スタイリストの壁。指名売上30〜100万円の達成に必要な知識と工夫について

2ー5 指名売上30〜100万売上の壁

日々、スタイリストへの階段を一歩一歩登っていくに連れて、どこかの売上で
壁が出てきます。それは、指名売り上げ30・50・70・100万壁です。
たかが30万。1日1万円の売り上げがすごく簡単に思えますが、この1日1万円が凄く大変でスムーズに過ぎていくスタイリストもいますがこの壁が、凄く高く分厚い壁のスタイリストもいます。
では、これからこの4つの壁について説明していきましょう。
あくまでも私論ですので、参考にしてみてください。

30万の壁

30万の壁は、安心感

いよいよ個人が個人の力で売上を上げていくポジションにまで成長してきました。ドキドキの1日目。初めてのお客様が来店されました。
ご来店いただき、お席に着いていただき
『本日担当させていただく○○です』
さて、ここからカウンセリングからカット〜仕上げまで一人で最後まで担当します。この間にたくさんの事を聞き出し、次回に活かします。
この1日の1時間の出会いこそが、今後のあなたの生涯顧客になりうる方かも知れません。ですので、一生懸命あれもこれもやってあげたい気持ちになります。
でも、残念ながらまだスタイリストしてのスキルと経験が足りないので
お客様へのスタイルの引き出しとカウンセリング能力が低い中、頑張りすぎると
空回りしてしまう恐れがあります。
ここは、一つ冷静に自分の話は極力せずにお客様の要望を的確にヘアスタイルに
落とし込めているのか？がポイントになります。
ここで有効なのが接客 7：3の法則、7を『聞き』3を『話す』
7聞けばいいので、お客様の事を知る為にいろんな事を聞くだけでいいんです。
何かを話そうとすればするほど、自分の会話のスキルが必要になってきます。
7：3の法則が、逆にならないように
『それってどんな感じですか？』
『こんな感じですか？』
『どんな？こんな？どんな？』です。
後は、お客様の言葉をそのまま復唱する事です。自分の言葉で言い換えるのではなくお客様の言葉で言い返せば、わかってもらえてると思ってもらえます。
そうすると、『そう、そう、そうなのよ』という返事が返ってきます。
この、『そうなのよ』をカウンセリングで3回言っていただく事が安心を与える事になります。

勘違いしている美容師が多く、決して話すのが好きなのが
接客が向いているわけではありません。
ただ自分の話をして聞いてもらうのが好きなだけで、接客をしているわけではないので今のうちに、接客の考え方を変えて売上の向上に活かして下さい。
そしてこれから、どんどん売上を上げていくのにすごく大切な会話力の１つです。この、数分のカウンセリングでこれからこの人に私のヘアスタイルを任せていいのか？を第一に判断されています。ここで7割は判断されています。
大げさかもしれませんが本当なんです。

曖昧なカウンセリングで、施術に入るほどハラハラ・ドキドキしますし
自分の中でゴールが見えてないのに、カットに入るのは絶対してはいけません。
例えば、お寿司屋さんでお寿司を食べには来たものの、食材や料金が全くわからないとか、大将も魚をあまり知らないで提供されたと思うとドキドキしませんか？同じ事です。
この流れで、自分の話ばかりして何とか楽しく終わってしまえばいいと接客してしまっているケースもあると思います。しっかりと、お客様の思いを理解し
復唱し安心してもらえるまで聞く事が大切です。ここまででお分かりの通り一切技術の事には触れてはいませんし、技術だけが全てではない事がわかってもらえたと思います。

今後のベースにもなりますので、是非今のうちに施術に入る前にカウンセリングの大切さを考え「安心感」を与えられるスタイリストになってください。
そして、接客と技術が自己満足に終わらない様に、何がダメで何が良かったのか？どう反省して、どう動くのか？を、1日1日大切にする事です。

お客様に安心感を与えて次回に繋げていく事となります。
結果、一人一人とご指名をいただく事に繋がっていきます。
スタイリストになって、初めてのご指名のお客様はなんとも神様の様な存在になります。決してこの気持ちを忘れる事なく30万の壁を乗り越えて下さい。
はじめにお話をさせていただいた、たかが1日1万円・1ヶ月指名売上30万の考え方が少し変わったと思います。

本題と違う話ですが、すごく大切なことなのでここで少しお話しさせていただきます。サロンはあなたの為にホームページや広告、その他様々な方向から集客をしています。ここには、お金と時間、戦略が投資されています。あなたにとってもサロンにとっても1人のお客様は大切な財産です。是非、入客させていただいたお客様全員リピートさせる気持ちでいてください。ここからは、今まで一生懸命育ててくれたサロンへの恩返しです。
そして、ここからが本当の美容師としての出発です。

50万の壁

50万の壁は、リピート率・提案・技術力・固定化

さて次は50万の壁について考えていきましょう。30万の売上をクリアした
次のステージとなります。50万到達は、1日2万円×25日＝50万円
30万円より少しハードルが上がりました。
とは言え、ここで肝心なのがリピート率（総顧客数）を意識することです。

