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ゲーム紹介:ヘゲモニー(HEGEMONY)

Engamesの村山です。
今回は10月に発売となる新作「ヘゲモニー」をご紹介します。
先にお伝えしておくと、プレイ時間は90分~180分という重ゲーです。
テーマも硬派で歯ごたえも十分!
それだけに、他にはない体験が味わる比類なき作品です。
Kickstarterでいち早く入手された方々からも、SNSなどで「今年ベスト!」などの声もあり、気になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

日本語タイトルの「ヘゲモニー」レイアウトは控えめです

■どんなゲーム?

ヘゲモニー(hegemony)とは、政治的、経済的、軍事的に優位に立つこと、またはリーダーシップを発揮することを意味する言葉です。
この世界では、あなたが暮らす国は混迷を極めており、経済は低迷、政治的緊張が高まっています。
IMFの介入も辞さない事態ということなので、この国は相当ヤバいです。
プレイヤーはそれぞれ特定のグループのリーダーを担当し、自分たちの理想を追い求めながら、国を建て直すために尽力することになります。なかなかのスケールの大きさです。

特定のグループとは「労働者階級」「中産階級」「資本家階級」「政府」の4つ、各プレイヤーは、このグループから1つを担当します。
各プレイヤーは、それぞれの目標に向かって進み勝利点を得ていく、完全非対称型のボードゲームです。

ボード全景
様々なアクションカード

■ゲームシステム

それぞれの目標と言いましたが、プレイの根幹は同じです。
アクションフェイズでは、手札のアクションカードをプレイする、もしくはカードを捨て札にして基本アクションを行う、これを5回くり返します。
そのあと商品やサービスを提供したり、賃金を支払ったり、税金を払ったりするのですが、そのあとがヘゲモニーのキモです。

労働者階級が教育の無償化を提議しています

■投票

VOTE!投票です。
国家を維持するためには「財政政策」「医療・福利厚生」「移民政策」など、様々な方針があり、各グループには勝利点につながる「こうだったらいいな」という理想があります。法案は先ほどのアクションフェイズ中に提議されるので、各プレイヤーは「賛成」か「反対」かを表明した上で、投票を実行します。

投票の方法を簡単にご説明しますと、各プレイヤーのパラメータに応じた投票コマの数が与えられます。投票コマはすべて布袋の中へ。
各々が「賛成」「反対」をトークンで示したあと、投票コマから5個をランダムに引いて、法案の可否が決定する…と思いきや!

プレイヤーが持っている影響力コマを支払うと追加の票を投じることができるのです!「影響力コマ」が具体的になにを意味するのかは、想像にお任せします…。
影響力コマの支払いは、支払いたいコマの数を片手に握って同時公開する、いわゆる「握り競り」です。まさに手に汗握る瞬間です。

労働者階級は賃金、福利厚生も手厚い方がいい、資本家階級は賃金、課税は安い方がいい、中産階級はあまり偏らずにバランスをとりたい。
思惑のトライアングルが発生する中で、政府はみんなの機嫌をとりたいけれど、財政支出を抑えないとIMFが出てきてしまう緊張感!
想像するだけでもゾクゾクする展開が待ち受けています。

ディテールを話すときりがないので、出来るアクションの名前だけでも紹介しますと、「ストライキ」「政治的圧力」「海外市場への販売」なんだか穏やかではない言葉も並んでおりますが、権利のための闘争ですから当然です。

(L-R)食糧、ぜいたく品、健康、教育の各トークン

ゲームを盛り上げる各種トークンも雰囲気があります。
健康はハート、ぜいたく品はスマートフォンで表されています。
一度は手に取ってみたくなりますね。

■拡張「危機と管理」

AIカード

そして今回は拡張「危機と管理」の同梱版となります。
特長の1つが「オートマ」、各階級ごとに1セットのAIカードがあり、このセットを使えばそれぞれオートプレイが可能なので、ソロプレイが出来るようになったり、せっかく4つの陣営だから3人しかいないけど4人プレイがしたい!みたいなことも、オートマを使えば可能となります。

危機対応カード

さらにはIMFの介入の方法が変更となる「危機対応」と、毎ラウンド現れるイベントに政府が関わる方法を変更する「代替イベント」というミニ拡張も同梱です。

労働者コマには熟練度もあります

なお、カードスリーブですが、カードの大きさは2種類ございます。
・スタンダードサイズ(65cm×90cm)【大】×4個(全383枚)
・ミニアメリカンサイズ(43cm×65cm)【小】×2個(全187枚)
となります。ご参考ください。

■最後に

とにかく、ゲームの世界観にどっぷり浸かって遊んでいただきたいです。
自分自身がグループのリーダーになりきって雑談をするのも楽しいでしょうし、誰かを思い浮かべながらプレイする(資本家階級=イー●ン・マスク氏とか笑)のもまた一興、人を選ぶゲームかもしれませんが、世界観を共有できる人と遊ぶと、よりゲームが華やぐのではないでしょうか。
そして、「国を支えるって大変なんだな…」と思いを馳せることが出来れば世界の見方さえ変えてしまうかもしれません。
ゲームシステム、雰囲気、とにかく骨太、間違いなくこのゲームにしかないものを持っています。ぜひ一度体験してください。

原題:Hegemony: Lead Your Class to Victory
プレイ時間:90~180分
プレイ人数:1人~4人
対象年齢:14歳以上
希望小売価格:17,600円(税込)
デザイナー:Vangelis Bagiartakis, Varnavas Timotheou
イラストレーター:Jakub Skop
発売元:Engames(JP)


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