スタイリストの壁。指名売上30〜100万円の達成に必要な知識と工夫について
100万円の壁
100万の壁は、責任と共有
スタイリストとして、様々な壁にぶち当たりここまで到着しました。意外と早かった方も、長かった方もここまでこればやっぱり、指名売上100万というのは一つの美容師として目標ではあると思います。
100万スタイリストは、現段階で一人でこなせる限界を超えていく壁にあたる売上です。限界と言えど、今の私の1人サロンは色々な方向から全てを見直し、徹底的に一から改善をしてきた結果、
技術売上月150万円をコンスタントに売り上げ
年商2,000万(物販込)です。まだまだ、売り上げていらっしゃる方はたくさんいますが自分は十分満足しています。
また、『1人サロンの成功とは』で詳しくお話ししていきますので、どうぞそちらも宜しくお願いします。
さて、本題に戻ります。
ここまでくると、自分の個性や技術を気に入っていただいているお客様がたくさんいらっしゃる事だと思います。
人数で言うとトータル300〜400名、約月間150名(単価8000円×5名×25日)のお客様が、あなたをご指名いただきご来店いただいています。この数字を目標にしている美容師も多く、ここにたどり着くまでいろんな経験を積んできたと思います。経験を最大限に活かし、次に書いた2つの選択が今後の分岐になってきます。
「たくさんのお客様を限られた時間でこなすか?」
「限られたお客様で、単価をあげて売上を伸ばすか?」
どちらかである。
同じ100万でも、
単価 5800円であれば 月間172名 1日 7.5名のご指名が必要
単価 8500円であれば 月間117名 1日 4.5名のご指名が必要
どちらを選択しても100万は売上可能である。これからの自分の求める美容師像と向き合いながら客数を取るのか?単価を上げるのか?しっかりと決めておく事が大切になります。
ただ、理想は1日7名のお客様を単価8500円だったら142万まで跳ね上がる!あくまでも、計算上であるがムリな数字でもなく可能な範囲内ではあるが今はさておき、今までと大きな違いが大きく上げると2つあり、
自分以外のスタッフ(アシスタント)が施術をする事
自分の全技術のムラをなくし統一する事
である。
一つずつ説明していきます。
一つ目は、自分以外のスタッフが施術をする事になります。1日7人のお客様を1人でしていたら、朝から夜遅くまで休み無く働かなければなりません。また、後で説明しますが客単価が相当高いと別ですが、こんな事を続けていては、自分の体が持ちませんし、お客様が嫌な思いをするに違いないです。
「朝6時からカットに来れますか?」
「夜10時からカラー出来ますか?」
って感じです。
この条件を受けていただけるお客様は少ないですよね。では、どうすればいいか?それは、2人のお客様を同じ時間に同時進行すれば当たり前ですが済みますよね。但し、お客様はわがままなものであなたを独り占めしたいのが本音です。
思い返せば、30万の壁の時、お客様と色々とお話をし全て自分1人が施術し次回の提案、ホームケアのアドバイスなど丁寧に説明していたはずです。この時間が、自分の売り上げアップにより削られる事になります。お客様の大好きな担当(あなた)が、売れっ子スタイリストになっていくのは嬉しい事ですが間違いなくお客様にかかる時間が削られていくのを忘れてはいけません。
お客様は自分の大好きな方を独り占めしたい気持ちはみんな同じです。なので、同じ思いを持ったアシスタントの力が必ず必要となります。アシスタントと信頼関係を持つ為に、自分の仕事のベクトルをアシスタントに向ける事が必要になります。自分も基礎の確認にもなりますし、自信が無ければ教える事も出来ませんし、いい意味でもう一度アシスタントに帰った気持ちで再確認出来ます。自信がないアシスタントに仕事を任せると、隣で施術しているアシスタントの動きが気になり
目の前のお客様にしっかりと向き合えず最悪の場合失客に繋がります。
