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【連載小説】一途な気持ち 4話 誕生日のお祝い

#一途な気持ち

 律子にメニュー表を先に渡された。
「先に選んで」
「サンキュ!」
 メニュー表を見て、俺はハンバーグとソフトドリンク飲み放題を選んだ。
「俺、決まったから」
 そう言って彼女にメニュー表を渡した。
「ありがと」
 律子は迷っている様子。俺は話しかけた。
「食べてないメニューあるのか?」
「うん、あるよ」
「じゃあ、それにしたらは?」
「うーん、そうねえ。唐揚げとライスにしようかな。それと、スープ飲み放題」
 決まったので彼女は赤いボタンを押した。ピンポーンと鳴った。
「ただいま参りまーす!」
 ウェートレスは足早にやって来た。
「お待たせいたしました」
 言いながら伝票とボールペンを用意した。
「俺は俵ハンバーグと、ソフトドリンク飲み放題。彼女は唐揚げとライス」
 ウェートレスに伝えた。
うけたまわりました」
 お辞儀をして失礼しますと言いながらこの場を去って行った。

「俺は律子に訊いた。ジュース何も言わずに持ってきていいのか?」
「うん、いいよ。わたしもスープ持って来る」
 彼女は立ち上がり、歩き出した。俺はその後を着いていった。
 行ってみるとスープコーナーの隣にソフトドリンクコーナーがあった。俺はこうなってるんだ、と思った。カルピスをプラスチックのコップに注ぎ、氷を入れた。彼女もカップにスープをついでいた。なんていうスープだろうと思い、戻る時見ると、ミネストローネスープと表示されていた。

 こういう上品な店には来ない。ほとんどラーメン屋か焼肉屋とかだ。たまに友達と行ったり、弟とも行ったりする。律子とはそのような店には行かない。ラーメンのスープが服に飛んで汚しても嫌だし。でも、律子はラーメンや焼肉屋は好きなのだろうか? 訊いてみよう。
「律子」
「ん?」
「律子はラーメン屋や焼肉屋に行きたいと思うか?」
「うーん、好きだけどスープが服に飛んだりしないかな」
 やっぱそこだよな。
「飛ぶと思う。俺としては一緒に行きたいけど、無理にとは言わないよ」
「今度、少しくらい汚れてもいい服を着て行きたいな」
「わかった、今度誘うわ」

 15分くらいしてカートで注文したものを運んできてくれた。ウェートレスは言った。
「俵ハンバーグのお客様」
「俺」
 そう言うと、目の前にハンバーグとライスを置いてくれた。残りの唐揚げとライスは律子の前に置かれた。そしてウェートレスは言った。
「ごゆっくりどうぞ」

 俺は一口食べてみた。うん! 旨い! 彼女はこんな旨い店にたまに来ていたとは、知らなかった。
「今度、俺もこのレストランにまた来たいから誘ってくれ。友達のいない時に」
「わかったよ」
 
 俺はカルピスを飲みながらハンバーグを食べ、ライスも食べた。すると律子は、
「ジュース飲みながらご飯食べるって子どもみたい」
 と、笑いながら言った。
「おいおい、そういうこと言うなよ。ただ、単にジュース飲むタイミングを失っただけだ」
「そっか」
 と、言いながら律子は笑っている。因みに律子はスープを飲みながらご飯を食べている。子どものようではない。

                             つづく……

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