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喉が痛い時のボイトレ(息の支え編)

前回に引き続き、喉が痛い時、もしくは声が出せない状況でのボイトレをご紹介いたします。
今回は【息の支え編】です!
リズムの練習はこれの前の記事にありますのでご興味ある方はどうぞ。
今回説明が長いので、そんなのは要らん!練習だけ教えて!という方は
目次で飛んでください。

息の支えの練習の説明


呼吸に関しては諸説あったりしますが、今回はシンプルに「一気に息を
吐いちゃわない練習」です。
ロングトーンがを長く持たせるため、ハリのある声を作るために『肺活量』はそこまで関係がないという実験の記録を見たことがあります。
【肺活量が多い歌素人】と【肺活量が少ないプロのオペラ歌手】にロングトーンを出してもらって、声の持続時間をはかり、その時の身体の様子をレントゲンで撮影した実験でした。
まず声の持続時間ですが、あたりまえのように【肺活量が少ないプロのオペラ歌手】の勝利でした。
次にその時の身体の様子をレントゲンで撮った結果ですが、声を出し始めてからだし終わるまでの、横隔膜の上昇のスピードに違いがでました。
横隔膜は吸気時に下がり(扁平になり)、呼気時に上昇(ドーム状に戻る)します。
【肺活量の多い歌素人】は呼気=発声が始まるとすぐに横隔膜が上昇し、あっというまに息を使い切ってしまいました。つまり一気に息を吐いちゃったということ。
【肺活量が少ないオペラ歌手】は呼気=発声が始まっても横隔膜がなかなか上昇せず、上昇の仕方もゆっくりで息を最小限に使って発声していることがわかりました。
横隔膜が下方にある時は、横隔膜自体が収縮(筋肉を使っている)ということ。
つまり、体感としては多少なりとも踏ん張っているということになります。
オペラ歌手のような大きく艶やかな声や安定したロングトーンには多大な肺活量が必須というわけでもなく(多い方がいいとは思うけど)、息の使い方や声帯の使い方の方が重要なのですね。
息の支えというのは横隔膜の上昇のスピードをコントロールすることが大切だといえそうです。


補足ですが、アイドルに関しては歌いながら踊るという特殊な歌唱条件のため、安静時の歌唱よりやはり肺活量が欲しいところではあります。とはいえ肺活量の決定の多くは胸郭の大きさ、つまり体格に依存してしまうため、胸郭や横隔膜を最大限まで動かせるようにするトレーニングしたからといって華奢なアイドルさんが水泳選手のような肺活量を得られるかと言われると難しいと思います。(フリーダイビングをやっていた人が無理やり空気を吸うトレーニングをして肺活量が増えたというのも見たことはありますが。。)
なので肺活量の向上を目指しながらも、体内に酸素が足りない=二酸化炭素が多いという状態に身体が慣れていくために走り込みなどの有酸素運動を適宜やろうねという話はしております。


息の支えの練習実践


ではいよいよ息の支えの練習を実践していきましょう。
息の支えというのは横隔膜の上昇のスピードのコントロールだよと説明部分で書きましたが、それってどういう感覚なんだろうというのをまずは体験してみましょう。

ろっこつ(あばら骨)に手のひらを当てて手のひらを押し出すように息をめいっぱい吸ってください。

そしたらそこで息を止めてください。この時喉で「うっ」と息を止める感じではなく、体を使って息を止める感じです。
すると身体の中(お腹や背中や感覚様々)で何かが「内側→外側」もしくは下方へ踏ん張っている感覚がありませんでしょうか。
このあと息を一気に吐くとその踏ん張りが解け力が抜けて、今度は逆に「外側→内側」もしくは上方へ素早く戻ると思います。

今度はこの踏ん張りを程よくキープしながら(ガチガチに力を入れてしまうとそれはそれで不自由)口から細くて長い息を「フーーーーーーーーーーーー」と吐いてみましょう。まずは10秒吐き続けられるか実験。まだまだいけるとなったら15秒、20秒と秒数を増やしていくといいと思います。
息のみ細く吐くのに慣れてきたら今度は声を出します。「ウーーーーーーー」でも「アーーーーーーー」でもいいのでできるだけ長く。さっきの程よく踏ん張っている感を保ちながらロングトーンができると成功です。
(この時声質が息漏れ声すぎるとおそらくすぐ終わってしまうので、声質のコントロールもかなり重要。)

これもだいぶ長くできるようになったよーという方は、今度は息を細切れに
鋭く出すスタッカートにもチャレンジしてみましょう。
歯の隙間から「スッスッスッスッスッ」という音をできるだけ歯切れよく出す感じですね。
先ほどに比べ息を吐き出す量は増えますが、これも一気に吐きすぎずできるだけ長く連続で言えるように、そして肩など身体がバインバイン動きすぎないように注意してやってください。

くれぐれも酸欠注意で!体調が悪い時はまず身体を休めることを優先しましょう。
お読みくださりありがとうございました。




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