たべものシリーズ 小西英子さんの絵本のおはなし



4/23開催。
絵本のおはなし会の記録です。

毎月1回、絵本講座であり談義であるおはなし会を開催しています。

今回は小西英子さんを追悼する、小西英子さん絵本特集でした。

小西英子さんといえば、福音館書店さんからのおいしい絵本シリーズ。
サンドイッチサンドイッチ、おべんとう、のりまきなど、独自の目線で描かれていく絵本。

最初は「ケーキ」のおはなしから。
ケーキ…2020.福音館書店月刊絵本年少版にて発行。ハードカバーにはなっていません。

練りに練られた構図であり、やっていることしか描かれていません。
背景も、手も描かれていません。
見切られ方は、読み手が、持つ空想ができるように。
音の擬音は、自分が料理をしている描き方。
絵の質感の出し方、小西さんこだわりの色どり。
最後のことばは、「できあがり」のみ。
おいしいもありません。
でも、自然に「おいしそう!食べたい!」と口からでてしまうんです。

なにをいれて、なにをいれないか。
あえて"いれない"ことで、想像力を掻き立てられるんだなぁ。

こどもたちとのコミニュケーションにもなり、そこから、こどもたちの発達も見えるという、すごい絵本。

ハードカバーになる日を楽しみにしています!


次のおはなしは「のりまき」
簀巻きは5枚買い、見定めたという裏話。
簀巻きは高価なものをモデルにし描いたらしいですが、対して"のり"は庶民的なお値段ののりをモデルにしたそうです。
こちらもいろんな裏話がありました。
"のりまき"あそびにつながる絵本です!


サンドイッチサンドイッチ
リズム感があり、歌になりそう。
口ずさみながらあそぶ、絵本がみじかにあるこどもたちのよく見る風景をつくりだしてくれる絵本。



絵本シリーズの最初の作品は、サンドイッチサンドイッチで、当時、小西英子さんのような描き方はあるようでなかったといいます。

自分が(読み手聞き手)がつくっている気分になるおはなし。
いつも台所にある食材がダイナミックで躍動感を感じさせます。

なのに、シンプル。
絵も言葉も、選び抜かれたもの。

絵を見ただけで音が聞こえる、香りがしてくる。さらに、よだれがでてくる人もいるかもしれない。

想像の中で五感を体感する絵本です。

言葉がシンプルだから、聞き手が想像する。

絵は日常と理想のはざまを演出していて、そこが身近に感じ、奥深さもでてきます。

小西さんの、こどもに寄せる作品づくり。


わたしは、「みやこのいちにち」という絵本がこどもが好きでよく読み、自分も大好きになりました。
「みやこのいちにち」はものがたりで、たべものの絵本ではありません。

でも、でてくるおまんじゅうがおいしそう!
たぬきちがかっこよい!

とてもすてきなおはなしなので、みやこのいちにちも、ぜひ読んでみてください😊


絵本を読んだだけではわからない、絵本作りのおはなしに触れた、ほんとうにおもしろい会でした。

絵本作りのおはなしをきくと、作家さんを身近に感じます。
そしてより作品がおもしろく、愛しくなります。
たくさんの方に、こういうお話をきいてもらえたら、もっともっと絵本を楽しめるのかなぁ。

小西さんの新しい作品がもう読めないのかと思うと、残念でなりません。

これからもたくさんの子どもたちに読み継がれていきますように…。

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