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『ゴシック写本の小宇宙』展を観てきました

かつて書籍というものは美術品でもありました。

13、14世紀のヨーロッパで作られた本と申しますと。
印刷ではなくて、手書きです。
知識を教会が独占していたこともあって、内容はいわゆるキリスト教関係。
聖書だったり、神学だったり、キリスト教を軸とした歴史であったり。
内容そのものの価値に見合うだけの表現を、その筆や装丁に求められていた書籍は、美術品であると同時に信仰を表すものでもありました。
だから、修道士が修行の一環として作成することも多かったわけです。

なんだか映画『ブレンダンとケルズの秘密』とかの世界。

実際に、実物を見るとファンタジーな気分になります。
なにしろ可愛い。

書式とか、細かいルールがいっぱいあるそうなんですが。
よく知らない自分でも、眺めるだけで楽しめました。

あと、紙じゃなくて、獣皮を鞣したものを使ってるんだけど、その質感がカッコイイんですよね。
こういう美術品としての書籍は、知識の価値が変わってしまった現在、もはや新しく必要とされていないのだろうけど。
こういう展示を見ると、少し淋しい気がしてきます。

ところで今回の展示品のデザインは、どことなくコーランを思いおこさせるなあ、と個人的には思ったんですけど、どんなもんでしょう。
もっとも、東アジアから眺めると、キリスト教もイスラム教、ユダヤ教も、ユダヤ発生の一神教はあんまり大差なく見えちゃうので、そのせいもあるのかもしれないですが・・・。
と、学のなさを露呈する。

ともあれ。
東アジアの書画の歴史とはずいぶんいろいろ違ってて、なかなか面白かったです。

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