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旅する日本語

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コンテスト「旅する日本語」に応募した400字エッセイ
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#大童

おばあちゃん

ある小さな港町。 まだ朝の7時だというのに、住民たちはすでに活動し始めている。 通りには海鮮丼やとれたての魚を売る店が並び、賑わっていた。 ある店でウニの瓶詰めを見ていると、 「おいしいよぉ!ゆっくり見てってね」 と店のおばあちゃんに声をかけられた。 80歳は過ぎているように見えるが、働く姿は朗らかで、若々しい。きらきらとした瞳は、まるで少女のようだと思った。 同じようにあちこちで明るい声が交わされていて、気持ちがいい。 わたしの朝はどうだろう。