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突然、リーダーと呼ばれて

こんにちは。雨が降って来ました。この時期の雨は辛い。
空気がすでに冷えているのに、そのうえ冷たい水が空から降り注ぐなんて。
せめて地面から湧いて出てくれればいいのに。

今の所、一番みなさんに読んでいただいている記事

の中にもチラッと書いておりますが、7年半アイドルグループの中にいて
そのうち約5年間(ウィキペディア情報)リーダーという立場にありました。
リーダーといえど、これと言った役割はなく、メインの役どころはライブの時やイベントの際など関係者の方がお集まりの時に代表で感謝の辞を述べる人、といったところでしょうか。

私がリーダーになった理由は他でもなく、結成から1年半くらい経った頃に前リーダー加藤 沙耶香さんが卒業したからです。加藤さんの次に年長となる者は私ともう一人いましたが、もう一人は良くも悪くも破天荒なところがあり(芸能人向きということでしょう)、消去法で私が次期リーダーに指名されました。
加藤さんは最年長でかつ芸能経験も他のメンバーよりも豊富という点もありましたが、トークも上手で、発言力もあり士気も高い。まとめ役として適任のキャラクターでした。大雑把にカテゴライズするなら紛れもなく「陽キャ」です。
(すごく堅苦しく加藤さんについて書いてしまいましたが今でもとても仲良しですし、ほんとは「さやねえ」とか「さやちゃん」って呼んでます。)

対して学生時代から「隠キャ」としてしか生活してこなかった私は、まとめ役なんてやって来たことはもちろんありませんでした。
クラスの中心人物たちは生徒会や体育委員会など花形の役職についていましたが、私は大体いつもクラスの花壇にお水をあげたり、金魚に餌をあげる係でした。
大勢の前で発言するのも苦手で、だいたい教室の隅で一人で下敷きを曲げてパユンパユンさせているか、同じにおいのする友達と静かに絵を描いたりおしゃべりをしていました。ただ、明るくてハツラツとした子たちに憧れはずっともっていて、「おとなしいね」って言われることを本気でコンプレックスに感じる幼少期でした。
そんな引っ込み思案系女子が突然、フジテレビなんて超有名民放キー局おかかえ(?)の割と大所帯女性アイドルグループのリーダーを任されたのです。
無理ゲーですよね。発言力の高いまとめ役は元々の性質からして向いていない。
しかし、「リーダー嫌だ!やりたくない!!誰か他の人やって!」と投げ出すほど無責任でもない。

そこで私は思考を巡らせました。
まずは、リーダーとして
①頑張らなくてもできること
②頑張らなくちゃいけないこと
③頑張ってもできないこと

を明確にしました。
リーダーの定義は諸説あるでしょうし、人がそれぞれ思い描く理想のリーダー像も様々だと思います。ゆえに、完璧なリーダーなど存在せず、いろいろな形があって当然なのですが、
リーダーをネットで調べると「ある目的に対して、目標を設定し、その実現のために複数人(組織)の力を引き出しながら課題を克服し、目標の達成に導く人」と出て来ました。
当たり前だけど、大事なのは複数人(組織)というところ。自分以外の人間が複数人集まっているからリーダーというポジションがあるということ。一人でリーダーになろうったってそれは成立しない話です。
んで、自分以外にも人はいっぱいいるぞっていう前提のもと、上記の①②③を考えました。

①頑張らなくてもできること
これは自分の今持っている能力を見直した時に自分一人でもできなおかつ他のメンバーに提供したり場合によっては指導できる、「自分の得意なこと」です。
例えば当時の私の場合は、文章を組み立てたり覚えたりするのは比較的得意だったため、告知するときの文言を考えたり覚えて発表したりすることは特に問題がありませんでしたので、そこはリーダーらしくとりまとめることができそうでした。
また、歌に関してもメンバー内では得意な方ではあったので、歌に関することだったら練習の仕切りをしたりすることはできると考えました。

