なんにももってないけれど つづき
それならそれで、好きなことをすれば良かったのですが、全く興味のない、世間や親が言うところの「普通」を目指したのです。目下「正社員」で「事務職」を捜し歩き、ずっと不採用の日々が続きます。
たまたま採用されても、社会常識や人間関係の常識は皆無であり、人間関係で、仕事でと、ありとあらゆるミスを連発し、感情のコントロールができない。ですから長くは続かないのです。
とにかく人が怖い、何時も監視されている、緊張のため覚えられない。わからない。二度聞くと怒られる・・・主体性を持ってと言われてもわからない。人との会話が怖い。体をどう動かしていいのか、顔をどう作って良いのか、わからない。世の中は苦しく厳しいところなのだ、この厳しさが一生続くと思うと朝起きるのが嫌で仕方ない。
事務仕事をあきらめ、今度は学生時代に専攻していた絵を描いたり工作したりできることを活かせるかな・・と思い、その頃妹に甥が生まれたばかりで可愛いのもあり、保育士の資格を取り、勤め始めました。
勤め始めたものの様々な子供との生の接し方がわからない。人との接し方がわからない。機転がきかない。声の出し方もわからない。必死でした。
それからやはり退職。気が付いたら病院通い、薬漬けの日々でした。退職してから少しずつ一人で断薬を決行し、その際には大変な苦しみを味わいました。
こうして、私は何をやってもダメなのだと人生を降りた気持ちでした。
好きなこともない。わたしはもうダメだと思い込みました。
「ひとりで人と会話せず出来ることをしよう。好き嫌いではなく、とにかく今自分ができることをしないと生きていけない」と、わずかな職歴経験なども捨てて今は工場で何年か勤められていますが、奇跡的なことです。
昨年やはり人間関係でトラブルを抱え、心療内科を上司の勧めで再び受診、安易に薬を出さない病院を選んで、今までのことを相談した結果「自閉症スペクトラム障害」「数学の学習障害」の診断を受けました。
そんな、なんにもない自分が生きている。おかげさまで生きている。色んな辛かったことや、言いたくても言えなかった事、日々思う事をこれから少しずつ書いてみようと思います。そうすることで、障害をお持ちの方、持ってないけど生きづらさを抱えておられる方(正直、障害のことはあまり意識せずにいます)に、少しでもなにか感じていただけるとうれしいです。
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