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#オェェェ~~

私は体調を崩すと必ず嘔吐を繰り返す傾向がある。胃腸炎はもちろん風邪でもインフルエンザでもひどい時のPMS症状でも。まるで溜まりに溜まった悪いものを全部吐き出すかのように。日頃ついつい手が出るスィーツや茶色系の高カロリーの食べ物、夜ふかして睡眠不足で蓄積される老廃物などをデトックスされる。最初の2日間くらいは病院に行く気力はなく、ただただベットとトイレの往復で苦しみ続け、3日目くらいに病院へ連れて行ってもらい点滴を打つ。それでちょっとだけ正気を取り戻しつつ、点滴↔ベッドの生活がだいたい1週間ほど続く。ほんとにこの期間は辛いししんどい。「多分抗がん剤治療の人ってこれくらいしんどいのかな」とか「死ぬ時ってこれくらい苦しいのかな」など取り留めない思考が頭をよぎる。
私のしんどい事情はこれくらいにして…

 九州の海がゴミだらけになっている現状をTV番組で知った。
秋、台風や季節風の影響で九州にはさまざまな海洋ゴミが周辺の地域から流れ着く。ペットボトルやビニール袋、漁具。外国のものもあれば、私たちの身のまわりから川を通じて流れ込んだものも。もちろんその大量のゴミは海中でも“異変”を引き起こしていた。海底に堆積したプラスチックの山、生き物たちの変化など「プラスチック」をキーワードに九州各地を旅し、人が生み出すゴミが身近な海に与える影響について考える番組だった。
 私には海岸に打ち上げられた大量のゴミは海の嘔吐物にしか見えなかった。私たちだって変なウィルスや菌が体に入ると拒絶反応を起こし調子を崩すのと同じ。海もそこに生息する生き物たち全てがオエェェ~って苦しんでいてとってもじゃないけどプラスチック(他の人間が捨てたゴミすべて)なんか到底受け入れられませんってと叫んでいる。どうぞ捨てた方でどうにかしてくださいと返品してきているにすぎない。当然ながらゴミの返品だけでは終わらずそれを餌として食べた魚介類を人間が口にすることにもなる。 
 その地域に暮らしてきた人々は「この50年の間で海の様子が変わってしまった。」とインタビューに答えておられた。「この50年」って確かに私たちの取り巻く環境は大きく変わった。子供の頃はスーパーなんてほとんどなくて野菜は八百屋、肉は肉屋へ買いに行って新聞紙や紙の包装材でくるっと巻いて藤の買い物かごへ入れてもらってた。ビニール袋は存在していたがその影はまだ薄かった。お醤油やお酒も酒屋さんが瓶で家まで持ってきてくれて空瓶は回収してくれた。魚屋で「この魚は何にしたら美味しいの?」と母が聞くと店のおじさんが「煮つけやね」とか「刺身用におろしとこか」とかそういう対話が日常で飛び交っていた。いつからかスーパーへ買い物へ行き、食品はパック詰めされ、ペットボトルが横行するようになっていた。献立はクックパッドやクラシルでポンポンして店員さんと話すことはほとんどない。どんどん便利になった。そしてそのメリットを追求した結果莫大なデメリットを生んでしまっていることに私たちは何となく気づいているけど、まだ知らんぷりしている。もしくは末端にまで浸透していない。
人間のエゴでがんじがらめの私たち。なかなかどうかじ取りをしていいのやら。50年で悪くした環境は60年、100年、何百年かかるかわからないけど快復させなければならない。
いつか地球上、いや宇宙上から私たち人間がデトックスされる日が来るのではないか。今を生きる立場をしてはどうかそうならないよう小さなど努力を積み重ねるしかない。