萩原仕事を抜け出してピンサロに行っ太郎

　「萩原仕事を抜け出してピンサロに行っ太郎君！」
「仕事を抜け出してピンサロに行っ太郎君は今日もお休みかな？」

　萩原君は、家で震えていた。
　萩原君は、日本一変な名前を付けられた。
　先生に「ぼうりょく」を振るったからだ。

　無理矢理に先生たちに「改名」させられた。日本一、いや世界一変な名前だと思う。

　萩原君は中学生になると登校し、高校生でピザ屋のアルバイトをはじめた。
履歴書には名前が収まりきらなくて苦労したと言っていた。

　また、ピザの配達が遅いとバイト仲間達から「萩原、お前、仕事中抜け出してピンサロに行ったんじゃなぁい？」とからかわれたりもしたらしい。

　しかし萩原君は前を向いてがんばっていた。僕は萩原君と一緒の大学にはいり、卒業。おなじ丸の内のオフィスで働き出した。

　社会人になっても、萩原君は仕事中に抜け出してピンサロに言っているんじゃないかとからかられるらしい。
　だけど萩原君は凛と前を向いて「冗談きついですよ。きちんと業務が終わってからピンサロに行ってますよ」と答えるのだ。

　萩原君。
　萩原仕事を抜け出してピンサロに行っ太郎君。
　こんど一緒にいこうね。
　いいお店、教えてね。