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その日の天使

こんにちはendoです。
日に日に暑さが増していますね。
来年には夏の平均気温が40℃になってしまうのではないかと冷や冷やしながら過ごしております。

endoは先日少し体調を崩してしまい久々に病院に行ってきました。病院はいつも混んでいます。忙しないです。「具合が悪い人がこんなにいるんだなあ」と自身も具合が悪くて病院に来ているのに他人事のように待合室でそんなことを思っていました。

30分…1時間…
なかなか呼ばれません。
あれ、問診票出したよな…
本を読んで待っていたのですが顔を上げる度に人が減っていっている不安と入った時にはぬるいなと感じていた空調も段々と汗が冷えてきて鳥肌がたち始めていました。
このまま気付かれずに、お医者さんたちが休憩し始めて「今日はもうおしまいなんですよ」なんて言われたら、どうしよう、さすがに怒るかも…と考えていたら名前を呼ばれました。病院に着いてから1時間半が経とうとしていました。
やっとだ…と思い、のそのそと動き始め診察室に入りました。


「endoさん体調の悪い中大変お待たせして申し訳ありません…!今は大丈夫ですか?寒くないですか?」


と入って早々、お医者さんに声を掛けられました。
正直、驚きました。わたしがあまり病院に行くことがないのもあるのか、当たるお医者さんはあまり愛想のない人の割合が高く、薬は処方してもらえても帰る時はいつもなんとも言えない気持ちになることが多かったからです。

無事に診察を終え、ありがとうございましたとお礼を言うと「この時期は体調崩しやすいから、程々に頑張りすぎずに過ごしてください」と優しい笑顔で返してくださいました。

年々、体力が落ちてきて夏バテしやすくなっている。
今年は特に、夏バテに加え職場が新しくなったことでの環境や周りの人の変化、今の日本の情勢への不安や暑くなりすぎている地球への危機感で、そこまで考え出したらキリがないレベルのことを考えてしまい、最近は落ち込みやすい傾向にありました。
さすがにどうにかしないと…という気持ちで病院に行きましたが、まさか初めて会う人に励まされるとは思いませんでした。
傍から見たら大したことではないかもしれない。
それでも、わたしにとってはその気遣い、言葉が滅入っていた心に染みました。

その時わたしは以前、Twitterか何かでたまたま見かけて素敵だなと思った新聞の記事の切り抜き画像を思い出して検索をしてみました。


「その日の天使」 中島らも
その日の天使
一人の人間の一日には、必ず一人、
「その日の天使」がついている。
その天使は、日によって様々な容姿をもって現れる。
少女であったり、子供であったり、
酔っ払いであったり、警察官であったり、
生まれて直ぐに死んでしまった、子犬であったり。
心・技・体ともに絶好調の時は、これらの天使は、人には見えないようだ。
逆に、絶望的な気分に おちている時には、
この天使が一日に一人だけ さしつかわされていることに、よく気づく。
こんな事がないだろうか。
暗い気持ちになって、冗談でも”今自殺したら”などと 考えている時に、
とんでもない友人から電話が かかってくる。
あるいは、
ふと開いた画集か なにかの一葉によって救われるような事が。
それは その日の天使なのである。

お医者さんはその日の天使でした。

今思えば、わたしが1時間半待っている間も何人も診察室に入っていっています。それぞれ、色々な症状があると思います。その人にしかわからない痛みがあると思います。一日に何十人もの人と向き合い、助ける仕事というのはかなり"くるもの"があると思いますが、何十人のうちの一人であるわたしにも終始優しく話を聞いてくれたお医者さんの慈悲の心はまさに天使でした。

あなたもわたしもいつか誰かにとっての天使になるかもしれないし、なっていたかもしれない。
間接的に簡単に人を傷つけ、手を下さずに人を殺めしてしまう世の中です。
全員がそうとはいかないけれど、自分が今生きているまでの過程で出会った天使たちを思い出せれば、きっともっと優しくなれると思います。
天使を天国だけの存在に留まらせない世界になれるように明日も人に優しく生きていきたいと思います。

それでは、次の言の葉蒐集の旅に行ってきます。

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