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21歳でBBA扱いされるとヒト♀はどうなるのか

マインドコントロールで人は老ける

みなさんは21歳と聞いて、どう感じますか?
遠藤 舞、現在31歳ですが、私から見て21歳は紛れもなく「若い」です。

とはいえ5歳児から見たら、結構な大人ですね。
中高生なんかから見ても、教育実習生がそれくらいの歳だったでしょうから、今振り返ると卵とはいえ「先生」。それなりに大人に感じていたかもしれません。

○歳という年齢に対して、若いと感じるのか、年老いていると感じるのかはその時の自分の年齢やコミュニティの年齢も関係してくるとは思います。

もう一度21歳という年齢にフォーカスを当ててみましょう。
人生80歳まで生きたとして約4分の1、折り返しの折り返し地点。
私のような高卒でも社会人3年目、4年制の大学に行っていたらまだ卒業していません。学生さん、まだ社会に出ずにお勉強をしている時期なのです。

肉体的に言っても、肌はピチピチ。レッスンに来てくれている生徒さんで21歳の女の子もいますが、それはもう透き通るようなお肌で毛穴もシミもシワもありません。髪もツヤツヤで、お腹には贅肉がありません。白目や歯だってキラキラ綺麗。若作りなんて一切いらない、正真正銘の若々しさで活気に満ち溢れています。

言動にもまだあどけなさが残り、まだ失敗が許される。
ティーンを卒業し、体は大人になり体力に溢れ、ある程度責任と自由は得たとは言えモラトリアムの尻尾を引きずっているおトクな時期でもあります。

残念ながら日本からは先日撤退してしまいましたが、上陸当時は大いに話題になったファストファッションブランド「FOREVER 21」は【人生で最も輝く21歳の心を永遠に】という思いの元、オープンされたそうな。

私にも10年前、そんな時期がありました。
21歳の私は、アイドルグループのリーダーに就任しており、最年長でした。
アイドリング!!!の平均年齢はその時17歳くらいだったと思います。
当時「ときめきアイドリング!!!」というグループ内ユニットが結成されたのですが、その時の衣装が結構リアルに近い学生服。私以外みんな現役の中高生で、自分だけコスプレ感が否めず、周りからも突っ込まれていました。
いわゆる、ババアいじりです。

また、時期を遡ってアイドリング!!!発足時の話。
初代リーダーそして最年長の加藤さん(noteで出てくるの2回目さやねぇ)は当時21歳でした。可愛いし喋れるしで年齢以外弱点(?)がなかったからなのか、まあババアいじりがすごかった。(とはいえ当時私も面白半分でババアいじりしてしまってた。ごめんよ・・。)

人とは不思議なもので、周りから「ババア、ババア」と言われると、本当に「自分はもう若くないから肌に張りがないんだ」とか「ババアになってしまったから体力がない・・」「ババアだからババア然として粛々と過ごさねば」「21歳ババアはミニスカート履けない」とかありえないマインドコントロールをされていくんですよね。で、ますますババア感が出てくる。魔のBBAループに突入します。
ババアじゃないのにババアになる、不思議な歪みが生じてくるのです。

これが普通の会社だったりすると、21歳なんてヒヨッコのピチピチ新人扱いでババア扱いされるのはもっと歳をとって本当に体にガタが来始めた頃になるのですが、
アイドルだと先述のように平均年齢が平気で十代だったりするので、ババアとして扱われ始める年齢があまりにも若すぎる。
まだ肌は張りまくり、体力も絶頂、ミニスカート適齢期なのにも関わらず、属している集団の平均年齢、比較対象(一緒に活動している女の子)が若いすぎるせいで、大型アパレルメーカーも「人生で最も輝くよ!!」と謳う輝ける21歳という歳を「もう若くない・・」となんとなくドンヨリと過ごしてしまうのです。
そして一歩外に出て同級生に会うと、若いねぇ〜ってチヤホヤされるとのエピソードを聞いて「そうだ!私ってもう21じゃなくって、まだ21じゃん!若いじゃん!」と自信を取り戻してゆき、次の日自分の職場に戻り再びババア扱いを受け、すぐにババアマインドに切り替わってしまう、これの繰り返しでした。

ババアという呼び方について

私自身は年齢を重ねることに肯定的ですし、綺麗にお歳を重ねた女性を見ると、こういう風になりたいなぁと思います。
人生経験が多くなるが故の大人の余裕や、ちょっとやそっとのことではたじろがない落ち着きも魅力的です。素敵に成熟された女性を見て決してババアなんて単語は思いつきません。

