inori 8首連作 #恋人を喪った安田短歌
行く宛もない鶴を折る間だけどうか記憶よ凪いでいてくれ
ほろよいを飲めば泥酔する君が転んだ駅のさくら満開
まだ君がいたころに取り付けられた蛍光灯が明滅してる
コンビニの線香花火はじけてく夏の延命措置はできない
内緒って勿体ぶられた隠し味教えてくれよ辛すぎるんだ
折るという文字は「祈り」にちかいこと鶴を5階の窓から放つ
どうしようもなく遠いねもう何度聴いただろうか留守電を消す
これ以上つらい日が来ませんように来ませんように秋晴れの路
2016/10/16