編み物

突然なんだという話だけど、最近編み物が熱い。
元々好きなものではあるけれど、母の見様見真似で初めてマフラーやらニット帽なり作ったりしていただけで「欲しい色のニット帽があるな〜」と思った時だけ手芸屋に毛糸を買いに行き、手持ちの近い号数の輪針で編むだけだった。
最後に編んだのは妊娠中(今考えるとマタニティハイだったと思う)にほぼ日のベレー帽のキットを買ったが結局完成させられなかった。それがしかし、ここ1ヶ月でもう2.3個編み上げている。

母が手芸好きで、なんでも作ってしまう人だった。やってみたいんだよね、というと押し入れの工具箱からありとあらゆる道具を持ち出してきてやらせてくれた。編み方も大体は教えてくれたが、結局自己流になっていたと思う。そんな感じだったので始めるハードルが低い上に母になんでも聞いてしまうため、すすんで興味を持っていたかというと、そうではなかったと思う。母がやっていることをなんとなく自分もやってみたい、ぐらいにしか考えていなかった。学生時代に作ったニット帽が本当にまぐれで綺麗に作れて私って得意なんだと勘違いしていたのもある。そんな感じだったので、最近になって初めて「ちゃんと自分で調べて作る」をやっている、そしてそれが本当に楽しい。

きっかけはバケットハットだった。服の通販サイトでバケットハットを見ているとモチーフをつなげたものが出てきて、母が何十枚もモチーフを編んでつなげたブランケットをたくさん編んでいたので「これ編めるんじゃない?」と思ったのだった。
もう一つはキットの存在。娘の保育園で使う三角巾を母が作ってくれるというので布地目当てで母と立ち寄った手芸店でかぎ針で編む麦わら帽のキットを見つけた。かぎ針はほとんどやったことがなかったが、1700円という手頃な値段と隣の母からの「多分これ簡単に編めるよ」という援護があって手に取ったのだ。
結局その麦わら帽を編み終わったあたりで完全にかぎ針にハマった。その後棒針も少しやったがかぎ針はとにかくどこででもできる。かぎ針で作っている時はどこにでも持っていく。電車、病院、バスの中、少しでも「待ち時間」があればとにかく編んでいる。サクサクと編めて、気持ちがいい。無心で編んでいると気持ちが落ち着いてくる。何かで読んだけど編み物はメンタルの不調に効果的らしい。完成する時には少し寂しささえある。

さて次は何を編もうか、となった時出会ったのはyoutubeだった。便利なことで、動画ですぐに真似できる。使いやすそうなバッグだったり巾着ポーチだったり、韓国からの影響やY2Kブームの影響でか、ほっこりしないアイテムもたくさんあった。編むのが趣味な人のvlogで可愛い編み図がネットですぐ買えることや、専門店のキットが通販できたりすることも知れた。夏でも使えるネットバックやビスチェ、本当に可愛い。世の中にこんなにセーターを編んでいる人がいるなら自分もいつか編めそうな気もしてくる。
また今は娘の存在も大きい。体の小さい娘のだったら編めそうな気もするし、私の拙い技術でもワンシーズンでサイズアウトしてしまうだろうからあんまり気負わず作れる。被ってくれるかどうかはわからないけど、一回着用させられれば満足だ。10回に1回本人が気に入るものが作れたら嬉しいくらいのスタンスで作れるし、人のためと思うとやっぱり少し頑張れる。

自分用にもいつかちゃんと作りたい気持ちもだんだんムクムクと湧いてきている。仕事が忙しくなったり、別のものに目移りするとまた冷める時がくるとは思うけれど、ゆるゆる付き合える趣味であり続けたいなと今のところ思っている。


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