生まれた日に死のうと思った話③

結局、「おめでとう」のメッセージを
くれた人には誰にも返事が出せずにいた。

"あーあ・・・私はこれから毎年、
誕生日を素直に喜べくなってしまうのかな・・"

子どもの頃から「おたんじょうび」という日が大好きで
自分の誕生日も、誰かの誕生日も特別に感じていただけに
少し寂しく、残念に思った。

年を取るのが嫌で、
誕生日を喜べなくなってしまう
大人はたくさんいるけれど

生まれてきたことが嫌で、
誕生日を喜べなくなってしまう
大人になるとは思わなかった。



誕生日から数日後、以前住んでいたシェアハウスの友人たちが
誕生日会を開いてくれた。ありがたいけれど、正直、
「おめでとう」と言われて笑顔で「ありがとう」と
返せる自信がなかった私は、少しためらいながらも出席した。

シェフを目指しているシェアハウスメイトが
料理をふるまってくれた後、最後にロウソクのついた
ケーキが運ばれてきて、みんなが「ハッピーバースデー」
の歌を歌ってくれた。

あれ、あれれれ・・・?

不思議なことに、私は笑顔になってしまって、
歌の最後には「ありがとー!!」と言って
ロウソクの火を消していた・・・!!

あんなに「ハッピーバースデー」という言葉が
受け付けられなかったはずなのに。

何が起こったんだろう。

メロディーに乗ったら
言葉が心にすんなり入ってきた。

なんでなんでなんでーーー?!?!?!

やっぱり文字だけだと伝えきれない
不思議な力が音楽には宿るのだろうか。

心にロウソクの火が灯ったように
暖かくなってきて心から

"その瞬間"

を喜べた。

ここまで誕生日について真剣に
考える人もなかなかいないと思うし
我ながら面倒くさいやつだなーと思うのだけど

色々考え抜いた結果。。。

自分や誰かの誕生日には
「今まで生きてくれてありがとう」の言葉か
「バースデーソング」の歌を贈ろう
と思いました。

今年の誕生日は素直に喜べるかな。
"ああ、やっぱり生きてて良かった"
って言える誕生日になるといいな。

おしまい♬

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