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感情もモノマネできる

今は違いますが、ちょっと前まで夫と私はケンカばっかりしていました。
理由は様々ですが、大体いつもこんなジャンルよね、とまとめてみると

繊細すぎてピリつく私と、割と大雑把な夫の攻防戦的な感じでした。

他人同士が一緒に住むというのは思ったより大変で、
夫は私の6歳年上なので36年間、私は30年間、お互いに積み上げて来たものを持ち寄って生活をするわけですからご飯の炊き方から洗濯洗剤の使い方、階段を昇降する足音の大きさまで、こんなにも違うものかと驚いたものです。

同棲をしてからは一年半、結婚してからはまだ半年そこらしか経っていませんが
今我々夫婦はやっと落ち着いて生活ができています。

かといってお互いにすごく我慢して、何かを犠牲にして改善に改善を重ねて大いに努力したというと、そうでもありません。

大雑把に言えば
私の課題は「怒らないこと」
夫の課題は「だらしなくしすぎないこと」
だとは思いますが、私に関しては怒りは感情なので、我慢によって抑えられるものではないし、夫に関しても、だらしなくしないということは生活にまつわる行動を全て見直さなければならないので、ハードルが高すぎる。

結論から言うと、いまだに私は特に生理前はめちゃくちゃイライラするし、夫も少しは治りましたがだらしないままです。

ではなぜ、ケンカが減ったのか
それはお互い、ちいさな工夫を積み重ねていったからだと考えています。
最小限の努力で、穏やかな暮らしを手に入れたので

そのたくさんのちいさな工夫をたまにこうやって公開していければと思います。

さて、ここでタイトルがやっと出て来ます。

「感情もモノマネできる」

私の周りに、同棲中のカップルが2組ありました。
私は2組ともにそのカップルの女性側と仲が良く、一人は数年前に仲良くなった女の子で、もう一人は一般枠でレッスンを受けに来てくれた生徒の女の子です。
ある日、その生徒さんがレッスン後に渋谷で彼氏と待ち合わせだというので、その子を渋谷まで見送ることにしました。
レッスン場から渋谷まで歩いて10分ほど。彼氏の方から「これから家をでるので20分後くらいに渋谷につきます。」と生徒さんにラインがあったのでその時間に合わせてレッスン場を後にし、渋谷に向かいました。
しかし、待ち合わせ場所に彼氏の姿はありません。しばらく姿を探したのちに、「いないですね、ラインしてみます。」と彼女。すると彼氏から驚くべき返事が。

「今から家でる。」

ええええーーー!うそ、さっき家出るっていったのはなんだったの・・!!ではここから20分待つと言うこと??いってくれたらどこかで時間つぶしたのに!!ロス!!時間の大幅なロスーー!!

っと叫んだのは彼女ではなく私の心でした。
いや、彼女の心の声を代弁したつもりでした。

しかし、当の彼女の反応は「じゃあこの辺で適当に待ちます〜。」
くらいのもの。いたって穏やかなのです。待って待って、これは私が当事者だったら大クレームもの。人の時間をなんだと思っているのか、なんで嘘をついたのか・・と考えれば考えるほどイライラしてしまいます。
私は彼女に尋ねました。「怒らないの??」と。
すると彼女「怒らないですよ〜〜」と一言??なんでだろう、と思いましたが、なんでだか、彼女は怒らないようです。とってもシンプル。怒らないだけです。

そしてもう1組の女子。世間話がてら、同棲について話をしていました。
聞くところによるとそのカップルはケンカをしないのだとか。
はじめは、よくできた彼女だし、よくできた彼氏だな、ウン、羨ましい!
と思って聞いていましたが、よく聞くと生活のだらしなさにおいてはうちの夫と同じくらい。脱いだ服をその辺に放り投げてあって、怒らないの?と聞いたら
「怒らないよ〜〜」と一言。めちゃくちゃシンプル。怒らないだけです。

なんで怒らないの?って言うのはすごく野暮な質問で「怒らない」ことに対する理由はない。
あるもの、起こるものに対しては理由が存在するけど、ないもの、起きないことに対しては理由がないのである。
すごく、哲学的です。

私にとってはカルチャーショック(?)で、まず驚くべきことにイラつかない、怒らないひとは存在するし、そして怒らない理由は、怒らないから。というごくシンプルなものだった。そのため自分がやってみようにも条件がわからないので再現がとても難しい。

そこで、「怒る」という感情と同等の「怒らない」という感情を引っ張り出してきました。「無」を作り出すのだからすごく難しい。
何かを真似ないとどうやっていいかわからない。
そうだ、この二人の感情をモノマネしてみよう。心のうちは覗けないから、想像する。「怒らないという無」を想像で作ってマネしてみよう。
わかりやすく言えば、イライラ事案を夫が巻き起こした時「あの二人だったらどんな感じだろう、あの二人の感情になりきってマネてみよう」という感じです。

結果、これはなんとなくうまくいって、慣れてくるとイラッとし始めた時に勝手に「怒らない女性」のモノマネが発動して、怒らずにいられる、という現象が起き始めました(毎回うまくいくわけじゃない)。
捉えようによっては自分を騙している、本当の自分の声に蓋をしていまってることになるかもしれないけど、私はこれによる新たなストレスは感じなかったし、マイナスな面は何もありませんでした。
ただ、怒らない人はきっと生きやすいだろうな、いいなっていう憧れに近づこうとした結果なのです。

今回は【自分と同じ境遇の時に自分と逆の感情を抱く人の感情ごとモノマネしてみた】という、簡単なようで複雑な話になってしまいましたが、次回はもう少し万人が試しやすそうな感情コントロール術をかけたらなと思います。

個人的には感情モノマネおすすめなんですけどね。


ヲワリ




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