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旅する日本語

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コンテスト「旅する日本語」に応募した400字エッセイ
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#和煦

まどろみの中で

桜のつぼみが膨らんだ頃、2人で旅をしていた。大学生の貧乏旅行だったけれど、久々の再会にふわふわとした幸せを感じていた。 空腹で歩いていると、湯葉料理店が目に留まる。本格的な湯葉料理を食べてみたい、とお店に入ることに。 高級なお店だと気づいたのは、メニューを開いた時だった。豪華な懐石料理が並ぶ中、一番安い湯葉定食を2つ注文する。 豆乳がしたたる生湯葉を口に入れると、すうっととろけていく。「おいしい!」と、顔を見合わせた。揚げ湯葉も、出汁に浸した巻き湯葉も、苺が添えられた羊