例外はありますが、これはアシスタントだけの責任ではなく指導者の責任でもあります。
思い返せば、自分がアシスタントの頃
「先輩のお客様を失敗してやろう」
なんて思った事がありましたか?必死で、シャンプーし白髪を一本でも残さない様にカラー剤を塗布し、パーマのムラがない様にしっかり薬剤を付けていたはずです。これも、自分の先輩が自分の時間を割いて教えてくれていたからこそ安心して施術が出来ていたと思います。
自分もアシスタントもお互いが安心してサロンワークができる様に、何より今までと同じようにお客様が安心して施術を受けられる様にする事が本当に大切だと思います。
少し話はそれますが、1人の力で100万を売り上げる為の方法の1つで、客単価を上げて自分のブランド価値を上げる事も選択の1つです。まだ、おそらくサロンではスタイリストの立場ではあるので経営者との話合いにはなると思いますが、自分の料金設定を変えて1日の業務時間の中で、少ない来客で高単価を目指す事も有りだと思います。
そうすることで、アシスタントの力を借りずに100万を超えることができます。カット&カラーが、例えば2万円なら1日3名で6万円、20日勤務でも120万になります。自分のブランド価値を上げていくことで、いくらでも1人で売上を上げていくことが可能となります。ただし、ブランド価値を自分で上げれば上げるほど、それだけ色々な場面のハードルを上げることにもなります。
今までのあなたのブランド価値で高単価にすると確実に失客します。
今着ている服が、何も変わらず料金が2倍になっても買いますか?買わないですよね。考えてみてください、世にあるハイブランドの価値を。そこにしかないこだわりや質、そこまでやるの?と思うくらいの追求。そこにたどり着いたものにしかない価値がそこにはあります。
となると、美容師としてのブランド価値は大きい分けると技術と接客になります。
この2つを誰にも負けないよう極めるしか方法はないですよね。1人の力で100万以上を売り上げていくのには、自分をブランド化していく必要が
あるという事です。一つ頭の片隅に入れておいて下さい。
何度も言いますが、この先
「たくさんのお客様を限られた時間でこなすか?」
「限られたお客様で、単価をあげて売上を伸ばすか?」
どちらかになります。
もう間違いなく人気スタイリストになっているので、ご紹介やリターンのお客様でいっぱいになってきます。だからこそ、このタイミングでしっかりと先の美容師像を決めておくのもポイントになります。よく考えて、サロンに提示してもいいかもしれません。
二つ目の自分の技術のムラを無くし統一する事とは、プロとして技術のスキルを上げて、ムラのない安定したスタイル作りをいかに提供できるかと
スタイルの幅を広げて、いつも新鮮な提案する準備が出来ているか?という事だと思います。
今までの技術に不満なく、自信を持っているのは当然な事です。だからこそ、ここまでお客様に信頼されご来店いただけているはずです。ですが、100万を超えていく為には今までのカット技術では、1日にカットできる量が決まってきます。
1時間に1人なら8人(8時間労働)
40分に1人なら12人(8時間労働)
4人違うと、4000円のカットなら
1日16,000円、25日だと400,000円になります。
見ての通り、桁違いの差になります。だから、限られた時間の中で20分縮めるムラのない安定したスタイル作りが必要になってくるという事です。もう一度、自分の技術をベーシックから見直してみる価値はありますよね。
例えば、私の場合では今まで、何度も何度もコーミングをしたり、不安なので少し長めにカットし後でちょこちょこ短くしていく。これを、
ウェットでベースを切る。5〜8分
ひとパネルのコーミングを1回で決める。
グラデーションとレイヤーを縦スライスで一気に切る。(例外あり)
この後に毛量調節をしてドライに入る10分
残りの10分で質感調節を終わらせフィニッシュ!
