団員として色々動きながらもブレずに芝居に打ち込んでくれて、


彼女がいなかったら新生「本日承後」は成り立たなかった。

本当にありがとう。


まああんまり身内を褒めすぎるのもよくないので←


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酒井菜々夏さん。

オリジナルの黒川アキを演じてくれました。

そう、影の主演は彼女なのです(本番期間、アーカイブ期間中はネタバレ防止であんまり触れませんでしたごめんなさい)

彼女には黒川アキのモデルが僕だって話したっけな?

アキの纏った負のオーラと家や学校で受けてきた仕打ちと亜季の偽善的行動(アキからすればこう映っていました)が導火線に火をつけて最後の最後爆発していく様は彼女の持つ最大限の武器を活かしてた気がする。


「僕霧」でもそうだったんだけど酒井さんは虐められる役が妙に似合う。

だけど今度は全然違う役を見てみたいな。


ちなみに黒川アキを酒井さんにした理由なのですが、


「僕霧」の仕込みの時に荏原と酒井さんが二人とも黒いパーカーに黒いジャージで後ろ姿がめっちゃ似てて


「あれ!?荏原が分身してる!!」


と思ったのがきっかけです(笑)


亜季とアキをキャスティングするにあたって「2人の身長が同じ」事が最大条件(いくらなり替わるにしても身長は変えられないからね)なのですが、

ちょうど2人とも同じ身長だったんですよ。

そもそも酒井さんは「僕霧」のオーディションから演人の夜に関わり始めたのですが、

オーディションでの彼女の儚さの中にある強さが「僕霧」でのマリアという役の決め手となりました。


「酒井さんの黒川アキなら初演とはまた違う黒川アキを体現してくれるのではないか」

と思ったのも黒川アキにしたもう一つの理由です。

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もちろん他のキャストもみーんな熱く演じてくれました。

辛い世界だったろうに…それでも皆それぞれの正義や世界があるから一部を除いて案外苦ではなかったのかもしれないのかな

この作品を心から愛してくれたからこそ、

観ている側に何かを与えられたのではないかなと思います。

この作品を心から愛してくれたからこそ、

カーテンコールで目を潤ませたのかなと、

カーテンコールで安堵した表情だったのではないかなと、

思います。

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荏原、酒井さん以外のキャストに関してはものっすごく長くなるのでまた後日別記事にて書かせていただきます。

カミングスーン

美術の話

今回の美術は初演でも担当してくださった吉田竜一さんが手がけました。

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こちら、初演の美術を再現していただいたんですよ。


↓初演の美術

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ほぼ同じでしょ?

デスクの配置が変わってるだけで


シンプルなデザインにしてもらったのは理由があります。

一つは会社以外にもどのシーンにも対応するため。


もう一つは

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はい、紙も美術の役割を果たす為です。

終盤で望月が激昂してデスクを荒しながら紙をまき散らすシーンがあったのですが、これは今まで切り分けられてた一つ一つの空間を繋げる意味もありました。

ここも見どころの一つで、照明や物語の展開も相まってカオスな雰囲気になったんじゃないかなと思うんだけどど、どうかな?(ドキドキ)

小ネタ

と、物語の起源も内容も殺伐としていましたが、舞台上では見えない所で、金子に内緒で遊んでた模様。

小ネタその①

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長谷川裕くんが演じた「青木」のパソコンです。

なんじゃこりゃ。仕事になるわけないだろw


長谷川くんはゲラなので格好のターゲットにされてました。

ちなみに、

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私の誕生日2月なのでもう少し待っててくれないかなのんちゃんよ


小ネタその②

バーのシーンで平野正和くんが演じた亜季の兄「白鐘春治」が青木と大谷に免許証を見せるシーンがあったのですが、毎回変な免許証を渡して長谷川くんを苦しめていましたw

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※記載してる住所は萬劇場の住所です。

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いやいや


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あのさ


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一旦止まりなさい


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なんでもありじゃねーか!!


僕の免許に関してはリアル僕の家の住所だったので消してあります。つーか勝手に使うなよw

免許証ネタは稽古中からやっており、長谷川くんが笑いを堪えらなかった事がちょいちょいあったのですがその笑いが春治を誘ってた女性を演じた陽奈ちゃんにも伝染して収集つかなくなることもありましたw


小ネタその③

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もう意味が分かんねえよw

いや、どれもこれも軒並み意味が分かんないけどこれは群を抜いてわけわからんw

杉田のぞみさん演じた部長はどんな気持ちで電話を取っていたのか…


最後に

というわけで(どういうわけだ)

本日承後を振り返ってみました。

書き洩らした事とか多分ありそうな気がするのでその場合はこのnoteなりTwitterなりに随時追記していきます。


とにもかくにも、

中止や延期になることなく上演できたのは本当に良かった。


ここまで来れたのはやっぱりみんなの思いの強さだと思うよ本当に。


長くなりましたが、

「本日、承後過ぎの生き方」

応援してくださり本当にありがとうございました。


次の演人の夜の本公演はいつになるかわかりませんが構想はあります。

今年中にやるかどうかは微妙な所ではありますが活動を停止するわけではありません。


今年も本公演はやらないにしても演人の夜として何かやるつもりですし、金子、荏原個々でも動きます。


情報解禁まで今しばらくお待ちください。


それでは、また逢う日まで。

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ありがとうございました!






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