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【連載小説】一途な気持ち 10話 久しぶりの再会の約束

#一途な気持ち #久しぶりの再会の約束

 今は夏で農家にとって繁忙期。だから、親父をみる余裕がない。トマトや米作りは僕が海外で習ったようにやることにした。コンバインは隣家の人に頼んだがあまりいい顔はしていなかった。お互い忙しいから尚更だろう。ということで家族会議で残念だが親父は入院していてもらうことになった。その話を主治医に話さなければならないので、少し仕事を早く切り上げて病院
に行かなければならない。16時30分に家を出て17時前に医師と話せるよう電話をしてアポをとらないと。それを母親に頼んだ。俺はすぐに仕事に取りかからなければいけないから。

 親父が病院にいてくれれば、容態が急変しても大丈夫だ。

 田下律子ともしばらく会っていないから会いたい。夜にでも。俺も律子の父が亡くなったから、線香の1本でもあげに行きたい。彼女は彼女で大変だと思う。仕事はきついし、父は亡くなるしで。

 今は昼の12時過ぎ。律子にメールを送ろうとスマートフォンをテーブルの上から手を伸ばして取った。早速、メールを打った。彼女も昼休み中だから多分、すぐにメールを返してくれると思う。
<オスッ! 久しぶり!! 元気か? 今夜辺り会わないか?>
 予想通り律子からはすぐにメールがきた。
<久しぶりだね。わたしは元気だよー。今夜、会おうか。明日、わたし休みなのさ。だから、わたしはゆっくりできるけど、大輔はゆっくりできないよね?>
 休みなのか、いいなー! と思いつつ、メールを打った。
<それならお互い疲れてるだろうし、ゆっくりしたいからラブホテルに行かないか?>
躊躇ちゅうちょしているのかな、メールはすぐに返ってこない。
 そして、30分くらい経過してからメールがきた。大丈夫なのだろうか。すぐにメールを開いた。
<ラブホテルね。それでもいいよー、ゆっくりできるし思い切り愛してね>
 なかなか大胆な言葉を使うんだな。でも、俺には嬉しい話だ。
<わかったよ、思い切りな! また行ける時にメールくれ>

 時刻は13時を過ぎて律子からのメールも途絶えた。仕事をしに行ったのだろう。俺は14時まで休憩なので、居間に横になり14時まで昼寝をする。夏場はいつも昼寝をする。そうじゃないと体がもたない。

 母が親父の入院する病院にアポをとるために電話をしたら、17時にくるのでは時間がないから、16時30分頃来るように言われたらしい。仕方ない、主治医の都合に合わせなければいけないだろう。

                             つづく……

 

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