かといってババアという呼び方が蔑称のみでの扱いなのかと言われると、極めてそれには近いけれどもそうとも言い切れないところがあり、ある意味では愛称とも取れるのかもしれません。まあこれは呼び手と受け取り手の信頼関係によるところが大きいのではないでしょうか。大体の女性はババアと呼ばれていい気しないと思います。
身内で、信頼関係も深く構築された上(例えば私たちだとバカリズム升野さんとメンバー)での「ババア」はキャラクターとしての愛称としての呼び方だと認知できますが、それをファンの人がよかれと思ってというか、同じように愛称として、親しみを込めてババアと呼ぶことに関しては残念ながらギリギリな気がします。許せる子とそうでない子が別れてくるラインだと思うのです。
SNSのように顔の見えない人から多数の声が聞こえるところで、無数の「ババア」という文字を見たら滅入ってしまいます。
別にこれはババアに限ったことではなく、ぽっちゃりしていることをキャラクターとして捉え、呼び手は好意的に発しているつもりの「ブタちゃん」のような言葉を、たくさん投げかけられて傷ついて泣き出してしまった女の子も見たことがあります。「ブタちゃん」と彼女に投げかけていたファンの人はアンチでもなく、皆さん笑顔で彼女に話しかけていました。それでも、人の心は傷ついてしまうのです。
愛称として、アイドルのことを応援していて、愛おしいと思っているから親しみを込めて「ババア」「ブタ」と呼んでいるんだ。たとえそのような理由があったとしても、蔑称とされがちな言葉で人を呼ぶのはリスクが高い行為と言えます。

そもそも、ババアに限らず年齢に対する弄りは、弄る方にもデメリットがあります。「ババア」よりも年齢が若ければ、数年後、数十年後にその蔑称は自分にも該当してしまいます。昔投げたブーメランが時を経て、投げた事を忘れかけた頃に自分にブッ刺さるのです。そしてそもそも「ババア」よりも歳上の場合も「じゃあ自分はどうなの?」という目で見られるだけです。


特にアイドルが若年齢でババアと呼ばれてしまう理由

これは年齢に関係ないと思っています。たとえアイドリング!!!の中でいつも大体平均年齢となっていた、17歳という年齢に関しても、いざつまみ上げられ平均年齢12歳のアイドルグループの中に放り投げられたら最年長、ババア扱いです。

これは日本のアイドル特有で、なおかつ最近はその風潮も薄れて来ている感じは少しあるのですが、アイドルに対して「ヴァージニティ:処女性」を重要視する節があることが関係しているのではないかなと思っております。

黒髪だったのに茶・金髪にしてきたり、ピアスを開けたり、男性スキャンダルが出ると叩くファンがいるのはこれらの事象によってそのアイドルの処女性が失われるからというのも大きな原因ではないでしょうか。

ネット掲示板をのぞくと「〇〇ちゃんは▲▲だから非処女認定」みたいな書き込み、結構見たことがあります。先日ピルについてまだ世間の誤解があるよねっていう記事を書きましたが、アイドルがピルを飲んでいるなんて言おうもんなら、やれ非処女だやれヤリマンだなど騒がれるのです。性経験がなくてもピルは飲めるし、飲むメリットもあるのにです。

処女だ非処女だなんて確かめようのないことで騒いでも・・とは思いますが、アイドルに純潔が求められるのは仕方のないことのようです。

そしてその純潔性は当然年齢を重ねると失われていきます。
それ故にグループの中で一番歳を重ねているという理由だけで純潔性の薄れを指摘され、必要以上にババア扱いされて蔑まれてしまうというのも、若さを売りにした女性アイドルならではの悲しい現実なのではと思います。

歳をとってもババアと言われたらは傷つくんだから若い時に言われるババアは致命傷

私はアイドルを辞めてから全然ババアと言われなくなりました。不思議ですね、今の方が歳をとっているのに、お若いですねと言われることもたまにあるのですよ。笑
10年前の私は今の私から見てすごく若かったです。けど、このコミュニティの中では最年長だから、ババアと呼ばれるから、とセルフマインドコントロールをして、必要以上に自分は歳をとっていると思い込んでいました。
いま思うと、21歳!まだまだ若いからピチピチはじけよー☆ってなっておけばよかったです。

これは女性アイドルにおける落とし穴であり、さらに怖いのは今もなおこの世に生まれ続けている無数のアイドルグループの数だけ最年長がいるということなのです。

私はこのポジション、キャラクターとして扱われる「ババア」や「ブタちゃん」のような言葉は大いに危険性をはらんでいると考えています。

年齢や容姿で人を笑ったり、面白がったりする時代ではなくなってきています。
私自身も、人に投げかける言葉について今一度よーく考えるべきだと思いました。




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