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異色の経歴を持つアクセサリー作家がここにもまたひとり。

元消防士。
消防士として経験し鍛えられた年月は、ちょっとやそっとのことでは挫けない不屈の精神を彼女に与え、負けず嫌いにもさせている。
来場者との会話を弾ませるネタにもなっているようだ。

556made(こころめいど)のアクセサリーは一本の細いワイヤーでできている。
枝垂れる葉や葉脈のような、思わず視線で追ってしまう滑らかで華奢なラインは、ワイヤーの色を変えたりビーズなどを通すことで、季節の花にも様変わりする。

既製品と見紛うほど繊細でパターン化されているのが作品の特徴だ。
デザインごとに使用するワイヤーの長さも編み始めの位置も決まっている。
作品が見劣りするため、途中でワイヤーを繋ぐことはしないし(ヘッドドレスのみパーツごとに繋いでいる)、作りにムラができたりワイヤーがちぎれやすくなるため、ねじったり編み込むのにペンチも使わない。
制作は指の感覚が全てだ。
葉脈モチーフの作品は、各所においてワイヤーをねじる回数が細かに設定されている。
制作者の真面目さや根気強さを顕著に示す556madeの代表作だ。
積極的に行っているライブ配信でも、作品の仕上がりの細やかさは誰にも譲らないと制作者の たついちかずき さんは公言している。

556madeはチームだ。活動を始めてから一年ほどしか経っていない。
買い付けなどそれぞれの分野で活躍するメンバーと たついち さんとで構成されている。
たついち さんにとって手づくりはいつも身近なところにあった。
ものづくりや絵を描くことが好きな母親の影響もあり、小学生の頃には裁縫、編み物やミシンなども器用にこなしていたという。
556madeの投稿を遡れば、彼女の緻密な作品をワイヤーアクセサリー以外でも見ることができる。
持って生まれた賜物に努力や苦労を積み重ねて、今の彼女があるのだろう。

作品は、試作を重ねたり、Instagramのストーリーでアンケート機能を使うなどのSNSを活用した意見収集から生まれる。
アクセサリーの大きさやバランスなど、制作側と実際に身に着ける側では感覚の違いがあるからだ。
デザイン力と技術力は必ずしも同一ではない。
集まった意見からかわいいの正解を形にしていく。
それが自分の仕事だ、と彼女は話す。

2019年は地元広島県を飛び出し、県外のイベントに多数出店する。
大きなイベントやPOP UPに挑戦するのが目標だ。
ワイヤーとシルバーパーツとを組み合わせたメタリックシリーズは、556madeの新たな一歩だ。
ワイヤーならではの軽さを活かしたストレスフリーなシルバーアクセサリーを目指す。
経験値を更に上げ、フォロワーの方々ともっと多く対面で話すことを彼女は楽しみにしている。

556made
Tatsuichi Kazuki


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