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ドン・ファンの意地

 流石は死んでもドン・ファン
 西から吹く風を纏い、如来の服を剥ぐ。
 桃を食い、食い、したり顔。

 浮世の女は金で靡いた。
 ここでは「徳」が女を濡らす。
 蓮の花、歳の数だけ包むと息巻いて、池の蓮何本も何本も引き抜いた。

 「いかりやさん。ちょいと、けんちゃん借りてくよ」

 夕暮れて、志村けんとガールズバー。
 夜が明けて、太宰治と朝帰り。
 昼がきて、金正日と女遊び。
 あゝ ドン・ファンの意地。

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