何が遅いのか?無駄はなんなのか?を、動画撮影をし改善点を探し見直しました。結果、自分は20分で全てのスタイルが切れるようになりました。こうやって、自分の技術の無駄とムラをなくすことで安定したスタイルを切れるようになり、忙しくても焦る事なく接客する事ができました。
また、スタイルの幅を広げる事も重要になります。ここまでくると、今日のお客様のスタイルを一瞬で5パターンくらいは提案できる能力も欲しい所です。それは、カットだけではなくカラーやパーマを含めた総合的な提案が必要となってきます。信頼のもと、お客様はいろいろなヘアスタイルをしたいので、スタイリストからの提案を楽しみに毎回ご来店されます。
100万を売り上げるスタイリストが、いつもと同じスタイルを繰り返していてはいつか飽きられて違うお店に行ってしまいます。
例えば、いくら大好きな料理でも毎回同じならいつかは飽きますよね。ちょっとでいいから味の変化やトッピングを変えたりと、そのワクワクを毎回提供するのがポイントになります。選ぶのはお客様なので、提供を断られてもいいんです。
だから毎回、新鮮なスタイル提案を提供し続けて下さい。
後、少し話はそれますが大切な事を思い出したのでこのタイミングですみません。週末、活気付く自分のサロンでふと気づいたら、以外と常連客を待たせていることが多くなってしまっているケースがありました。
いつも来てもらってるから少しくらいはとか、忙しくしていることをアピールし気を使わせてしまっている時はないでしょうか?
はっきり言って、次のご来店は見込めないでしょう。
上顧客は、新規客の5人分とも言われます。今やこれ以上ではないでしょうか?
この時代新規客を5名かくとくする難しさは皆さん知っての通りですよね。決して雑に接しない方がいいと思います。年間来店9回以上の上顧客様は、また後でご紹介しますがサロンの売上70%を占めています。こんな大切な顧客様を待たせてまでする仕事がありますか?
私のサロンでは、
予約は断らない!待たせない!飽きさせない!
この3ナイ運動をスタッフ全員で徹底してきました。その結果、年間来店10回以上の顧客様は全体顧客の30%です。3回以上のご来店の顧客のリピート率は90%以上です。この数字をどう捉えるかは、各サロンや個人の考え方にもよりますが参考にしてみて下さい。
すみません話がそれましたが本題に戻ります。
次は、共有についてお話ししていきます。皆さんのサロンでは、どこまでスタッフ同士が共有出来ていますか?この共有がしっかり出来ていないと100万を超えていく事は難しいと思います。
何故なら、1時間の間に2〜3名のお客様が来店し、様々なメニューと来店動機の違いなどご来店いただいてから一から考えていては到底間に合いません。それどころか、次のお客様が来店しもうどうにもこうにもいかなくなります。そんな事は、今までのポジションでもうしっかりわかっている事ですよね。
だから、本日ご来店いただくお客様、次に来るお客様の情報(カルテ)や周りの動きなどを、スタッフみんなで朝のうちに共有し仕事をこなしていれば、お待たせさせることなくスムーズに次のお客様へとつながっていくのではないでしょうか?
