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「我が愛しの侵略者」が完結しました(※ネタバレありの解説文)。

 正解は誰も知らないNo one know

 note創作大賞2023の恋愛小説部門に応募している「我が愛しの侵略者」が完結しました。わーいわーい。思うに、ジャンル分けの中でも〝恋愛小説〟だとか〝ラブコメ〟だとかって、結局のところ男女の馴れ初めからあれそれを描いて、紆余曲折あったのちに「二人は幸せなキスをしてハッピーエンド」になるわけじゃないですか。いやまあ、結ばれないこともあるかもしれませんが。ある意味、縛りプレイみたいなところありますよね。


 ――だから、こうなるのも当然の帰結だよな?


 小説投稿サイトカクヨムで、作品を完結させるたびに「隙あらば自作品語り」略して隙自語を書いているんですが、今回はnote特別編としてナンバリングは無しで書いていきます。あちらで毎度書いている注意書きをここにも明記しておきますが、言葉って受け取り手次第なので、作者がここで何を言っていようとも気にしないでください。読んで素直に感じ取ったものを曲げなくてもいいんです。曲げなくてもいいのでこっそりと自分に教えてもらえると嬉しいです。感想お待ちしています。

 ヘッダー画像は、作品のヘッダーとして使用していたものの加工前のものです。 もちもちのモアちゃん可愛い。

 カクヨムコン8にお出しした『One-Sided Game』は大好評いただきまして、星の数は327(2023/07/07現在)今や秋乃晃の代表作の座をほしいままとしているわけなのですが、その皆様に支持されている長編を今回はnote創作大賞の部門に合わせて〝恋愛小説〟に路線変更したのが「我が愛しの侵略者」です。ファンタジー部門も視野に入れましたが、応募要項を見る限り、ちょっと求められているものと違いそうな気がしました。ファンタジーにもいろいろありますが、求められているものは『指輪物語』に類する西洋のハイファンタジーではないでしょうか。誤読はあるやもしれません。『One-Sided Game』はカクヨムのジャンル分けだと〝SF〟に入れています。宇宙からの侵略者とのラブコメディなので……。どう転がしても西洋っぽい世界観のハイファンタジーにはならないので、主人公の参宮拓三と侵略者アンゴルモアとの恋愛を主軸に持ってきて、恋愛小説部門に殴り込みました。


 全10話としたのは、note創作大賞の一次選考が読者選考方式だからです。読了率が勘案されるっぽいので、あんまり長々と続けると離脱率も高まってしまう可能性ありますしね。上限は14万文字以内と応募要項にはありますが、今回3万文字ほどにまとめました。めちゃくちゃ読みやすい分量になったと思います。その分、『One-Sided Game』から削除しないといけない要素がたくさんありましたが、この変更点については『One-Sided Game』のネタバレにもなるのでカクヨムのほうで語ります。こっちでは「我が愛しの侵略者」での要素についてのみお話ししていきたい。


 まずはタイトルの話をしましょう。「我が」はがでタクミ視点、われがでモアちゃん視点、と解釈できるようにしました。『Game』の文字がタイトルから外れたのは、今回が本当の意味での終着点としたかったからです。もう『Game』のようなやり直しはないんだぞ、という意気込みです。参宮拓三とアンゴルモアの二人の物語は『Zero-Sum Game supported by TGX』のSeasonYに始まり『One-Sided Game』を経て、ようやく同じ未来を向いて歩いていく。

 アンゴルモアに関しては『One-Sided Game』の連載時に、案外知られていないというか、ピンときていない読者の方が散見された(おそらくはみなさんお若いんだろう)ので、第2話にかの有名なノストラダムスの大予言を引用しています。これが前提知識にないと、モアちゃんが侵略がどうのって言っているだけのただの電波で痛い女さんみたいな読み味になってしまう……。


 宇宙の果てからの侵略者にして、タコさん、本作ヒロインのアンゴルモアについて先にお話ししましょう。主人公より先に。ヒロインはとにかく可愛くあってほしいので、いかに読者に「可愛い!」と思ってもらえるかを考えながら書きました。可愛いでしょ。姿かたちは自在に変えられます。髪の毛伸ばしたように。真尋さんのおべべを着こなせたのも(ユニちゃんと真尋さんとだと体型似ているとはいえ)目に見えないところで微調整していたのではないか。古着だし。