②頑張らないといけないこと
現段階では難しいけれど、リーダーとしてやっていく上で会得したいこと、頑張れば習得できる「これから自分の得意なことにしていきたいこと」ですかね。
例えば、MC(トーク回し)の時に使う話をふる人の順番に重要なメンバーそれぞれのキャラクターの把握。
最初の2〜3人にフリとして話をきいてパターンが決まって来たところで最後に落としてくれそうな子にふってこちらの読み通りお客さんの笑いが起こるとスムーズに次の話題に進めやすいのですが、実は話題によってフリの子、落としの子が変わって来ます。また、落としが上手な子ばかりに頼るといつも同じ人が喋る構図になってしまうため、いろいろなメンバーの「この子はこういう落としを持っているのか〜」という情報を持っていなくてはいけません。つまり、常にプライベートでのリサーチが必要となって来ます。その情報は私だけではなくて他の仕切れるメンバーにも共有されていた方がよいため、普段円滑にメンバーが話をしておもしろ話が自然に聞きだせる環境を作るのもリーダーとして仕事の一つだと認識していました。
程よい緊張感はとても大事ですが、メンバー同士コミュニケーションが取りやすいように朗らかな空気感を作っていきたいなと考えました。幸いにもメンバーは本当に性格のいい子ばかりだったので、私が特に努力をせずとも常に楽屋は朗らかでしたが・・。

③頑張ってもできないこと
実はリーダーとしてここの認識が一番大切だと思っています。
何もできないリーダーも考えものですが、全て自分でやってしまおうとするリーダーも個人的見解ではよろしくないと思っています。全て自分でできてしまえば組織として動く必要性がないですしね。
大切なのは自分は何が苦手で、その苦手なことが得意なメンバーはだれかを知っておくこと。
例えば、私はダンスがとても苦手です。7年間で多分一番頑張ったのがダンスだったので(笑)さすがに最後の方は人並みには踊れたかもしれませんが、アイドリング!!!発足当初の私は一番簡単な横揺れ2ステップもできないレベルでした。
諦めて投げ出してはいませんでしたが、自分よりも圧倒的に得意な人がいる。それは同期でも後輩でも関係なくです。年上として、先輩として、リーダーとして一番できていて然るべきかもしれませんが、私は張り合いませんでした。笑
入って来たばかりの子にも、練習風景やライブをみていて「んんっ。上手!!」と思ったらすぐに「ここどうやるの」って教えてもらいにいってました。当たり前だけどみんな優しく教えてくれました。(もしかしたら、先輩に教えるなんてやりづらいって思われてたかも。ごめんね!)
人って、自分の得意なことを「上手だね、教えて」って言われて絶対に悪い気しないじゃないですか、むしろ嬉しいじゃないですか。で、もっと頑張ろうってなってパフォーマンスも良くなりますよね。
アイドリング!!!のいいところのひとつはそれぞれの苦手・得意がはっきりわかりやすいところだと思います。一つのショーを創り上げる中で得意なことを得意な人がやる。大勢いるんだから自分は安心して自分の得意を伸ばして、苦手なことは他のメンバーに助けてもらえばいいのです。
大切なのは、自分はこれが苦手だから教えてって素直に言えること、そして失敗してしまってもカバーしてもらえるように普段からコミュニケーションを取り合うことなのです。

となんだか偉そうに語り、私は結局5年間リーダーをやらせてもらって、いいリーダーだったのかよくないリーダーだったのかよくわかりません。まあ賛否両論でしょう。笑
ただ、こんな感じで人にたくさん助けてもらうのが主たる仕事、みたいなリーダーでもいまだに遊んでくれるメンバーがいて、いまとても幸せです。綺麗事じゃなく、みんなのおかげでリーダーなんとかやってこれたなぁって思います。
苦手なこと、引き受けてやってみると人のありがたみがよくわかるなっていう話でした。ちゃんちゃん。


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