1ヶ月100名入客して、50名リピートしたらリピート率50％
1ヶ月100名入客して、25名リピートしたらリピート率25％

当たり前ですが、50％・50名のリピート客の方があなたを多く支持していることになりますよね。ちなみに私は、リピート率は『最低70％目指せ80％』を目標に
日々試行錯誤していたのを覚えています。
上記の50％のリピート率で、これで売上は50万いけました、とはいきません。
その、50名のお客様が客単価1万円・1ヶ月間全員ご来店いただいての話です。
そうなると、来月は売上ゼロですよね。
なにが言いたいかというと、来月も今月と同じ50名のお客様すなわち、
トータル100名の指名顧客が必要だと言うことです。
しかも、そのお客様が1ヶ月周期で全員来ていただいて来月も50万ですよね。
大体、お客様の周期は早い方で1、5ヶ月〜2ヶ月です。
とういことは、初めの1ヶ月目のお客様は来月ご来店されないので、約150名の顧客が必要になる計算になります。
いきなりグッとハードルが上がった感じがしますが、これが現実必要な指名客数なんです。だからこそ、リピート率を少しでもあげて80％にすれば圧倒的に顧客数は増えます。

30万の壁でも言いましたが、サロンはあなたに大切な新規のお客様を入客させ、
高いリピート率を上げることを期待しています。なので、しっかりとリピート率と総顧客数を意識し売上をあげていく一つの目標としてください。

一つの課題を日々意識していく中で、リピートしていただくお客様も増えていく中、これまでは技術よりお客様の心に残るスタイリストになる事が大切だと言ってきましたがこれからは、ご来店3回以上のお客様が多くなってきます。
ということは、同じスタイルで安定したスタイルを喜んでいただけているという事になります。
2回目の来店は凄く気に入っていただけたか、絶対嫌なサロンではなかった事、
もう一つは前回の担当のスタイリストより気に入っていただけた事のこの3つです。3回目のご来店は、2回目のスタイルをもう一度楽しみたいと思いご来店いただきます。そして4回目となるとお客様との距離も少し近づきなんとも会話も弾みます。そこであまりカウンセリングもせずに前回と同じスタイルをご提案すると
再来店率はグッと下がります。これは経験した結果です。
となると、安定より最も必要な事は「提案」です。
今まで作ってきたヘアスタイルの次のスタイルを、3回目のお帰りの時にしっかりとご提案する事を必ず忘れずにする事です。スタイルの提案はもちろんですが、
サロンでイベントをしたり、サービスメニューを作ったり、新商品を導入したりと様々な方向から楽しみを作る事でも結構です。
私のサロンでは、くじ引き大会や福袋、仮装など毎月必ず何かイベントを考え
ご来店いただくきっかけ作りを、スタッフみんなで考えていました。
提案したスタイルやイベントが次回していただけるかはわかりませんが、
4回5回とサロンに来ていただける楽しみを作っていくことが大切です。

それともう一つ、スタイルの幅が必要になってきます。
ここで初めて、技術力の向上に力を入れていかなければなりません。
１つのスタイルから3パターンの展開を目指し、ロングヘアからミディアムに
そしてショート、カラーやパーマなど色々な技術を使い
お客様を「飽きさせない提案」をして固定化を目指していきましょう。
アシスタント時代に一生懸命練習してきたウイッグの出番ですね。一からではなく、あなたのスタイルの幅を広げる技術力のトレーニングです。
そうした結果、飽きさせない提案を提供したお客様から信用を得ることが出来ます。この信用こそ今までの実績や商品(スタイル)をお客様が評価していただけた結果となり
「この人に任せても大丈夫だ」という気持ちになっていただけます。
この評価こそが「プロへの一歩」です！
その分毎回のプレッシャーも半端ないですけどね。

ここまでくると、約120〜150名のあなたのファンがついているはずです。
ですが、この中から残念ながら5〜10％のお客様があなたから去っていきます。
理由は様々ですが、失客の多くが「何となく」です。
技術の失敗やトラブルでご来店がなくなる答えのある失客は改善の余地がありますが、何となくは、すごく酷い答えなんですが結局あなたやサロンに飽きてきた証拠なんです。
だからこそ、顧客の『固定化』に向けて1％でも失客率を減らし、
飽きさせない工夫と努力をサロン一丸となって取り組んでいく必要となります。

その結果30万の壁の時には、1日誰もご来店いただけないさみしい思いをしていた日もなくなり日々、ドキドキワクワクする日々に変化していくでしょう！
スタイリストとして間違いなく楽しくなってきましたね！この調子で頑張ってください！

いかがでしたでしょうか？
30〜50万の壁についてお話しをしました。次回は、70〜100万の壁について
お話ししていきたいと思いますので、どうぞお楽しみにお待ちください。

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