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ダンボールから考える、レンタルサービスのUX最適化

初めての投稿になります。
レンティオ株式会社の遠藤です。
主に弊社ロジステック部門の課題・問題解決後のアウトプット用にnoteを開設いたしました。


レンティオのご紹介

私が勤めているレンティオ株式会社では、カメラ・家電のレンタルサービスを行なっております。
取り扱い製品数は3,000種類以上で、撮影当日だけカメラが借りたい!といったワンショットのレンタル
購入予定の製品をまずは試してみたい!といったお試しレンタルの需要などで幅広い層のお客様からご利用いただいています。

創業当初はカメラ類が主軸のラインナップでしたが
昨今のコロナウイルスの影響で、在宅ワークや巣ごもり時に使用する家電の需要が非常に増え、現在はロボット掃除機・キッチン家電・美容家電の需要が格段に高まっています。

『レンタルを感動するほどカンタンに』


弊社では、サイト上でのUIの利便性はもちろん、返却時に必要な返却伝票や、ダンボールを止めるテープを一緒に同梱し、注文・返送におけるわずらわしさを極力減らす取り組みをしています。

お試しいただいた製品の評価はもちろんですが
レンティオが展開しているサービスに魅力を感じていただくことに、なにより力を入れています。(そしてお客様に喜んでいただけたらスタッフはそれ以上に喜びます)

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注文数の増加で見えてきた物流面での課題

おかげさまでご注文が増えていく一方、レンタルサービスという特性上、物流面での課題も浮き彫りになってきました。現在私が直面している大きな課題は3点あります。

①返却時、お客様が製品を箱に戻す難しさ
②資材の耐久性
③配送コスト


①返却時、製品を箱に戻す難しさ
製品によっては、一度箱から出すと元に戻すのが難しいタイプの化粧箱があったりします。

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こちらは一例ですが、ダイソン様の掃除機のダンボールの画像です。
こちらのモデルの化粧箱は、箱を開いた時の感動が本当に素晴らしいです・・すべての仕切りがぴっちり当てはまり、男心をくすぐるニクイ演出ともいえますし、なにより運搬時に隙間がほぼないので安全に輸送できます。しかし、販売ベースで設計されている化粧箱は、仕切りの数が多く、安全輸送のために構造が複雑だったりします。

実際に「製品は素晴らしいが、返送時に箱に戻せなくて困った」といったお声も頂戴しており、結果的にサービスに対するUXは下がってしまいます。

********〔実際のレビュー〕********

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②資材の耐久性

数多くの製品が、お客様のご自宅とレンティオの行き来を繰り返します。(人気の製品なら尚のことです)
もちろん梱包はしていますが、運搬時の衝撃や製品の出し入れで徐々に製品の箱にもダメージが蓄積されていき、結果使えなくなってしまうケースもあり、代用のダンボールの作成が必須となってきます。

③配送コスト
レンティオでは基本、往復送料は会社負担にしています。往復送料が発生するレンタルサービスでは、当然大きな製品ほど配送コストがかさんでしまいますので、ダンボールのサイズは極力小さいものが好ましいです。

どの課題も、往復で荷動きが生じるレンタル特有の課題です。


課題解決に取り組んだこと

まず、返送時の梱包のしやすさに対してのアプローチとして
レンティオでは返送・簡易構造に特化したオリジナルダンボールの作成を促進しています。

現在企画制作しているダンボールの1例として
iRobot様専用ダンボールと、ダイソン様専用ダンボールがあります。


iRobot様専用ダンボール
▼2枚のシンプルな構造。オリジナルの仕切りダンボールを作成し、
出荷時の組み上げ時間のロスを大幅に短縮することに成功。
また、仕切りの大きさが本体・パーツとリンクしているため
お客様は非常に簡単に返送の準備が可能となりました。

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▼before

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▼after

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ダイソン様専用ダンボール
▼こちらも、外箱とワンタッチ組み上げ式の仕切りの2層構造。
出荷時の組み上げ時間の短縮はもちろん、返送時のお客様負担も最小限に抑えることができました。

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▼before

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▼after

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またいずれのダンボールも、化粧箱→オリジナルダンボールに入れ替えた際
1サイズダンボールが小さくなっており、レンタルサービス特有の往復送料も抑えることに成功しています。
具体的に、iRobot様ダンボールは約500円、ダイソン様ダンボールは約1,000円の配送料削減に繋がりました。

構造設計に関しましては、レンティオが普段からお世話になっているダンボールワン様が親身に相談にのってくださり
安全性・利便性はもちろん、配送料金面も考慮し作成にご協力いただいています。日々頭が下がる思いです・・・!


最後に資材の耐久性ですが、ひとえにダンボールといえど、その素材の種類は数えきれない程多く、製品に適した厚み・材質の組み合わせで安全性の確保はもちろん、組み合わせ次第で1枚当たりの単価を抑える事ができます

レンティオには高重量も多く取り扱っていますので、最適な種類のダンボールの選定に日々取り組んでいます。

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▲冬場直前に出荷のピークを迎えるヒーター類。本体は非常に重く、数回の往復で新品時のダンボールが使えなくなってしまうことがほとんどです。
特注のダンボールと、キャスターを安全に保護する緩衝材の選定を行いました。

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▲上が軽量の美容品などを入れる3mm幅のダンボールで、
下が特注の5mm幅で、尚且つ強化素材で耐久性に特化したヒーター用ダンボール。見比べると一目瞭然です。
レンティオでは傷んだダンボールは入れ替え、安全性・清潔感を大切に配送を行っています。


レンタルという体験の垣根を低くし、繰り返し利用したいと感じていただくために

冒頭にご説明した通り、レンティオではメーカー様のご協力もあり、素晴らしい商品を数多く取り揃えています。
しかし、レンティオがお客様に直接提供しているものは製品ではなく、レンタルサービスという体験です。
借りやすいだけでなく、返しやすいにも拘りたいと考えています。

「買う」「買わない」の間の「レンタル」という選択肢は、世の中に徐々に浸透していますが、まだその垣根を高く感じている人も多いはずです。

今回ご紹介した物流面の施策はごく1部ですが、こういった地道なダンボール箱の改善でユーザー満足度と配送料削減に取り組み続けていきます。


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