「このお客様のカラーの待ち時間の間に、シャンプーお願いね」
「次のお客様の塗布が終わったら、次のお客様のカラーお願いね」
「ドライが終わったら、すぐ仕上げにいくのでアイロン用意しておいてね」
と、いう風に段取りをしておくと、時間の管理が明確になり無駄な時間が無くなります。結果、数分の重なりが5分10分と空き時間を作り1時間に3〜4名のお客様を詰めていくことができます。1日を長く使うのもいいですが、いかに限られた時間の中で、たくさんのお客様をこなしていくかが大事になっていくと思います。
そして、アシスタントに任せた方が良い場面と自分で解決した方がいい場合を瞬時に見極め、対応していく事「任せるのか?任せないのか?」も大切です。
というのは、仕上がり迄の時間厳守と自分自身への不安を無くす為でもあります。複雑な注文を、アシスタントに複雑に伝え不安になるくらいなら
自分自身が施術をしスムーズに進めていった方が効率がいいですよね。
その間に安心して任せられる仕事をアシスタントにしてもらえばいいんです。何よりお客様に集中出来ずに施術してしまう事にもつながり、1番不安なのは鏡に映るお客様である事を忘れてはいけません。
何度も言いますが、デビューより支えてきていただいたお客様はあなたを独り占めしたいんです。
どうしてもこのポジションにたどり着くと、顧客に携わる時間が短くなる事も決して忘れてはいけません。
私は、100万の壁を越えた頃から今までご来店いただいていたお客様が数十名失客した経験もあります。自分が悪いんですが、その時は何故なのか?がわかっていなかったと思います。だから、仕事を任せる判断は大切です。
最悪の結果は、ヘルプに入っているスタッフ同士の何気ない会話や表情、仕草など些細なことまでお客様は見ていますし自宅に帰ってからの、近所や家族での話題となりいい情報も悪い情報もすごいスピードで広がります。
いい情報であればいいのですが•••。
「任せるのか?」「任せないのか?」も、スタイリストとしての責任であり、売上を伸ばしていく一つの課題になっていくことは間違いないです。
結論、今までのポジションでは自分の技術の見つめ直しやコミュニケーション能力のアップなど、自分のスキル(能力)をいかに磨いていくか?だったのに対し、100万達成にはスタッフとの「共有」「託す」「時間厳守の施術」など今までとは違う、様々な課題を乗り越えていく必要があります。
カットをする時間を短縮する課題では、無駄のないスピードUPが欠かせませんし、アシスタントに任せるということは、自分に自信と責任を持ちしっかり教育することで、アシスタントのスキルが上がり、結果売上アップに繋がります。
最終は自分が責任をとる事には違いはないですし、クレームに対する対処や違うスタイルに仕上がって来た時にでも上手く仕上げる話術とテクニックは必要です。
例外はありますがアシスタントなしでは、100万以上の壁を乗り越える事は難しいと思います。なので、100万の壁「責任」「共有」を軸に壁を乗り越えてください。
いかがでしたでしょうか?
自分が経験してきた数々の売上の壁は、こんな感じに乗り越えてきました。思い返してみれば、毎日毎日夜遅くまでレッスンをし、休みの日は町へ出かけモデルハント。
その頃は、正直「めんどくさいな〜」とか、「休みの日は遊びたいなぁ〜」なんて思った日も多々ありました。でも、頭の悪かった自分は難しく考えることより、頭のどこかでこの1〜2年必死で頑張れば、1日でも早くスタイリストに慣れると信じていました。
だから、日々葛藤しながら成長していく自分に自信を持ち始めました。
今、第一線で活躍されているスタイリストさんはみんなこの時期があったことに誇りを持ち、今の自分に活かしていることだと思います。
レッスンに無駄はありませんし、結果が出ない時は環境のせいではなく自分の努力が、足りないと思う方が正解です。結果が出るまで、納得するまでやればいいんです。
自分はもっともっとあの時にやっておけば良かったと思うことばかりです。是非、行き詰まっているアシスタントの方がいれば自分を信じ、最短で自分の夢を叶えるように頑張ってください。
最終、私は指名売上300万を到達することができ自分自身大満足です。全国には、もっと素晴らしいスタイリストさんは星の数ほどたくさんいらっしゃいますがね!
1日でも早くこの高い壁を超えれるスタイリストになれることを願っています。そして、自分の決めた目標を達成して下さい。目的は、大きく人それぞれ先にあるとは思いますが、まず目の前の目標を達成し続けていく事が大事だと思います。叶えられた時の喜びは自分しかわかりません。
その時は、思いっきり自分を褒めてあげてください。
何事もポジティブに自分を信じて頑張って下さい。
いかがでしたでしょうか?これから先は、自分の個性を最大限に活かしながら素敵なスタイリストになっていってくださいね。
次回は、美容師としての岐路について詳しくお話ししていきますので、どうぞ宜しくお願いします♪
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