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浮気の基準

 あなたの浮気はどこから?いやこれだと浮気する人のきっかけ話っぽくてやだな。今のなし。
 全然関係ないけど、浮気って聞くといつも『常夏日光・日除傘寵愛一神』の詠唱(?)を思い出しますね。声に出して読みたい日本語です。
 マジでなんの話だよ。


1.「コンカフェ嬢にシャンパン入れるのは浮気」

って言ったら笑われました。大真面目なのに…

 この発言の正確な意図を説明するにはまず我々が共通認識として持っている『芸術点』概念について説明する必要があるのですが、それはさておきひとまずは、上記見出しの文章は正しくは「同じサークルの女とセックスするのは浮気じゃないけど、コンカフェ嬢にシャンパンを入れるのは浮気」であるとだけ補足しておきます。

 あくまで行動の方向性を示したイメージとしてこの二例を比較する形になっただけで、程度問題の指標というわけではありません。シャンパン入れなかったらコンカフェ行っても浮気でないかと言われると、そもそも女に金を落とすためだけに店に席料を取られている時点で浮気という見方もあります。ありますよ!
 まあ逆の意味のお問合せだと思ってたのはまじですけどね。


2.芸術点 #とは

 ではそもそも『芸術点』とはなんなのか。

 芸術点とは、人の行動を評価する軸のひとつです。人との対話場面で、そのシーンのその言動だけ切り取った時に概念的に強烈だと感じる言動のことを「芸術点が高い」などと言ったりします。「エモい」などとは互換性の高い表現です。

 ウィットに富んだレスポンスから上目遣いや壁ドンのような動作まで、芸術点の高い言動は捉える人によって様々です。ですが、最大の特徴としては「芸術点は属人的な肯定評価ではない」というものがあります。発言であればその字面と状況文脈、行動であればそれをした人間の外側的要因やその場の環境的要因など、徹底的に属性に落とし込んだ上で評価するものです。

 例えば自分は、隣のクラスに最愛の彼女がいて、それ以外の女に対人場面で魅力を感じることはほぼないとする。だがある日、同じクラスの『黒髪ロング・前髪重めメガネ・クソ真面目根暗無口委員長』が『眼鏡を外してポニテで』自分のバイト先のコンビニに偶然客として来て、お互いショックを受けるも委員長は『普段の姿からは想像もつかないハキハキした声で「コレは内緒ね?」とニコッと笑ってウインク』して帰っていき、自分は思わずドキドキしてしまう。
 場合によってはコレもしくはコレを黙っていたことを浮気と断ずる人もいるでしょう(『気の浮つき』とは非常に曖昧な表現ですしね)。ただ、私はそうは考えません。このときの『自分』は、委員長の叩き出したギャップによる『芸術点』に翻弄されてしまっただけで、この反応は彼女への愛情とは全く別の階層で起きていることだと考えます。委員長にギャップ萌えをしたからといって、彼女と別れて委員長と付き合うことなど想像もしません(する人がいるのならばそれはまた別次元の問題です)。あくまでその衝撃は属性の掛け合わせによって偶発的に食らったもので、それは対個人的な肯定的評価(=性的な好意、交際欲求)に即座に接続するものではないのです。

 以上が大まかな『芸術点』概念へのイメージです。伝わったでしょうか。


3.浮気の基準


 私の思う浮気の基準はこうです。

「芸術点欲しさに異性と接点を持つことは浮気ではないが、私に費やさずに節約したリソースを女で浪費するのは浮気」

 あくまで現在に限定した話ではありますが、恋人氏は大学生(しかも一回生時代はほぼオンラインで学内の人間と接点を持ちようがなかった身)で、一方私は社会人です。大学という環境の中に今しか手に入らない・私と触れることでは得られないタイプの『芸術点』獲得チャンスが転がっているのは間違いないので、そこまで規制しようとは思いません。私も期間限定には弱いオタクですし。
 むしろ、彼のある種のアウトプットを高く評価するところからこの関係が始まったところで言えば、彼には今のうちに今しか獲れない『芸術点』のインプットを沢山仕入れてきて欲しい気持ちすらあります。『芸術点』の高い体験をした時、「この話をしよう」や「この話を何かの形で記録しよう」と思って欲しいのであって、『彼女』という身分を握った私に対して一々後ろめたくは思って欲しくはないのです。

 その思いもあり、基本的に二人で出かける時にあまりある種のリソースを私に費やすことを要求したことはないと(自分では)思っています。私が肩代わりをすれば、その分のリソースはまた別の、今しかない機会を逃さない為に活用できますから。

 …知り合った当初、氏の惨況をあまりにも哀れに思って時給1200円のクソバイト我が職場を紹介したのが懐かしいですね。もう一年半も経つんですか?
 そんなわけですから、自分で言うのもなんですが、私は経済的にはとてもコスパの良い彼女なのではないかと思っていたりもします。

 問題はこの後です。

 考え方としてあまり予後が良くないことは重々承知ですが、私は少なからず上記のリソースにまつわる振る舞いを『譲歩』と捉えている節があります。恐らくその認知が起点なのでしょう、自分より明らかに課金価値が薄いものにその節約により残ったリソースを投入していることは、私自身のプライドに関わるレベルで容認することができません。
 その最も具体的な例が、冒頭のフレーズに戻るわけです。あの種の接客業は余程『視覚刺激として優秀な娯楽』となるなどのことがなければ基本的には『異性との対話場面の提供』に『認知・承認欲求代』を上乗せして徴収するだけのビジネスだと理解しているので、怖いもの見たさならともかく『異性の交際相手がいる身で・明確な目的もなく』あれらを利用することの意味がわからないわけです。言わんやシャンパン(追加課金)をや、というわけで。
 そんなことで自分の存在を二重に蔑ろにされるくらいなら、まだ酔った勢いとかでサークルの女とヤってた方がマシだな。と思っているというお話なのでした。


 ちなみに、シャンパンの一連の話がピンと来ない友人各位はこれをバレンタイン廃課金と読み替えても可です。いや、あれが浮気かどうかについてはまだ結論が出ていないのですが……。



4.おわりに

 この記事はわたしのバカ発言がいつの間にか晒されていたので釈明文にした②恋人氏が私を敵に据えてサイレントトリッピをする可能性は0だという甘えを前提に書かれている③ド深夜にしか執筆の余裕がないので構築がいつもに増してガバというクソの3コンボをキメていたせいで混迷を極めた怪文書となっていますが、タイトルにマジレスすると許せない浮気は基本的にはサイレントトリッピぐらいです。あれはまず友人にやられてもそれで絶縁するくらい無理なので。
 恋愛観は人によって様々だと思いますが、特にこの「どこからが浮気か」みたいな話は結構個人の価値観が出ると思うので好きです。あなたの思う『浮気』はどこからですか? みなさんも是非noteに書いてみてください(というか読ませろください)。

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