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胎界主第3部感想・考察 帝王の塔

前置き

 ラブゼム氏の胎界主再読togetterで考察の楽しさを知ったイチ読者です。自分も第三部から初めて行こうと思います。


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http://www.taikaisyu.com/0%20honyaku/01-01/02.html

 ご存じタロット・アスの塔。

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 違いとしては周りの塔の数。今回では4本だが、バンシー牧場~現代では崩れ落ちた3本の塔が追加される。

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 誰が何の意図で増やしたかは不明だが、本数・状態からして4本=(帝王の)4司神の力、3本=大主魔王を表しているのだろうか。


 リョース、アスタロトら最上位キャラから警戒されている魔王、サタナキアの初お目見え。目の隈がヤバい(夢魔の王だけに)。


 ボッシュート後輩のソロモンとは格が違った。

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(ただ古代王国篇の続きを読む感じ、「認識ロックが解けた者の知るソロモンの顛末」自体も、サタナキアが二重に仕掛けたロックらしいんだよね…)


 球体と尾(=緒?)とひび割れる地面。強大過ぎる存在級位を翻訳世界に繋ぎ止めるための、錨と鎖だろうか。球体のデザインは第一部の扉と同一。

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  >不老不死
 以前から悪魔の司神=アトン・イヴ説があったが、今回で裏付けられたか?

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 全ての力を失っていく帝王。
 ことばの下落→沈黙、からだの下落→認識できない、って説はすごいしっくり来る。

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< >のこころ攻撃をあっさり使用できるサタナキア。部下でこれだから、やはり< >と帝王は関係している?
 個人的には、< >=帝王の強化パッチのようなものだと予想している(原典ボッシュートの危険があるときは帝王本体から4つの力を分離=凋落させておき、ソロモンを犠牲にするなどして翻訳世界に留まらせる算段が付いた折には合流させる)。


 創世記3章「蛇の誘惑」の一節。帝王は悪魔の親玉なので当然サタンでしたか。


>ウーティス

 ギリシャ神話のオデュッセウスが、キュクロプスの難を逃れる際に名乗った「誰でもない」という言葉。帝王がここから辿っていく貴種流離譚を想定させる良い名前だし、各部の中心人物の名前が
第一部=無我(助けるもの=縁起にしか立脚できず、実体がない
第二部=ユート・ピ(ュ)ア(どこにもない
第三部=ウーティス(誰でもない
と否定で共通しているのも激エモ。


まとめ+帝王考察(妄想)
 

一部・二部で徘徊老人扱いされていた帝王は、実は原典堕ちの危機にあったと判明。それを避けるべくサタナキアは泣く泣く4つの力全てを下落させ、帝王は自分が何者かも分からず彷徨い続けることに…というのが今回のお話でした。

ここからは凋落した帝王についての考察。帝王=人間になった説を提唱します。もともと、第一部でも「肉体をもって~」の下りがありましたが

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今回では遂に(比喩ではあるものの)神獣ではなく「人間」という言葉が使われました。

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 この下りで、私はミルトンの「失楽園」を思い出しました。サタンへの罰も、アダムとイヴの追放も「失楽園」においては単なる悲劇ではないのです。何故なら、そこには自由意志による選択があったから。負けると知りながら2度神に挑むサタンも、過ちと知りながら愛のために知恵の実を食べるアダムも、英雄的に描かれている。

  帝王の塔に話を戻すと、ラストで存在級位の急落(=試練と克服)と共に、て帝王が人間になったのではないか?と考えています。
 その線で考えてみると、元帝王はどういう形で徘徊しているのか。ピュアのように「身体の成長を止め」て数千年生き続ける方法もあるが、個人的には「死と再生」を繰り返しているのだと予想します。(ラストカットの脱け殻、サタナキアの言葉「死と老いを受け入れ」「眠るこころ、眠らないからだで~」から)

 前世の記憶無く人生を歩む→胎界主として勝手に存在級位が上がる→歪みが起こる→「眠らなければならない」を自分にかけリスポーン→また別の人生を始める…というサイクルを繰り返しているのかもしれません。

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 最後に輪をかけた与太話、最近の帝王=東郷善説を挙げときます!思いつきとして
・こころが下落した帝王の浅黒・平八カット・すね毛が欲カキ尻刺されおじさん
・帝王の尻尾と、東郷家初お目見え「球体使い」の一枚目がなんか似てる
・悪魔も東郷も、①強大な組織を作るも突如出奔するトップ②表舞台では部下たちが派閥(次期当主)争いに腐心③その裏で暗躍する孤独な実力者
・どちらとも主要構成員に女性が一人も居ない
・帝王は「眠らなければならない」で存在級位を低下させたが、反対に「目覚め」るとこころは「浮かび上がる」。有料版第一部の初期設定資料によれば、魚成勇は「浮かぶ力」の胎界主。やたら勇が東郷家から特別視されるのと関係が?

などなど…。ゆるい考察日記になると思いますが、一先ず連載分に追いつくまでは続けていこうと思います。



 

 



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