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誰だって好きだと言われたら嬉しいはず。
「好かれて嫌な思いをする」ことはありえない。
「そんな奴に好きと言われても嬉しくはならない」はあるかもしれないけれど、でも預かり知らぬところで勝手に高評価をつけられるだけならなにも嫌悪まで感じることはないだろう。「そんな奴」の好意に「立場上応じる義務がある」ことは「面倒で嫌」かもしれないけれど、それはまた別の問題だ。
ただ、気づいたことがある。
自己肯定力が不足していると、他者の評価能力を否定してしまう。
自分を評価する他者を肯定できないのだ。
それは日常生活にももちろん悪影響を及ぼすし、恋愛にだってそれは出る。
自分に対する高評価に飢えながら、自分に対する高評価を受容できない人間は、どうなるか?
他人と恋愛ができなくなる。
自分の脳内でしか、関係を構築できなくなる。
他者の属性を自分の脳内に配置して、それを消費することでしか、「恋愛関係」を持てなくなるのだ。
「……だからあなたは、シンヤの夢ばかり見るのね」
「うるさいな、俺のことは放っておいてくれよ」
「そういうわけにもいかないわ、わたしはあなたの※だもの」
「ねえ、本当に思い出せない? あの夜のこと──」
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