 タクミと結ばれるのが当たり前だと思っているので、第9話で指輪をプレゼントされるシーンでは「ありがとう」とは言っていません。おばあさまから聞いたのではなく、心を読んでいて、早く渡さないかなそわそわと思っています。バイトに始めるのを止めなかったのも、タクミが我のために働いてくれるなんて嬉しいぞ! ってな感じです。全部バレてるんですよね。

 これは恋愛小説なので、本編としては第9話で完結です。内容的にはそうです。第10話は真相解明編としています。真実を知ったタクミが、それでもモアちゃんの手を取って、新しい〝家族〟として生きていく。主軸は恋愛だけど、恋愛の先にあるものって家庭だと思うので、そういうオチになりました。

 モニョる人はいると思います。自分もそうです(?)。因果応報といいますか、悪いことをしたら自分に跳ね返ってきてほしい。でも本人「良かれと思って」やっていて、実際によい結果をもたらしてはいるので、その辺の匙加減はタクミが決めてくれ。お前は被害者なんだ。被害者なんだけど、加害者を許せるかどうかは第三者が決めることではないのでね。


 主人公の参宮拓三。18歳の大学一年生。『One-Sided Game』では23歳です。この年齢変更により、使いまわせないシーンができてしまいました。スマホの契約シーンです。未成年は親権者の同意がないとダメなので、おばあさまとモアちゃんと三人でお出かけのシーンになりました。それ以外は、2018年に変えたぶん、上野の街の様子も違っているので、それを反映させるのは楽しかったです。こういう時代考証といいますか、現代日本を舞台にしているのだから忠実にその時のその世界を文章に残していきたいんですよね。これは書き手によると思いますが、自分はそうしていきたいのでそうしています。


 大学生ファッションがわからないので、まこちーさんにヘッダーイラストを依頼するときに大学生ファッションを見まくりました。どれもピンと来なかった(失礼)。でもまあ、大体の方向性は掴めたので、灰色のジャケットを着せました。 モアちゃんはエミキュのワンピースです。さっき時代考証がどうのって書いたんですが、ここだけの話、モアちゃんの着ているドーナツ柄のワンピースは2018年には発売されてません。でもユニちゃんとの関連性を鑑みるとどうしてもドーナツ柄にしたかったんだよ!


 というわけでユニちゃんの話をします。弐瓶柚二准教授。チョロインっぽさと大人気なさ、幼さがありながら、年上のおねーさんポジション。今回のユニちゃんは善き助言者。人は見た目が9割だけど中身が残念なこともあって、と同じ見た目であるモアちゃんとの人となりの差を出したかったので、本編に絡んできました。

 ショートボブに149cmでHカップのロリ巨乳キャラ。私服は地雷系ファッションだといいな……厚底シューズを履いてほしいんだよな……。クリスピークリームドーナツのオリジナルグレーズドが大好きなので、登場シーンでは絶対に持たせようと思っていました。完全に趣味が詰まったキャラクターですね。ブイブイ!


 英伍さんの話もしましょう。五代英伍さん。参宮拓三の義理の兄という絶妙なポジションのせいで、立ち回りが厳しくなってしまった男。拓三を心配する気持ちは本物なのになあ。りくろーおじさんのチーズケーキ、めっちゃ食べたい。


 あとはフランソワですね。今回は第1話の回想シーンからの登場でした。タクミに質問されてすぐには答えられずに、スマホをポチポチして隼人(タクミの父)に訊ね、夕飯時に答えています。頻繁に隼人とはメッセージをやり取りしていて、だからこそ死後に隼人のスマホが見つからないんですね。芋蔓式にフランソワの存在がバレても困るし。モアちゃん的には秘匿情報にしておきたかった部分(ここぞの場面でタクミに教えたかったところ)。隼人も黙っておきたかったんだろうなのところ。弁当を忘れて水族館に届けに行ったのもフランソワのほうです。モアちゃんと同族の宇宙人なので、水族館が物珍しくて遠足に混じってでも見ています。可愛いね。フランソワとても可愛い。名前の由来は、ノストラダムスの大予言の『アンゴルモア』の部分の解釈の一つであるフランソワ1世からとっています。


 何度も書いたように〝恋愛小説〟なので、参宮拓三とアンゴルモアがハッピーエンドならそれでOKだと思っています。周りがなんと言おうとも、二人の人生は二人のものなので。血のつながりではなく、いかに相手を思いやれるかどうか。血のつながった共同体としての〝家族〟から解き放たれる物語、ということでお願いします。以上!

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